1.2.7 ShadowImageシステムのI/O性能への影響と運用設計
ペア操作は、ストレージシステムへのI/O性能に影響を与えます。システムを運用設計する場合に役立つ情報を次に示します。
- 〈この項の構成〉
(1) ペア数とコピー速度(データコピー率)が性能に与える影響
ペア数とコピー速度(データコピー率)は性能に大きく影響します。
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複数のセカンダリボリュームをプライマリボリュームに割り当てると、多くのシステムリソースを使用し、性能が下がります。
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コピー速度が遅くなるほど、I/O性能に与える影響は軽減し、コピー速度が速くなれば、I/O性能に与える影響は増加します(作成、分割、再同期の動作中にコピー速度を割り当てます)。
(2) パリティグループの負荷分散とは
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パリティグループには、プライマリボリュームとセカンダリボリュームを均等に分配してください。
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複数のペア操作を同時に実行する場合は、異なったパリティグループにペアを置いてください。
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コピー速度は、作成時、分割時、再同期時には、Storage Navigatorで操作する場合は、[低速]、RAID Managerで操作する場合は、paircreate -cコマンドで、速度は1または2に設定してください。
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同じパリティグループで複数のペアにコピー操作を実行する必要がある場合は、一度に1ペアの操作を行ってください。
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システムが過負荷となった場合は、パリティグループ、キャッシュ、チャネルボード(CHB)またはディスクボード(DKB)を増やしてください。新しくインストールしたパリティグループにセカンダリボリュームを割り当ててください。
(3) 複数のプログラムプロダクトを同時に使用する場合の注意事項
複数のプログラムプロダクトを同時に使用する場合、十分な量のキャッシュを搭載するなどして、ストレージシステムの性能を最適化するようにしてください。詳しくは、お問い合わせください。複数プログラムの同時使用は性能や他のプログラムプロダクトの操作に影響を与えます。
(4) AIXホストサーバを使用する場合の注意事項
プライマリボリュームを1つのAIXホストサーバに接続し、セカンダリボリュームを別のAIXホストサーバに接続してペアを作成する場合は最適な環境になります。しかし、1つのAIXホストサーバをプライマリボリュームとセカンダリボリュームの両方に使用する場合にホストサーバを再起動すると、再起動後にボリュームを誤認識したり、セカンダリボリュームをプライマリボリュームとして認識したりすることがあります。それは、ペア作成またはペア再同期操作で、プライマリボリュームとセカンダリボリュームが同じPVIDを持っているためです。
(5) ShadowImageのQuick Restoreによる再同期を実施する場合の注意事項
プライマリボリュームおよびセカンダリボリュームを入れ替えるQuick Restore操作中は、2つのボリュームのRAIDレベルおよびHDDタイプも変わります。性能への影響を防ぐには、次の点を検討してください。
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Quick Restoreの実行前に、両ペアボリュームとも同じRAIDレベルとHDDタイプであることを確認します。Quick Restoreの実行後に、ペアを分割して再度Quick Restoreを実行することで、元のRAIDレベルに戻すことができます。