1.10.8 [優先ポート制御]画面の[WWN]タブ
[優先ポート制御]画面の[WWN]タブを利用すると、非優先WWNの性能に上限値を設定したり、優先WWNの性能にしきい値を設定したりできます。
項目 |
説明 |
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現在の制御状態 |
[WWN]タブを表示しているときに[ポート制御]が表示されている場合は、[適用]をクリックすると制御が切り替わり、[WWN制御]が表示されるようになります。 制御状態を[無制御]に戻したい場合は、全ホストバスアダプタの属性を[Prio.]に設定して、[適用]をクリックしてください。 |
画面右上のドロップダウンリスト |
画面の右上にあるドロップダウンリストを利用すると、リストに表示されるWWN(ホストバスアダプタ)を絞り込めます。
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画面左上のツリー |
ストレージシステムのポートと、それぞれのポートに接続しているホストバスアダプタが一覧表示されます。 [ストレージシステム]フォルダの下には、ストレージシステムのポート( など)が一覧表示されます。ポートのアイコンをダブルクリックすると、ポートの下に、[モニター対象]および[モニター対象外]という項目が表示されます。そのポートと接続しているホストバスアダプタは、[モニター対象]と[モニター対象外]のどちらかの下に表示されます。 [モニター対象]をダブルクリックすると、そのポートとのトラフィックがモニタリングの対象となっているホストバスアダプタ()が表示されます。また、[モニター対象外]をダブルクリックすると、そのポートとのトラフィックがモニタリングの対象外となっているホストバスアダプタが表示されます。 [モニター対象]下のホストバスアダプタアイコン の右側には、WWNとSPM名が表示されます。WWN(Worldwide Name)は、ホストバスアダプタを識別するために利用される16桁の16進数です。SPM名は、それぞれのホストバスアダプタを区別しやすくするためにシステム管理者が付けた名前です。[モニター対象外]下のホストバスアダプタアイコンの右側には、WWNだけが表示されます。 ホストバスアダプタとポートが多対多で接続されている場合、基本的に、すべてのホストバスアダプタとポート間のトラフィックをモニタリングの対象とします。そのため、通常はすべてのホストバスアダプタが[モニター対象]下に表示されるようにしてください。[モニター対象外]の下に表示されているホストバスアダプタを[モニター対象]下に移動させる方法については、1.12.4 ホストバスアダプタとポート間のトラフィックをすべてモニタリング対象にするを参照してください。 なお、ツリーで選択した項目によって、ツリーの右側のリストの内容は次のように変化します。
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画面左下のツリー |
[ストレージシステム]フォルダの下に、SPMグループ(複数のWWNから成るグループ)が一覧表示されます。SPMグループ()をダブルクリックすると、そのSPMグループに属するホストバスアダプタ()が表示されます。ホストバスアダプタのアイコンの右側には、WWNとSPM名が表示されます。SPMグループについては、1.10.2 複数のホストバスアダプタをSPMグループに登録する節で詳しく説明します。 ホストバスアダプタのWWNが赤色の文字で表示されている場合、そのホストバスアダプタは複数のポートと接続していますが、一部のポートとのトラフィックがモニタリングの対象外になっています。ホストバスアダプタとポートが多対多で接続されている場合は、基本的に、すべてのホストバスアダプタとポート間のトラフィックをモニタリングの対象としてください。WWNが赤色の文字で表示されている場合の詳細と対処については、1.12.4 ホストバスアダプタとポート間のトラフィックをすべてモニタリング対象にするを参照してください。 なお、ツリーで選択した項目によって、右側のリストの内容は次のように変化します。
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WWN追加 |
ホストバスアダプタをSPMグループに追加します。このボタンを利用するときには、あらかじめ画面左上のツリーでホストバスアダプタ()を選択し、画面左下のツリーでSPMグループ()を選択しておく必要があります。 追加できるのは、[モニター対象]下にあり、かつ、ほかのSPMグループに登録されていないホストバスアダプタです。ツリーで、モニタリングの対象外のホストバスアダプタや、すでにほかのSPMグループに登録されているホストバスアダプタを選択した場合、[WWN追加]は選択できません。 |
リストの左上にあるドロップダウンリスト |
リストの左上にあるドロップダウンリストを利用すると、リストに表示する情報の種類を指定できます。
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リスト |
画面の左上または左下のツリーで選択した項目についての、ホストバスアダプタのI/Oレート(1秒当たりの入出力アクセス回数)または転送レート(1秒当たりの転送データ量)が一覧表示されます。また、ホストバスアダプタの属性および上限値を設定できます。リストの表示内容は、選択したツリーと項目によって変化します。 I/Oレートと転送レートのどちらを表示するかは、リストの左上にあるドロップダウンリストで指定します。これらのホストバスアダプタのトラフィックは、Performance Monitorを使用して測定します。測定対象となる期間は、Performance Monitorの[モニタリング期間]で指定してください。 リストの右側には、ホストバスアダプタ(WWN)の総数、優先WWNの数、および非優先WWNの数が表示されます。 リストに表示される項目については、次の表を参照してください。 |
全体しきい値 |
