2.3.8 Thin Imageペア状態の遷移
背景
Thin Imageペアの作成やスナップショットデータを取得などの操作を実行すると、ペア状態ペア状態が変化します。Thin Imageペアの状態の遷移を次に示します。
- 〈この項の構成〉
(1) スナップショット属性のペアの場合
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Thin Imageペアに割り当てられていないボリュームは、SMPLSMPLという状態です。
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ペアを作成します。プライマリボリュームに指定したボリュームを使用して最初のThin Imageペアを作成する場合は、ペア状態はCOPYになり、その後ペア作成が完了するとPAIRPAIRになります。
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プライマリボリュームに対する最後のスナップショットデータを削除してすぐにペアを作成すると、Thin Imageペアの作成に時間が掛かる場合があります。
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Thin ImageペアがPAIR状態のときにプールの使用率がしきい値を超えると、ペア状態はPFULPFULと表示されます。
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プールの使用率がしきい値(DPプールにスナップショットデータを格納している場合は、警告しきい値)を超えている状態では、Thin Imageペアを作成できません。
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PAIR状態のペアを分割すると、スナップショットデータを取得します。スナップショットデータの取得が完了すると、ペア状態はPSUSPSUSになります。
Thin ImageペアがPSUS状態のときにプールの使用率がしきい値を超えると、ペア状態はPFUSPFUSと表示されます。
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Thin Imageペアを削除しないで、スナップショットデータだけを削除する場合は、PSUSまたはPFUS状態のペアに対してスナップショットデータを削除します。
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PSUS状態のThin Imageペアを回復すると、リストアが実行されて、スナップショットデータがプライマリボリュームに上書きされます。リストア中は、ペア状態はCOPY(RS-R)またはRCPYRCPYになります。リストア完了後のペア状態は、PAIRになります。
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プールには、あらかじめ設定した容量のデータしか格納できません。プールに格納されているスナップショットデータの合計容量がプールの容量を超えると、Thin Imageペアの状態はPSUEPSUEになります。また、リストアの処理中に障害が発生したり、プールの使用率が100%になったりした場合も、ペアの状態はPSUEに変化します。リストアの処理中以外でも、障害が発生するとペア状態がPSUEになることもあります。DPプールにスナップショットデータを格納している場合は、Storage Navigatorでは、[枯渇しきい値超過時にTIペアを中断する]、RAID Managerでは、raidcom modify pool -suspend_tipair <yes|no>コマンドの設定によってPSUEになるタイミングが異なります。[枯渇しきい値超過時にTIペアを中断する]設定の詳細については、システム構築ガイドを参照してください。
- 注意
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アプリケーションを使用してホストからThin Imageペアのボリュームを監視監視している場合、セカンダリボリュームの状態によっては異常終了異常終了などの問題が発生する場合があります。例えば、PSUS(PFUS)以外の状態のセカンダリボリュームはホストからのアクセスを拒否するため、アクセスを拒否された監視用アプリケーションで異常が発生するおそれがあります。また、ホストが複数のポートに接続している場合は、ホストからのアクセスを拒否したセカンダリボリュームが接続しているポート以外のポートでも、異常が発生するおそれがあります。これらの問題を解決するためには、ボリュームを監視しているアプリケーションを終了する必要があります。
(2) クローン属性のペアの場合
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Thin Imageペアに割り当てられていないボリュームは、SMPLSMPLという状態です。
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ペアを作成します。プライマリボリュームに指定したボリュームを使用して最初のThin Imageペアを作成する場合は、ペア状態はCOPYになり、その後ペア作成が完了するとPAIRPAIRになります。
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PAIR状態のペアを分割するとペア状態はPSUS(SP)またはPSUPになり、非同期でデータのコピーを開始します。その後、データのコピーが完了するとペア状態はSMPL(PD)またはSMPPになり、ペアの削除が完了するとSMPLになります。この時点で、セカンダリボリュームは単一のボリューム(DP-VOL)となり、プライマリボリュームと同じ状態のボリュームとして使用できます。
- 注意
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ペア状態がPSUS(SP)またはPSUPのときにペアを削除すると、ペア削除を受け付けた時点でデータのコピーを中断してSMPLになります。その場合、セカンダリボリュームのデータは保証されません。
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プールには、あらかじめ設定した容量のデータしか格納できません。プールに格納されているデータの合計容量がプールの容量を超えると、Thin Imageペアの状態はPSUEになります。また、処理中に障害が発生したり、プールの使用率が100%になったりした場合も、ペアの状態はPSUEに変化します。DPプールにスナップショットデータを格納している場合は、Storage Navigatorでは、[枯渇しきい値超過時にTIペアを中断する]、RAID Managerでは、raidcom modify pool -suspend_tipair <yes|no>コマンドの設定によってPSUEになるタイミングが異なります。[枯渇しきい値超過時にTIペアを中断する]設定の詳細については、システム構築ガイドを参照してください。
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ペアを削除するとペア状態はSMPL(PD)またはSMPPになり、その後、ペア削除が完了するとSMPLになります。