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 リモートレプリケーション クイックリファレンス 


1.10.28 DP-VOL容量拡張時のトラブルシューティング

DP-VOLの容量拡張中にトラブルが起きた場合の対処方法について説明します。

〈この項の構成〉

(1) TrueCopyペアの片方のボリュームが容量拡張に失敗した場合の回復手順

TrueCopyペアの片方のボリュームだけが容量拡張に成功し、もう片方のボリュームで容量拡張に失敗した場合、容量拡張後に実施するTrueCopyペアの再同期操作が、容量不一致により失敗します。

また、TrueCopyペアをUniversal ReplicatorShadowImage、またはThin Imageと併用している場合に、どれか一つのプログラムプロダクトのプライマリボリュームとセカンダリボリュームの容量拡張が失敗した場合、ボリューム全体として容量拡張が完了していない状態となっています。

これらの状態となった場合の回復手順を次に示します。

回復手順

  1. TrueCopyペアのプライマリボリュームとセカンダリボリュームの両方について、「1.10.26 TrueCopyペアで使用しているDP-VOLの容量を拡張する」の前提条件を満たしているか確認します。

    TrueCopyペアを、Universal ReplicatorShadowImage、またはThin Imageと併用している場合、併用しているすべてのプログラムプロダクトのプライマリボリュームとセカンダリボリュームの容量拡張操作が必要になります。対象のボリュームすべてについて、「(4) 各プログラムプロダクトの容量拡張の前提条件」に記載されている、容量拡張の前提条件を満たしているか確認します。

    容量拡張の条件を満たせない場合、 手順4 に進んでください。

  2. 容量拡張の条件を満たした状態で再度容量拡張操作を実施し、プライマリボリュームとセカンダリボリュームの容量を一致させます。 例えば空き容量が不足している場合は、空き領域を確保してから、DP-VOLの容量を拡張します。

    また、TrueCopyペアを、Universal ReplicatorShadowImage、またはThin Imageと併用している場合、再度、併用しているすべてのプログラムプロダクトのボリュームの容量を拡張し、各プロブラムプロダクトのペアのプライマリボリュームとセカンダリボリュームの容量を一致させます。

    • 上記の操作で容量拡張が成功した場合、 手順3に進んでください。

    • 上記の操作で容量拡張に失敗した場合、 手順4に進んでください。

  3. TrueCopyペアを再同期します。

    TrueCopyペアとUniversal Replicatorを併用している場合、Universal Replicatorペアを再同期します。

    これで、回復が完了します。

  4. TrueCopyペアを削除し、SMPLの状態で容量拡張の操作をします。その後、TrueCopyペアを再作成します。

    容量の入力ミス等で容量拡張前の状態に戻したい場合は、TrueCopyペアを削除してから、正しい容量でLDEVを再作成します。その後、TrueCopyペアを再作成します。

    • TrueCopyペアとUniversal Replicatorと併用している場合:

      すべてのペアを削除し、SMPLの状態で容量拡張の操作をします。その後、構築時の手順で構成を元に戻します。

      容量の入力ミス等で容量拡張前の状態に戻したい場合は、すべてのペアを削除してから、正しい容量でLDEVを再作成します。その後、構築時の手順で構成を元に戻します。

    • TrueCopyペアと、ShadowImageまたはThin Imageを併用していて、ShadowImageペアまたはThin ImageペアのP-VOLとS-VOLの容量が不一致の場合:

      ShadowImageペアまたはThin Imageペアに対しては、削除操作しかできません。容量拡張前のShadowImageペアまたはThin ImageペアのS-VOLのデータを読み出すことは可能なため、容量拡張前のデータを使いたい場合は、データ読み出し完了後にすべてのペアを削除してください。SMPLの状態で容量拡張の操作をします。その後、構築時の手順で構成を元に戻します。

      容量の入力ミス等で容量拡張前の状態に戻したい場合は、すべてのペアを削除してから、正しい容量でLDEVを再作成します。その後、構築時の手順で構成を元に戻します。

(2) TrueCopyペアの片方のボリュームが容量拡張済みで障害が発生した場合のリカバリ

TrueCopyペアの片方のボリュームだけが容量拡張に成功し、もう片方のボリュームの容量を拡張する前に障害が発生した場合の回復手順について説明します。

まず、1.12.1 TrueCopyの災害リカバリの回復手順に従い、障害部位を回復させます。

ただし、回復手順時の操作によっては、次に示す対応をしてください。

回復手順時の操作

対応

回復手順中に次の操作がある場合

  • TrueCopyペアの再同期操作

TrueCopyペアのプライマリボリュームとセカンダリボリュームの容量が不一致状態になっているため再同期操作は失敗します。

そのため、TrueCopyペアの再同期操作の直前で、後述の「障害回復追加手順」を実施してください。

回復手順中に次の操作がある場合

  • TrueCopyペアの削除

  • ボリュームの障害回復

  • TrueCopyペアの再作成

TrueCopyペア再作成時、対象のプライマリボリュームとセカンダリボリュームの容量が不一致状態になっているためペア作成操作は失敗します。

そのため、TrueCopyペアの作成操作の直前で、後述の「障害回復追加手順」をしてください。

回復手順中に次の操作がある場合

  • TrueCopyペアの削除

  • ボリュームの削除

  • ボリュームの作成

  • TrueCopyペアの再作成

TrueCopyペア再作成時、対象のプライマリボリュームとセカンダリボリュームの容量が不一致状態になっているとペア作成操作は失敗します。

そのため、ボリュームの作成時、プライマリボリュームとセカンダリボリュームで容量を一致させてください。

障害回復追加手順

  1. 容量拡張をしていないボリュームの容量を拡張してから、TrueCopyのプライマリボリュームとセカンダリボリュームの容量を一致させます。

    また、TrueCopyペアと他のプログラムプロダクトと併用している場合、併用しているすべてのプログラムプロダクトのプライマリボリュームとセカンダリボリュームの容量を拡張します。ボリュームの拡張順序については、「(1) プログラムプロダクト連携時の容量拡張順序の考え方」を参照してください。

  2. 1.12.1 TrueCopyの災害リカバリの回復手順に戻り、TrueCopyペアの再同期操作、TrueCopyペアの作成操作から再開します。