1.2.18 GADとUniversal Replicatorとの併用
GADを使用したシステムでは、サーバは正サイトと副サイトへ同時にI/Oを発行し、近距離にある2つのストレージシステム間で同じデータを共有します。このため、一方のストレージシステムに障害が発生しても、他方のストレージシステムで業務を継続できます。大規模な災害によって正サイトとGADの副サイトの両方が被災した場合は、GADだけでデータを冗長化したシステムでは業務を継続できなくなります。GADとUniversal Replicator(UR)を組み合わせて3データセンター構成(3DC)にすることで、正サイトとGADの副サイトの両方が被災した場合でも、遠隔地にあるURの副サイトを利用できるため、業務を継続できます。
GADとURを併用するときは、次のようにシステムを構成します。
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GADのセカンダリボリュームとして使用されているボリュームをデルタリシンク用URペアのプライマリボリュームに指定します。
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GADのプライマリボリュームとして使用されているボリュームをURペアのプライマリボリュームに指定します。
- メモ
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GADとURを組み合わせた3DCデルタリシンク構成は、VSP G370およびVSP F370、VSP G700およびVSP F700、VSP G900およびVSP F900、またはVSP 5000シリーズでサポートしています。
URペアのセカンダリボリュームは2つのミラーIDを使用します。1つは、URペアで、1つはデルタリシンク用のURペアです。
次の図にGADとURを併用するときの構成を示します。GADとURを併用するときは、必ずこの構成にします。
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GADの副サイトからURの副サイトへデルタリシンク用のURペアがあるため、正サイトで障害が発生したときにはGADの副サイトにあるジャーナルデータを使ってURペアのセカンダリボリュームを同期できます。
- メモ
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正サイトおよび副サイトに複数のストレージシステムを配置してURシステムを構築している場合、そのURを使用して、GADとURとの3DC構成は構築できません。
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TrueCopyとURの3DCマルチターゲット構成、3つのURサイトによる3DCマルチターゲット構成、および3つのURサイトによる3DCカスケード構成のURは、GADとURとの3DC構成として併用できません。
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GADとURとを併用する場合、リモートコマンドデバイスは不要です。
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GADとURを併用する場合、先にGADペアを作成してから、URペアを作成してください。作成されたURペアに対して、GADペアと併用できません。
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