2.6.3 Universal Replicatorペアを作成する
背景
データボリュームのペアを作成すると、正サイトのストレージシステムのプライマリボリュームにあるすべてのデータが、副サイトのストレージシステムのセカンダリボリュームにコピーされます。ホストからのI/Oは、プライマリボリュームに対して発行します。
ジャーナル内のUniversal Replicatorデータボリュームペアをすべて削除して再度Universal Replicatorデータボリュームペアを生成する場合は、ペアを削除してから1分以上待って実施してください。
ペア作成操作は正サイトのストレージシステムから実行します。
前提条件
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必要なロール:ストレージ管理者(リモートバックアップ管理)ロール
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セカンダリボリュームがすべてのホストに対してオフラインであること。
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正サイトのストレージシステムと副サイトのストレージシステムを接続し、すべてのリモートパスを定義していること。
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ペアを作成する前に、プライマリボリュームとセカンダリボリュームの容量が、ブロック単位で同じであること。
- メモ
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[論理デバイス]画面の[オプション]で[容量単位]を[block]にして、プライマリボリュームとセカンダリボリュームの容量が同じであることを確認してください。[容量単位]を[GB]などのバイト単位で表示すると、プライマリボリュームとセカンダリボリュームの容量に僅かな差があった場合に、プライマリボリュームとセカンダリボリュームの容量の差異が表れないことがあります。
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ペアが使用するジャーナルに、ジャーナルボリュームを登録していること。
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複数のペアを同時に作成する場合、ストレージシステムが形成コピーを実行するボリュームの個数を指定していること。
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デルタリシンク用のUniversal Replicatorペアを作成する場合は、関連項目を参照して、デルタリシンク用Universal Replicatorペアの作成条件をすべて満たしていることを確認してください。
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3つのUniversal Replicatorサイトを用いた3DCマルチターゲット構成で、1個目のUniversal ReplicatorペアのプライマリボリュームがCOPY状態の場合、2個目のミラーでUniversal Replicatorペアを作成できません。
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3つのUniversal Replicatorサイトを用いた3DCカスケード構成で、正サイトと中間サイトの間のUniversal ReplicatorペアのセカンダリボリュームがCOPY状態の場合、中間サイトと副サイトの間のUniversal Replicatorペアを作成できません。
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Performance Monitorが稼働している場合は、TCP/IPネットワークの過剰トラフィックを避けるため、Performance Monitorが停止していること。正サイトのストレージシステムと副サイトのストレージシステムで操作します。Performance Monitorについては、マニュアルPerformance Managerユーザガイド(Performance Monitor, Server Priority Manager)を参照してください。
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RAID Managerの場合は、paircreateコマンドを使用すること。
操作手順
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次のどれかの方法で[URペア作成]画面を表示します。
Hitachi Command Suiteを使用する場合:
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[リソース]タブで[ストレージシステム]ツリーを展開します。ローカルストレージシステムを右クリックし、[リモートレプリケーション]を選択します。[URペア]タブで[URペア作成]をクリックします。
Storage Navigatorのよく使うタスクを使用する場合:
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[よく使うタスク]から[URペア作成(リモート)]を選択します。
Storage Navigatorの[リモートレプリケーション]画面を使用する場合:
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[ストレージシステム]ツリーから[レプリケーション]‐[リモートレプリケーション]を選択します。[URペア]タブまたは[ミラー]タブを選択します。[URペア作成]をクリックします。
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[ストレージシステム]ツリーから[レプリケーション]‐[リモートレプリケーション]を選択します。[URペア]タブまたは[ミラー]タブを選択します。[アクション]メニューから[リモートレプリケーション]‐[URペア作成]を選択します。
Storage Navigatorの個別のジャーナル画面を使用する場合:
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[ストレージシステム]ツリーから[レプリケーション]‐[ジャーナル]を選択します。[ジャーナル]画面でペアを作成するジャーナルを選択します。[ミラー]タブで、[アクション]メニューから[リモートレプリケーション]‐[URペア作成]を選択します。
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副サイトのストレージシステムを指定します。
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[モデル / シリアル番号]:モデルとシリアル番号を選択します。
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[パスグループID]:パスグループIDを選択します。
- メモ
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パスグループIDの選択には、次の制限事項があります。
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同じミラー(マスタジャーナル、ミラーID、およびリストアジャーナル)にすでにデータボリュームのペアが作成されている場合は、異なるストレージシステム(パスグループIDを含む)を選択できません。
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[プライマリボリューム選択]の[URペアのボリュームを使用]で、Universal Replicatorペアで使用中のボリュームを使用するか選択します。
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[プライマリボリューム選択]の[LU選択]で、正サイトのストレージシステムのポート名と、ホストグループ名またはiSCSIターゲットエイリアスを選択します。プライマリボリュームとして使用できるボリュームが[利用可能なプライマリボリューム]のテーブルに表示されます。