このチェックボックスを選択してテキストボックスにしきい値を入力すると、そのしきい値がストレージシステム全体に適用されます。I/Oレートのしきい値を指定したい場合は、ドロップダウンリストで[IOPS]を選択してください。転送レートのしきい値を指定したい場合は、ドロップダウンリストで[MB/s]を選択してください。 例:[全体しきい値]でしきい値を128IOPSとした場合、すべての優先WWNのI/Oレートの合計値が128IOPSを下回ると、非優先WWNでは上限値が無効になります。 なお、設定するレートの種類(I/Oレートまたは転送レート)が非優先WWNの上限値と異なる場合も、しきい値制御は動作します。 メモ:[WWN]タブでは、ホストバスアダプタごとに個別のしきい値は設定できません。 |
ポートコントローラ減設によるポート上の設定解除 |
ポートコントローラとは、チャネルボードのことです。減設されたチャネルボード内のポートに設定されたServer Priority Managerの情報をSVPから削除するには、このチェックボックスを選択してください。 チャネルボードを減設した場合、そのチャネルボード内にあったポートの情報は、Server Priority Managerの画面からは消えますが、SVPには残っています。そのため、同じ場所に別のチャネルボードを増設した場合に、以前に設定した優先制御の設定が適用されるおそれがあります。 なお、このチェックボックスは、減設されたチャネルボード内のポートに設定されたServer Priority Managerの設定内容(ポートに対する優先/非優先設定、およびWWNに対する優先/非優先設定)が、SVP内に残っているときだけ活性化します。 |
適用 |
画面上の設定内容をストレージシステムに適用します。 |
リセット |
画面上の設定内容を、前回[適用]をクリックした直後の状態に戻します。画面上で、青色の文字で示された変更内容が、すべて取り消されます。 |
初期化設定 |
画面上の設定内容を次のように初期化して、ストレージシステムに適用します。
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閉じる |
[優先ポート制御]画面を閉じます。 |
リストに表示される項目を説明します。
項目 |
説明 |
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WWN |
ホストバスアダプタのWWNを示します。左下のツリーで、[ストレージシステム]フォルダを選択したときには表示されません。 |
SPM名 |
ホストバスアダプタのSPM名を示します。SPM名は、Server Priority Managerの[優先ポート制御]画面上に表示されるホストバスアダプタを識別しやすくするために付けられた名前です。左下のツリーで、[ストレージシステム]フォルダを選択したときには表示されません。 |
SPMグループ |
ホストバスアダプタがどのSPMグループに属しているかを示します。 [SPMグループ]は、左上のツリーでポートを選択したときに表示されます。左下のツリーでSPMグループを選択したときには表示されません。 |
ポート別[IOPS] |
ホストバスアダプタと左上のツリーで選択したポートとの間のトラフィック(I/Oレートまたは転送レート)が表示されます。この項目は、左上のツリーでアイコンを選択したときに表示されます。
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WWN毎[IOPS] |
ホストバスアダプタと全接続先ポートとの間のトラフィック(I/Oレートまたは転送レート)の合計が表示されます。この値が、ホストバスアダプタごとのトラフィックです。この項目は、左上のツリーでアイコンを選択したときに表示されます。どのポートを選択した場合でも、全ポートとの間のトラフィックの合計が表示されます。
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平均値 |
左下のツリーでアイコンを選択した場合にも、[平均値]が表示されます。これは、[WWN毎]の平均値と同じです。 ただし、左下のツリーで、[ストレージシステム]フォルダを選択した場合は、SPMグループに含まれるホストバスアダプタのトラフィックの合計が表示されます。 |
最大値 |
左下のツリーでアイコンを選択した場合にも、[最大値]が表示されます。これは、[WWN毎]の最大値と同じです。 ただし、左下のツリーで、[ストレージシステム]フォルダを選択した場合は、SPMグループに含まれるホストバスアダプタのトラフィックの合計が表示されます。 |
属性 |
ホストバスアダプタ(WWN)の優先度を示します。優先度を変更する方法については、1.12.3 ホストバスアダプタに優先度を設定するを参照してください。
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上限値 |
ホストバスアダプタのI/Oレートまたは転送レートに、上限値を設定できます。[IOPS]と[MB/s]のうち、リストの左上にあるドロップダウンリストで選択したレートの欄が活性化されます。上限値を設定するには、セルをダブルクリックしてカーソルを表示してください。
[IOPS]と[MB/s]のどちらかに上限値を設定すると、もう片方の欄は無効になります。なお、非優先WWNごとに、I/Oレートと転送レートのどちらで設定するかを変更できます。 1つのホストバスアダプタが複数のポートに接続している場合、上限値の設定は、全ポートに対して共通です。1つのポートに対して非優先WWNの上限値を設定すると、ほかのポートに対してのその非優先WWNの上限値も、自動的に同じ設定になります。 SPMグループに登録されたホストバスアダプタは、上限値のセルがグレーになり、設定や変更ができません。これらのホストバスアダプタの上限値は、登録先のSPMグループ側で設定されています。SPMグループの上限値の設定方法については、1.10.5 SPMグループ内のホストバスアダプタに上限値を設定するを参照してください。 左下のツリーでSPMグループ()またはホストバスアダプタ()を選択しているときには、[上限値]は表示されません。 |