1.1.6 TrueCopyの形成コピー
新しいTrueCopyペアを作成する場合は、プライマリボリュームの全内容をトラック単位でセカンダリボリュームにコピーします(この中には診断トラックや割り当てられていない交替トラックは含まれません)。形成コピーは、ホストI/Oプロセスとは別にプライマリボリュームとセカンダリボリュームを同期させます。形成コピーでは、すでにプライマリボリュームとセカンダリボリュームが完全に同一であることが確実な場合は、データを一切コピーしないという選択ができます。データ転送速度とシステム性能の間の柔軟性を向上させるオプションも指定できます。
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[コピー速度]では、TrueCopyペアを作成/再同期する際のTrueCopy形成コピーで、同時にコピーされるトラック数(1-15)を指定できます。コピーするトラック数が多いほど、動作は速く完了します。コピーするトラック数が少ないほど、維持される性能レベルは高くなります。コピー速度の値と、1RIO単位での転送サイズとの関係を次の表に示します。
コピー速度
転送サイズ
1
256KB(256KB×1)
2
512KB(256KB×2)
3
768KB(256KB×3)
4以上
1,024KB(256KB×4)
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[形成コピー優先度]では、TrueCopyペアの作成や再同期を実行する際の、形成コピーの実行順序を指定できます。最大形成コピー数を超える数のペアを作成する場合に使用します。RAID Managerを使用する場合は、構成定義ファイル内にあるLUやLDEVの記載順を並べ替えることで、同様に形成コピーの実行順序を指定できます。
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[最大形成コピー数]では、正サイトのストレージシステムが同時に実行できる形成コピーの最大ペア数を指定できます。RAID Managerを使用する場合は、raidcom modify remote_replica_opt -copy_activityで同様に形成コピーの最大ペア数を指定できます。
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[往復応答時間]では、プライマリボリュームからセカンダリボリュームへデータをコピーするときの往復応答時間を指定できます。この設定値を基に、更新I/Oに対する更新コピーの応答時間に影響を与えないように形成コピーの速度を自動調整します。RAID Managerを使用する場合は、raidcom modify rcuで同様に往復応答時間を指定できます。