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[プライマリボリューム選択]の[利用可能なプライマリボリューム]テーブルで、プライマリボリュームのチェックボックスを選択します。
- メモ
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仮想ストレージマシン内のボリュームを指定するときも、VSP G150, G350, G370, G700, G900およびVSP F350, F370, F700, F900のLDEV IDを指定してください。仮想LDEV IDは指定できません。
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異なる仮想ストレージマシンのデータボリュームは、同じジャーナルに登録できません。
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[セカンダリボリューム選択]の[ベースセカンダリボリューム]で、ベースセカンダリボリュームに関する情報を指定します。
ペアを作成するボリュームは、ポート名、ホストグループIDまたはiSCSIターゲットID、およびLUN IDで指定します。
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[ポート名]:ポート名を選択します。
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[ホストグループID/iSCSIターゲットID]:ホストグループIDまたはiSCSIターゲットIDを選択します。
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[LUN ID]:LUN IDを選択します。
- ヒント
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LUN IDは10進数で指定します。
Storage NavigatorのLUN IDの表示の切り替え方法については、Hitachi Device Manager - Storage Navigatorユーザガイドを参照してください。
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[選択タイプ]:選択タイプを選択します。
[間隔]を選択した場合、セカンダリボリュームを割り当てる間隔を選択します。
[プライマリボリューム相対]を選択すると、隣接しているプライマリボリューム2つのLUNの差を計算し、その結果を基にセカンダリボリュームのLUNを決めます。例えば、3つのプライマリボリュームのLUNがそれぞれ1、5、6だとします。この場合、[ベースセカンダリボリューム]の[LUN ID]に2を指定すると、3つのセカンダリボリュームのLUNは、それぞれ2、6、7になります。
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[ミラー選択]で、ミラーのマスタジャーナル、ミラーID、およびリストアジャーナルを選択します。
[マスタジャーナル]には、登録済み(リストアジャーナルを除く)のジャーナルIDが表示されます。
[リストアジャーナル]には、すべてのジャーナルIDが表示されます。
- メモ
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[プライマリボリューム選択]の[URペアのボリュームを使用]で[該当]を選択している場合、[マスタジャーナル]は[選択したP-VOLによる]が選択されます。
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[CTG ID]で、コンシステンシーグループを選択します。
Universal ReplicatorのジャーナルIDと同じコンシステンシーグループIDを割り当てることをお勧めします。
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必要に応じて、[オプション]をクリックします。
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[形成コピータイプ]を選択します。通常は、[全てコピー]を選択します。
- メモ
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[全てコピー]は、プライマリボリュームのすべてのデータをセカンダリボリュームへコピーするとき、選択します。
[なし]は、プライマリボリュームとセカンダリボリュームの内容が完全に同じであることが確実なときにだけ、選択してください。
[デルタ]は、デルタリシンクを用いる3DCマルチターゲット構成で、デルタリシンク用のUniversal Replicatorペアを作成するときにだけ、選択してください。
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[形成コピー優先度]で、形成コピーの優先順位(実行順序)を指定します。
優先度は、同時に実行した形成コピー操作の数の範囲内で決定されます。このため、最初の形成コピー操作で優先度の順番に従った形成コピー操作が完了するまで、追加して指定した形成コピー操作は開始されません。
- メモ
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ペアの作成中にタイムアウトが発生した場合、指定した優先順位のとおりにコピー処理が実行されないことがあります。タイムアウトの原因を確認して解決してください。原因にはCUの構成やリモートコピー接続バスの不具合などがあります。いったんペアを削除して、再度ペアを作成してください。
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[エラーレベル]で、障害発生時のペア分割の範囲を指定します。
このペアに障害が発生したとき、このペアだけを分割するときは[LU]を、このペアと同じミラー内のすべてのペアを分割するときは[ミラー]を選択します。
ただし、ペア状態がCOPY中にボリューム障害が発生した場合は、[ミラー]を指定してもミラー内の対象ペアのみが分割されます。
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[追加]をクリックします。
作成したペアが、[選択したペア]テーブルに追加されます。ペアを[選択したペア]テーブルから削除したい場合は、そのペアのチェックボックスを選択して[削除]をクリックします。ペアのチェックボックスを選択して[設定変更]をクリックすると、[設定変更]画面が表示され、そのペアの設定を変更できます。
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[完了]をクリックします。
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[設定確認]画面で設定内容を確認し、[タスク名]にタスク名を入力します。
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[適用]をクリックして設定をストレージシステムに適用します。
設定した内容はタスクとしてキューイングされ、順に実行されます。
- ヒント
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ウィザードを閉じたあとに[タスク]画面を自動的に表示するには、ウィザードで[「適用」をクリックした後にタスク画面を表示]を選択して、[適用]をクリックします。
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[タスク]画面で、操作結果を確認します。
実行前であれば、[タスク]画面でタスクを一時中断したりキャンセルしたりできます。
作成したUniversal Replicatorペアの状態は、[形成コピータイプ]での指定値によって異なります。[リモートレプリケーション]画面で、ペアの状態を確認してください。
[形成コピータイプ]での指定値 |
現在のペア状態 |
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[全てコピー]または[なし] |
COPYまたはPAIR |
[デルタ] |
HOLDまたはHOLDING |
ペアの最新の状態を表示するには、[リモートレプリケーション]画面の更新ボタンをクリックしてください。
現在のペアの状態は、[ペアプロパティ参照]画面でも確認できます。
ペア作成ウィザードについてはTrueCopyユーザガイドを参照してください。