3.2.2 容量削減機能の注意事項
- 〈この項の構成〉
(1) メタデータによるプール容量の消費
容量削減機能を使用する場合、次のデータがプール容量を使用します。
-
ユーザデータによるプール使用量
-
ガベージデータによるプール使用量
-
メタデータによるプール使用量
容量削減機能の圧縮機能を使用する場合、圧縮機能を有効にする仮想ボリュームの使用量の合計の2%が、圧縮機能のメタデータとしてプールに格納されます。圧縮機能のメタデータの容量は、プール容量の使用量に加算されます。プール容量の使用量については、[個別のプール画面]の[プール容量(使用量/合計)]を参照してください。プール容量のシステムデータ量については、[プール画面]の[システムデータ量]を参照してください。なお、システムデータ量は、メタデータ量とガベージデータ量の合計です。
容量削減機能の重複排除機能を使用する場合、重複排除機能を有効にする仮想ボリュームの使用量の合計の3%が、重複排除機能のメタデータとしてプールに格納されます。重複排除機能のメタデータの容量は、重複排除用システムデータボリューム(フィンガープリント)の容量として確認できます。重複排除機能のメタデータの容量は、プール容量の使用量に加算されます。プール容量の使用量については、[個別のプール画面]の[プール容量(使用量/合計)]を参照してください。プール容量のシステムデータ量については、[プール画面]の[システムデータ量]を参照してください。なお、システムデータ量は、メタデータ量とガベージデータ量の合計です。
(2) 重複排除用システムデータボリュームの要件
重複排除用システムデータボリューム(フィンガープリント)の要件を次の表に示します。
項目 |
要件 |
---|---|
ボリューム種別 |
仮想ボリュームです。[重複排除および圧縮]を設定した仮想ボリュームを作成した場合、重複排除用システムデータボリューム(フィンガープリント)が自動的に作成されます。 |
エミュレーションタイプ |
OPEN-V |
プール内のボリューム数 |
1個のプール当たり、4個のボリュームが関連づけられます。 |
ボリューム容量 |
10TB |
キャッシュ管理デバイス数 |
1個の重複排除用システムデータボリューム(フィンガープリント)に必要なデバイス数は、4個 |
パス定義 |
定義できません。 |
LDEVフォーマット |
実行できません。 |
重複排除用システムデータボリューム(データストア)の要件を次の表に示します。
項目 |
要件 |
---|---|
ボリューム種別 |
仮想ボリュームです。[重複排除および圧縮]を設定した仮想ボリュームを作成した場合、重複排除用システムデータボリューム(データストア)が自動的に作成されます。 |
エミュレーションタイプ |
OPEN-V |
プール内のボリューム数 |
1個のプール当たり、4個のボリュームが関連づけられます。 |
ボリューム容量 |
1個のボリューム容量は、5.98TB~256TBです。プール当たりの重複排除用システムデータボリューム(データストア)の最大容量、およびシステム当たりの最大容量については、この表のあとに記載されている表を参照してください。 このボリュームが最初に作成されたときの容量は、プール内のプールボリュームの合計容量と同じサイズです。4個の重複排除用システムデータボリューム(データストア)の合計容量がプールボリュームと同じサイズに自動的に拡張されます。なお、手動で重複排除用システムデータボリューム(データストア)の容量を拡張できます。 |
キャッシュ管理デバイス数 |
1個の重複排除用システムデータボリューム(データストア)に必要なデバイス数は、4個~172個 |
パス定義 |
定義できません。 |
LDEVフォーマット |
実行できます。 ただし、操作手順でフォーマットすることを指示している場合だけ、実行できます。 |
プール当たりの重複排除用システムデータボリューム(データストア)の最大容量およびストレージシステム当たりの重複排除用システムデータボリューム(データストア)の最大容量を次に示します。
ストレージシステム |
増設しているシェアドメモリ |
プール当たりの重複排除用システムデータボリューム(データストア)の最大容量(PB) |
ストレージシステム当たりの重複排除用システムデータボリューム(データストア)の最大容量(PB) |
---|---|---|---|
Virtual Storage Platform G150 |
Base |
次のどちらか小さいほうの容量
|
0.0725 |
Extension 1、Extension 2、Extension 3 |
非該当 |
非該当 |
|
Virtual Storage Platform G350またはVirtual Storage Platform F350 |
Base |
次のどちらか小さいほうの容量
|
0.0725 |
Extension 1 |
次のどちらか小さいほうの容量
|
0.4 |
|
Extension 2 |
次のどちらか小さいほうの容量
|
1.1 |
|
Extension 3 |
非該当 |
非該当 |
|
Virtual Storage Platform G370またはVirtual Storage Platform F370 |
Base |
次のどちらか小さいほうの容量
|
0.4 |
Extension 1 |
次のどちらか小さいほうの容量
|
1.1 |
|
Extension 2 |
次のどちらか小さいほうの容量
|
2.0125 |
|
Extension 3 |
非該当 |
非該当 |
|
Virtual Storage Platform G700またはVirtual Storage Platform F700 |
Base |
次のどちらか小さいほうの容量
|
0.4 |
Extension 1 |
