2.4.2 Thin ImageとData Retention Utilityの併用
Thin Imageは、Data Retention Utilityでアクセス属性を設定したボリュームを使用してペアを作成できます。また、Thin Imageの仮想ボリュームにはどのアクセス属性でも設定できます。ただし、プライマリボリューム、セカンダリボリューム、およびプールボリュームのアクセス属性によってはThin Imageのペア操作またはプール操作ができない場合があります。また、Data Retention Utilityのアクセス属性をStorage Navigatorを使って設定するかRAID Managerを使って設定するかによって、Thin Imageのペア操作ができるかどうかが異なります(プール操作については差異はありません)。
なお、Thin Imageペアのセカンダリボリュームのアクセス属性を設定したあとにスナップショットデータへの割り当てを解除した場合、Thin Imageのペア操作ができるかどうかは、セカンダリボリュームのアクセス属性にRead/Write属性を設定したときと同じとなります。
Storage Navigatorを使ってアクセス属性を設定した場合の、Data Retention Utilityでアクセス属性を設定したボリュームに対して、Thin Imageのペア操作ができるかどうかを次に示します。
プライマリボリュームのアクセス属性 |
セカンダリボリュームのアクセス属性 |
Thin Imageのペア操作 |
|||||
---|---|---|---|---|---|---|---|
ペア作成 |
ペア分割 |
ペア中断 |
ペア再同期(正方向) |
ペア再同期(逆方向) |
ペア解除 |
||
Read/Write属性 |
Read/Write属性 |
○ |
○ |
○ |
○ |
○ |
○ |
Read Only属性 |
× |
× |
× |
× |
× |
× |
|
Protect属性 |
× |
× |
× |
× |
× |
× |
|
副VOL拒否属性 |
× |
× |
× |
× |
× |
× |
|
Read Only属性、Protect属性、または副VOL拒否属性 |
Read/Write属性 |
○ |
○ |
○ |
○ |
× |
○ |
Read Only属性 |
× |
× |
× |
× |
× |
× |
|
Protect属性 |
× |
× |
× |
× |
× |
× |
|
副VOL拒否属性 |
× |
× |
× |
× |
× |
× |
- (凡例)
-
○:操作できる
×:操作できない
RAID Managerを使ってアクセス属性を設定した場合の、Data Retention Utilityでアクセス属性を設定したボリュームに対して、Thin Imageのペア操作ができるかどうかを次に示します。
プライマリボリュームのアクセス属性 |
セカンダリボリュームのアクセス属性 |
Thin Imageのペア操作 |
|||||
---|---|---|---|---|---|---|---|
ペア作成 |
ペア分割 |
ペア中断 |
ペア再同期(正方向) |
ペア再同期(逆方向) |
ペア解除 |
||
Read/Write属性、Read Only属性、またはProtect属性 |
Read/Write属性 |
○ |
○ |
○ |
○ |
○ |
○ |
Read Only属性 |
○ |
○ |
○ |
○ |
○ |
○ |
|
Protect属性 |
○ |
○ |
○ |
○ |
○ |
○ |
|
副VOL拒否属性 |
× |
× |
× |
× |
× |
× |
|
副VOL拒否属性 |
Read/Write属性 |
○ |
○ |
○ |
○ |
× |
○ |
Read Only属性 |
○ |
○ |
○ |
○ |
× |
○ |
|
Protect属性 |
○ |
○ |
○ |
○ |
× |
○ |
|
副VOL拒否属性 |
× |
× |
× |
× |
× |
× |
- (凡例)
-
○:操作できる
×:操作できない
Data Retention Utilityでアクセス属性を設定したボリュームに対して、Thin Imageのプール操作ができるかどうかを次に示します。
Thin Imageで指定したボリュームのアクセス属性 |
プールボリュームに設定する |
---|---|
Read/Write属性 |
○ |
Read Only属性、Protect属性、または副VOL拒否属性 |
× |
- (凡例)
-
○:操作できる
×:操作できない
- メモ
-
Thin Imageの操作によってボリュームのアクセス属性が変わることはありません。逆方向に再同期するとスナップショットデータをプライマリボリュームに上書きしますが、これによってプライマリボリュームのアクセス属性が、セカンダリボリュームのアクセス属性に上書きされることはありません。
Thin Imageのペア状態によってはThin Imageのプライマリボリュームまたはセカンダリボリュームに対してData Retention Utilityでアクセス属性を設定できない場合があります。また、Data Retention Utilityのアクセス属性をStorage Navigatorを使って設定するかRAID Managerを使って設定するかによって、アクセス属性を設定ができるかどうかが異なります。
Storage Navigatorを使ってアクセス属性を設定した場合の、Thin Imageのペア状態に対するアクセス属性の設定可否を次に示します。
Thin Imageで指定したボリューム |
設定するアクセス属性 |
||
---|---|---|---|
ペア状態 |
ボリューム |
Read/Write属性 |
Read Only属性 Protect属性 副VOL拒否属性 |
COPY |
プライマリボリューム |
○ |
○ |
セカンダリボリューム |
○ |
× |
|
PAIR、PFUL |
プライマリボリューム |
○ |
○ |
セカンダリボリューム |
○ |
○ |
|
PSUS、PFUS |
プライマリボリューム |
○ |
○ |
セカンダリボリューム |
○ |
○ |
|
SMPL(PD) |
プライマリボリューム |
○ |
○ |
セカンダリボリューム |
○ |
× |
|
RCPY |
プライマリボリューム |
○ |
× |
セカンダリボリューム |
○ |
× |
|
PSUE |
プライマリボリューム |
○ |
○ |
セカンダリボリューム |
○ |
× |
- (凡例)
-
○:設定できる
×:設定できない
RAID Managerを使ってアクセス属性を設定した場合の、Thin Imageのペア状態に対するアクセス属性の設定可否を次に示します。
Thin Imageで指定したボリューム |
設定するアクセス属性 |
||
---|---|---|---|
ペア状態 |
ボリューム |
Read/Write属性 Read Only属性 Protect属性 |
副VOL拒否属性 |
COPY |
プライマリボリューム |
○ |
○ |
セカンダリボリューム |
○ |
× |
|
PAIR、PFUL |
プライマリボリューム |
○ |
○ |
セカンダリボリューム |
○ |
○ |
|
PSUS、PFUS |
プライマリボリューム |
○ |
○ |
セカンダリボリューム |
○ |
○ |
|
SMPL(PD) |
プライマリボリューム |
○ |
○ |
セカンダリボリューム |
○ |
× |
|
RCPY |
プライマリボリューム |
○ |
× |
セカンダリボリューム |
○ |
× |
|
PSUE |
プライマリボリューム |
○ |
○ |
セカンダリボリューム |
○ |
× |
- (凡例)
-
○:設定できる
×:設定できない