2.3.24 複数のストレージシステムを使用したUniversal Replicatorシステムの検討
Universal Replicatorシステムは、4台までの正サイトのストレージシステム(VSP G150, G350, G370, G700, G900およびVSP F350, F370, F700, F900、VSP G100, G200, G400, G600, G800およびVSP F400, F600, F800、VSP G1000, VSP G1500, VSP F1500、VSP 5000シリーズ、またはHUS VM)と4台までの副サイトのストレージシステム(VSP G150, G350, G370, G700, G900およびVSP F350, F370, F700, F900、VSP G100, G200, G400, G600, G800およびVSP F400, F600, F800、VSP G1000, VSP G1500, VSP F1500、VSP 5000シリーズ、またはHUS VM)で構成できます。正サイトのストレージシステムと副サイトのストレージシステムは、それぞれ1台から4台の範囲で、任意に組み合わせられます。例えば、正サイトのストレージシステムが4台・副サイトのストレージシステムも4台といった構成のほかにも、正サイトのストレージシステムが2台・副サイトのストレージシステムは1台という構成も実現できます。また、複数のVSP G150, G350, G370, G700, G900およびVSP F350, F370, F700, F900を使用したUniversal Replicatorシステムに組み込んだUniversal Replicatorペアのボリュームを、TrueCopyペアと共有できます。Universal ReplicatorとTrueCopyの併用については、「2.2.2 Universal ReplicatorとTrueCopyの併用」を参照してください。複数の正サイトのストレージシステムと副サイトのストレージシステムを使用した構成例を次に示します。
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複数の正サイトのストレージシステムおよび副サイトのストレージシステムを組み合わせた構成では、正ホストのRAID Managerから一定の間隔でタイムスタンプが発行されます。このタイムスタンプは、Universal Replicatorのプライマリボリュームに書き込むデータに追加されます。副サイトのストレージシステムでは、タイムスタンプの古いデータから順にデータボリュームにリストアすることでデータの更新順序を保ちます。タイムスタンプを用いて複数のストレージシステム間の更新ポイントを合わせるため、コンシステンシーを維持しながらデータをコピーできます。
複数の正サイトのストレージシステムおよび副サイトのストレージシステムを組み合わせた操作に関しては、次の内容に注意してください。
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Storage Navigatorで操作する場合、管理クライアントは正副サイトに導入する必要があります。
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RAID Managerは、正副サイトのホストに導入することをお勧めします。
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RAID Managerから定期的に発行されるタイムスタンプと、ホストから正サイトのストレージシステムに書き込み要求が発行されたときに取得したシーケンス番号を用いて副サイトのストレージシステム内のジャーナルデータは更新されます。マスタジャーナルボリュームからリストアジャーナルボリュームを通じて副サイトのストレージシステムに移動するまで、タイムスタンプとシーケンス番号はデータに追加された状態で残ります。
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災害リカバリ操作が実行できます。
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ジャーナルにエラーが発生した場合、すべてのジャーナルはそのエラーによってサスペンドされることがあります。
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タイムスタンプを発行する間隔は1秒程度にすることをお勧めします。複数のストレージシステム間でタイムスタンプを更新する間、I/Oのレスポンスは低下します。このため、タイムスタンプを発行する間隔を短くするとI/Oのレスポンス低下に与える影響は、より大きくなります。ただし、コピーされたジャーナルのタイムスタンプが更新されないと副サイトのストレージシステムへデータがリストアされないため、タイムスタンプを発行する間隔を大きくするとリストアを実行する間隔も大きくなり、ジャーナルがたまりやすくなります。なお、形成コピーおよびリシンクコピーの動作中はタイムスタンプに関わらずデータをリストアするため、タイムスタンプを発行する間隔を大きくしてもジャーナルがたまりやすくなることはありません。
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RAID Managerコマンドは、In-Band方式で実行することをお勧めします。Out-of-Band方式でコマンドを実行すると、In-Band方式でコマンドを実行したときに比べて、複数のストレージシステム間でタイムスタンプを更新するときに時間が掛かります。複数のストレージシステム間でタイムスタンプを更新する間、I/Oのレスポンスは低下するため、Out-of-Band方式でコマンドを実行した場合、レスポンス低下に与える影響が大きくなります。
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プライマリボリュームのペア状態がPAIRのときにセカンダリボリュームを指定してペアを分割した場合、各ストレージシステムがそれぞれペア分割操作時の最新データをプライマリボリュームからセカンダリボリュームへコピーします。このため、正サイトのストレージシステムのタイムスタンプが更新されるタイミングによってはストレージシステムごとにタイムスタンプが異なる場合があります。
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複数の正サイトのストレージシステムおよび副サイトのストレージシステムを組み合わせた構成では、各ストレージシステムのリモートコピーの環境を、できるだけ同等にしてください。次のようなストレージシステムが構成に含まれている場合には、各ジャーナルでリストア性能が低下して、ジャーナルがたまりやすくなります。
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正サイトと副サイトの間のコピー性能が、他のストレージシステムと比べて低いペアがある。
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回線不調が起きているペアがある。
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1つのジャーナルを、複数のRAID Managerのコンシステンシーグループに登録しないでください。この場合、複数のRAID Managerからタイムスタンプが発行され、コンシステンシーグループ内でデータの一貫性を保証できなくなります。