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 ボリューム管理 クイックリファレンス


2.6.7 プールの最大予約量とは

プールを作成するときにプール容量に対して仮想ボリューム容量の最大予約量を設定できます。最大予約量が設定されている状態で仮想ボリュームを作成(関連づけ)するとき、あらかじめ設定した仮想ボリューム容量の最大予約量を超えて割り当てできません。最大予約量には、ユーザデータが格納されるページ、および制御情報が格納されるページが含まれます。このため、仮想ボリュームの容量の合計値は、最大予約量よりも小さくなります。制御情報を含む仮想ボリューム1個が、プール内で使用するページ数の計算式を次に示します。プールに必要な合計ページ数を算出する場合、次の計算式によって算出されたページ数と仮想ボリュームの個数を掛けてください。なお、計算式のなかで↑で値が囲まれている場合、その値の小数点以下を切り上げてください。

制御情報を含む仮想ボリューム1個がプール内で使用するページ数 = ↑( (仮想ボリューム1個の容量(MB) + (↑(仮想ボリューム1個の容量(MB) ÷ 3,145,548(MB))↑ × 4(ページ) × 42(MB))) ÷ 42(MB))↑

Thin Imageペアおよびスナップショットデータを含むDynamic Provisioningのプールの場合、最大予約量として必要なプール容量は、Dynamic Provisioningの仮想ボリュームの容量と、Thin Imageペアの容量の総和です。Thin Imageペアの容量の計算については、Thin Imageユーザガイドを参照してください。

また、最大予約量を100%を超える値に設定した場合や最大予約量を設定しなかった場合、プールの容量以上の容量を持つ仮想ボリュームを作成できるため、プールの空き容量を監視する必要があります。

プール画面の[予約量(%)]の[現在]に表示されている値は、算出された予約量の小数点以下を切り捨てた値です。このため、プールに関連づけられている仮想ボリュームの割合は、画面に表示されている予約量(%)よりも大きい場合があります。既存の仮想ボリュームと同じ容量の仮想ボリュームを新たに作成する場合、画面に表示されている現在の予約量(%)よりも大きい値が必要です。

例えば、3GBの仮想ボリュームが11.89GBの容量を持つプールに関連づけられている場合、次の予約量が算出されます。なお、↑で値が囲まれている場合、その値の小数点以下を切り上げます。

((3,072MB + (↑(3,072MB ÷ 3,145,548MB)↑ × 4ページ × 42MB))÷12,175.36MB)×100 = 26.61....(%)

プール画面の[予約量(%)]の[現在]には、26(%)が表示されます。同じ容量の仮想ボリュームを作成する場合、残りの予約量が27(%)以上必要です。

予約量表示について、計算式は一律切り捨てではないため、計算結果によっては小数点以下を切り上げた値が表示される場合があります。整数値が0 から1 の間、または100 から101 の間の場合、小数点以下を切り上げた値が表示されます。それ以外の整数値の場合、小数点以下を切り捨てた値が表示されます。

図2‒1 仮想ボリューム容量の最大予約量の設定
[図データ]
メモ

Dynamic ProvisioningのプールにThin Imageペアを作成してスナップショットデータを格納する場合、最大予約量の設定をThin Imageのプールと同様に無制限の設定にすることを推奨します。これは、多くの場合でスナップショットデータによるプールの使用量が、最大予約量の設定によって制限されるプール使用量よりも少ないためです。

なお、Thin Imageペアの分割によって、プールの使用量が増加します。Thin Imageペアの容量の計算については、Thin Imageユーザガイドを参照してください。