4.2.6 外部ボリュームのパスモードの種類
外部ボリュームのパスモードには、Singleモード、Multiモード、およびALUAモードがあります。パスモードがどのモードになるかは、接続する外部ストレージシステムによって決まっています。
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SingleモードSingleモードの場合は、優先順位が最も高いパス(プライマリパス)だけが使用され、外部ボリュームへのI/Oが実行されます。プライマリパスに障害が起きた場合に、次に優先順位が高いパスを使用します。
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MultiモードMultiモードの場合は、定義されているすべてのパスが使用されます。複数のパスを使用して負荷を分散しながら外部ボリュームへのI/Oが実行されます(ラウンドロビン制御)。
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ALUAモードALUAモードの場合は、定義されているすべてのパスが使用されます。複数のパスを使用して負荷を分散しながら外部ボリュームへのI/Oが実行されます(ラウンドロビン制御)。ただし、Passive状態のポートに接続されている外部パスは使用しません。
例えば、パスモードがSingleモードの外部ストレージシステムのボリュームを内部ボリュームとしてマッピングすると、マッピング時に設定されたプライマリパスを使用して外部ボリュームへのホストからのI/Oが可能になります。ストレージシステムの保守作業のときや、チャネルプロセッサに故障が発生したときなど、マッピング時に設定されたプライマリパスが使用できなくなった場合、パスは自動的に交替パスに切り替えられます。パスが交替パスに切り替えられることで、Universal Volume Managerによってマッピングされた外部ボリュームへの操作を通常どおり続行できます。
プライマリパスが使用できない状態が3分間継続すると、パスは交替パスに切り替えられます。
パスモードがMultiモードまたはALUAモードの場合は、外部ストレージシステムへのI/Oの負荷分散方式(ロードバランスモードロードバランスモード)を選択できます。
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標準ラウンドロビン方式標準ラウンドロビン方式
複数のパスのI/Oを制御する標準的な方式です。外部ストレージシステムに対して、I/Oが可能な複数のパスにI/Oを振り分けます。拡張ラウンドロビンを適用してI/O性能が低下する場合は、この方式を適用してください。
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拡張ラウンドロビン方式拡張ラウンドロビン方式
複数のパスのI/Oを制御する拡張方式です。外部ストレージシステムに対して、I/Oが可能な複数のパスにI/Oを振り分けます。ただし、シーケンシャルI/Oの場合は、外部ボリュームを一定の間隔で区切ったときに、同じ区間へのI/Oには同じパスを使用することで、I/Oを振り分ける頻度を少なくします。
ロードバランスモードを無効にした場合は、Singleモードと同じく、外部ストレージシステムに対して、I/Oが可能なパスのうち優先順位が最も高いパスだけを使用してI/Oを実行します。