1.14.7 一定レベル以上のI/O処理性能を確保する
特定のサービスに対して、一定レベル以上のI/O処理性能を確保したい場合は、下限値制御が適しています。
- 注意
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LUNパスを設定した、すべてのボリュームに下限値を設定する必要があります。
下限値設定の考え方
最初に設定する下限値は、設定可能範囲の最小値を推奨します。運用開始後、アプリケーションの動作や業務サイクル(例えば、1日~1週間)のスループットの量を確認しながら、徐々に下限値を上げてください。スループットの量は、QoSモニタを使って性能値を参照してください。
下限値を上げていく際は、次のことに注意してください。
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すべてのボリュームの下限値の合計を、ストレージシステムのI/O処理能力以下にする必要があります。
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一定のスループットがあるボリュームに対して下限値を設定することを推奨します。I/Oが断続的に発生するボリュームの下限値には、設定可能範囲の最小値を指定してください。
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下限値を高く設定しても、サーバからボリュームへのI/O要求が少なければスループットは増加しません。
下限値未達警告が発生する場合
運用中に、下限値未達警告が発生したり、モニタ情報異常が認められたりする場合は、次のことが考えられます。
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すべてのボリュームの下限値の合計が、ストレージシステムのI/O処理能力を超えている。
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ドライブ障害などのハード障害が発生している(この場合は、ハード障害を示すSIMが通知されます)。
これらに該当しない場合は、下限値制御が十分に機能しない可能性があります。下限値の設定の解除を検討してください。