次のどちらか小さいほうの容量
|
1.1 |
|
Extension 2 |
次のどちらか小さいほうの容量
|
2.0125 |
|
Extension 3 |
次のどちらか小さいほうの容量
|
3.125 |
|
Virtual Storage Platform G900またはVirtual Storage Platform F900 |
Base |
次のどちらか小さいほうの容量
|
1.1 |
Extension 1 |
次のどちらか小さいほうの容量
|
2.0125 |
|
Extension 2 |
次のどちらか小さいほうの容量
|
3.125 |
|
Extension 3 |
次のどちらか小さいほうの容量
|
4.15 |
(3) プールの操作
容量削減機能が有効な仮想ボリュームを関連づけることができるプールに関する操作で、て実行できる操作と実行できない操作を次に示します。
プールの操作 |
Storage Advisor Embeddedからの実行 |
REST APIからの実行 |
Storage Navigatorからの実行 |
RAID Managerからの実行 |
---|---|---|---|---|
プールの作成 |
できる※1 |
できる |
できる |
できる |
プールの削除 |
できる |
できる |
できる |
できる |
プール容量の拡張 |
できる※2 |
できる |
できる |
できる |
プール容量の縮小 |
できない |
できる |
できる |
できる |
プールの重複データ初期化 |
できない |
できる |
できる |
できる |
プールを指定した重複排除用システムデータボリュームの一括削除 |
できない |
できる |
できない |
できる |
- 注※1
-
複数階層の構成になる可能性があるプールを作成した場合、自動的にDynamic Tieringのプールになります。Dynamic Tieringのプールには、容量削減機能が有効な仮想ボリュームを作成できません。
- 注※2
-
容量削減機能が有効な仮想ボリュームが関連づけられているプールには、階層を設定できません。複数階層の構成になる可能性があるプール構成には、変更できません。
(4) Storage NavigatorおよびRAID Managerでの容量削減効果の確認
プール単位で、容量削減効果を確認できます。容量削減機能および容量拡張機能による削減効果を表示する項目を次に示します。
項番(#) |
Storage Navigatorの[プール]画面の項目 |
RAID Managerのコマンドの項目 |
情報 |
||
---|---|---|---|---|---|
大項目 |
小項目 |
コマンド名 |
項目 |
||
1 |
[プール] |
[使用量] |
raidcom get pool -key fmc |
該当なし |
プール使用量 RAID Managerでは、空き容量(ACT_AV(MB))を表示 |
2 |
[使用量(%)] |
U(%) |
プール使用率 |
||
3 |
[データボリューム使用量] |
なし |
raidcom get pool -key total_saving |
DATAVOL_USED(BLK) |
仮想ボリュームの使用量の合計 |
4 |
[削減効果] (容量削減機能および容量拡張機能の両方による削減効果) |
[削減率] |
SES(%) |
仮想ボリュームの使用量の合計(#3)とプール使用量(#1)の比率 |
|
5 |
[削減量] |
SE_SAVING(BLK) |
削減量 (= 仮想ボリュームの使用量の合計(#3) - プール使用量(#1)) |
||
6 |
[ソフトウェア削減] (容量削減機能による削減効果) |
[削減率] |
raidcom get pool -key software_saving |
PLS(%) |
容量削減機能による削減比率 |
7 |
[圧縮率] |
該当なし |
圧縮による削減比率 |
||
8 |
[重複排除率] |
該当なし |
RAID Managerでは、圧縮削減前のデータ容量(PRE_CMP_USED(BLK))を表示 |
||
9 |
[削減量] |
PL_SAVING(BLK) |
容量削減機能による削減量 (= 圧縮による削減量(#10) + 重複排除量(#11) + パタン排除量(#12) - システムデータ量(#13)) |
||
10 |
[圧縮量] |
CMP(BLK) |
圧縮による削減量 |
||
11 |
[重複排除量] |
DDP(BLK) |
重複排除量 |
||
12 |
[パタン排除量] |
RECLAIM(BLK) |
パタン排除量 |
||
13 |
[システムデータ量] |
SYSTEM(BLK) |
システムデータ量 (= メタデータ量 + ガベージデータ量) |
||
14 |
[削減前使用量] |
PL_PRE_USED(BLK) |
容量削減機能によって削減される前のデータ量 |
||
15 |
[FMD削減] (容量拡張機能による削減効果) |
[圧縮率] |
raidcom get pool -key fmc |
該当なし |
容量拡張機能による削減比率 RAID Managerでは、ゼロデータ排除後の削減前容量(FMC_LOG_USED(BLK))を表示 |
16 |
[削減量] |
該当なし |
容量拡張機能による削減量 |
||
17 |
[圧縮量] |
該当なし |
容量拡張機能による圧縮量 |
||
18 |
[パタン排除量] |
該当なし |
容量拡張機能によるパタン排除量 |
||
19 |
[FMD容量] |
[使用量] |
FMC_ACT_USED(BLK) |
FMDの圧縮後の使用量 |
|
20 |
[FMD論理容量] |
[使用量] |
FMC_PLV_USED(BLK) |
FMDの圧縮前の使用量 |