1.3.3 ShadowImageとDynamic Provisioningの併用
Dynamic ProvisioningボリュームはShadowImageプライマリボリュームおよびセカンダリボリュームとして、次の制限付きで使用できます。なお、容量削減機能が有効なボリュームを、ShadowImageのプライマリボリュームおよびセカンダリボリュームとして使用できます。
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プライマリボリュームとセカンダリボリュームの両方でDynamic Provisioningボリュームを使用することを推奨します。
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次の場合はQuick Restoreを実行できません。
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プライマリボリュームだけをDynamic Provisioningボリュームで使用している場合
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セカンダリボリュームだけをDynamic Provisioningボリュームで使用している場合
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プライマリボリュームとセカンダリボリュームのどちらかの容量削減機能が有効である場合
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重複排除用システムデータボリュームは、プライマリボリュームおよびセカンダリボリュームとして使用できません。
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容量削減機能によって圧縮または重複排除されたコピー元のボリュームのデータは、圧縮または重複排除を解消してから、コピー先のボリュームへコピーされます。また、容量削減機能は、コピーしたデータに対してすぐには実行されません。ShadowImageペアを作成したり再同期したりする前に、コピー先のボリュームの空き容量が、コピー元のボリュームに格納されている容量削減前の使用容量よりも多いことを確認してください。詳細は、システム構築ガイドを参照してください。
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容量削減機能を使用したボリュームを使用してShadowImageペアを作成すると、圧縮または重複排除されたデータをコピーするため、コピーの性能やホストのI/O性能が低下する場合があります。
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容量削減機能を使用すると、管理情報がプールに格納されるため、プライマリボリュームとセカンダリボリュームで、ページの使用量やライセンス容量に差があることがあります。
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次の操作はセカンダリボリュームがプライマリボリュームと同じプール容量を消費するため、推奨しません。
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セカンダリボリュームだけをDynamic Provisioningボリュームで使用する
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プライマリボリュームをデータダイレクトマップ属性のDynamic Provisioningボリュームにして、セカンダリボリュームをDynamic Provisioningボリュームにする
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Dynamic Provisioningボリュームの容量を拡張中にShadowImageのペア操作は実行できません。
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DPプール初期化中に、Dynamic Provisioningボリュームを使用したShadowImageのペア作成は実行できません。
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ShadowImageのプライマリボリュームおよびセカンダリボリュームとして、Dynamic Provisioningボリュームの最大ボリュームサイズまで使用できます。Dynamic Provisioningボリュームの最大ボリュームサイズについては、システム構築ガイドを参照してください。
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ボリュームの容量が4,194,304MB(8,589,934,592block)より大きいDP-VOLを使ってShadowImageペアを作成する場合、差分データはShadowImageペアのボリュームが関連づけられているプールで管理されます。この場合、ボリュームの容量4,123,168,604,160バイトごとに、差分管理データ用のプール容量(最大4ページ)が必要です。差分管理データ用のプール容量はプログラムプロダクトの構成によって異なります。
ボリュームの容量が4,194,304MBより大きいDP-VOLを使ったペア作成をサポートしていないマイクロコードバージョンへダウングレードするときは、プールで管理されている差分データ(ページ)を解放する必要があります。ページは次の手順で解放できます。
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ページを解放する仮想ボリュームを使用しているすべてのペアを削除します。
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システムオプションモード755をOFFにします。
システムオプションモード755をOFFにすると、ゼロデータページを破棄できます。
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閉塞しているプールを回復します。
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仮想ボリュームのページを解放します。
Storage Navigatorでは[ゼロデータページ破棄]画面を、RAID Managerではraidcom modify ldevコマンドを使ってページを解放します。ページの解放には時間が掛かることがあります。
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ShadowImageペアのプライマリボリュームまたはセカンダリボリュームを指定して、Storage NavigatorまたはRAID Managerからゼロデータページ破棄を実施する場合の実行可否については、システム構築ガイドを参照してください。
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ゼロデータページ破棄(WriteSame/Unmapコマンド、またはリバランスによるゼロデータページ破棄を含む)の処理中にShadowImageのペア作成またはペア再同期を実施すると、ゼロデータページ破棄が中断されます。
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ShadowImageペアのプライマリボリュームまたはセカンダリボリュームに対してWriteSame/Unmapコマンドが発行された場合、WriteSame/Unmapコマンドによるゼロデータページ破棄は実施されません。
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リバランスを実行しても、ShadowImageペアのプライマリボリュームまたはセカンダリボリュームに対してリバランスによるゼロデータページ破棄は実施されません。
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ShadowImageペアのコピー元のページが未割り当てで、かつコピー先のページが割り当て済みの場合、コピー先にはゼロデータをコピーします。このとき、ゼロデータページ破棄は実施されません。
ゼロデータページを破棄したい場合、ShadowImageペアを分割して、PSUS状態にしてから該当するボリュームのゼロデータページ破棄を実施してください。
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システムオプションモード905がONの状態で発行されたUnmapコマンドの処理中にShadowImageのペア作成を実施すると、ペア作成が失敗する場合があります。ペア作成が失敗した場合は、しばらく待ってから再度操作してください。再度操作してもペア作成を実施できない場合は、システムオプションモード905をOFFにしてから再度操作してください。