Hitachi Dynamic Link Manager ユーザーズガイド(VMware®用)
ここでは,HDLMの環境を構築する場合の注意事項について説明します。
- 1台のホストに設置するHBAのうち,HDLM管理対象デバイスに接続するHBAは,すべて同一の種類を使用してください。HBAのマイクロプログラムのバージョンも合わせてください。異なる種類のHBAを使用すると,障害発生時にパスを切り替えられません。
- リモート管理クライアントとして使用するマシンにWindows版のHDLMがインストールされている場合は,あらかじめアンインストールしてください。VMware版のHDLMとWindows版のHDLMを,同一のリモート管理クライアント上で使用することはできません。
- HDLMを新規インストールする場合,またはライセンスの有効期限が過ぎている状態でアップグレードインストールをする場合,ライセンスキーが必要です。HDLMのライセンスを更新する場合は,HDLMコマンドのset -licオペレーションを実行します。ライセンスキーの期限は,ライセンスキーファイルに記述されているライセンスキーまたは入力したライセンスキーの種別によって設定されます。ライセンスキーの種別およびsetオペレーションについては,「6.6 set 動作環境を設定する」を参照してください。
- ウィルスチェックプログラムなどの常駐型ソフトウェアが動作しているときにHDLMをインストールすると,正常に動作しないおそれがあります。HDLMをインストールする場合,常駐型ソフトウェアを含むすべてのソフトウェアを停止してから開始してください。
- HDLMはインストール中にWindows Installerサービスを使用します。したがって,HDLMをインストールするときは次に示す設定および確認をしてください。
Windows Installerサービスの[スタートアップの種類]を「無効」に設定した状態,またはほかのプログラムがWindows Installerサービスを使用している状態でHDLMをインストールすると,インストールに失敗するおそれがあります。
- Windows Installerサービスの[スタートアップの種類]は「手動」または「自動」に設定してください。
- HDLMをインストールするときは,ほかのプログラムがWindows Installerサービスを使用していないことを確認してください。
この現象が発生した場合は,上記の2つの状態をどちらも満たしていることを確認してから,再度HDLMをインストールしてください。
アップグレードまたは再インストールに失敗しても,「アプリケーションの追加と削除」ウィンドウ上ではHDLMが正常にインストールされたように見えます。しかし実際はアップグレードまたは再インストールに失敗しているので注意が必要です。- Windows 8(x64),Windows 10(x64),Windows Server 2012 R2(x64),およびWindows Server 2016(x64)では,HDLMのインストール先フォルダを「Program Files」以外のフォルダにすることを推奨します。
- VMware vCenter ServerのサポートツールであるAuto Deploy機能を使用して,HDLMのプラグインをインストールしたイメージファイルを指定できます。
なお,Auto Deploy機能によってホストにプロビジョニングされるOSに対してHDLMを設定変更する場合,次に示す操作が必要です。ホストプロファイルを適用しない場合,ホスト再起動時にHDLMの設定変更が保存されません。
- リモート管理クライアントからのdlnkmgrコマンドの実行
- Auto Deployサーバで該当ホストのホストプロファイルの適用
- HDLMをインストールすると,ESXiホスト起動時に,HDLMのSATP要求ルールが重複しているというメッセージ(Duplicate user rule found...)がsyslogに出力されますが,運用に影響はありません。
- ESXiホストのロックダウンモードを使用する場合,ロックダウンモードを有効にすると,リモート管理クライアントからの操作ができなくなります。そのため,HDLMコマンドやGlobal Link Managerからの操作はロックダウンモードを無効にしてから行ってください。ただし,ロックダウンモードが有効となっている間は,Global Link Managerの機能で情報が取得できないため,ロックダウンモードを使用して運用する場合は,次のGlobal Link Managerの機能を無効にしてください。
- アラート管理
- パス稼働情報のレポート出力
- Global Link Managerと連携する場合の注意事項
- 1台のHDLMホストを2台以上のGlobal Link Managerサーバに登録しないでください。また,1台のリモート管理クライアントを複数台のGlobal Link Managerサーバから共用しないでください。
- 複数のリモート管理クライアントを設定する場合,同一ホストに対する接続はしないでください。
- HDLMのインストール時に,必要に応じてVisual C++ 2015-2019再頒布可能パッケージがインストールされます。
- リモート管理クライアントをインストールする環境に,.NET Framework4.7以降がインストールされている必要があります。.NET Framework4.7以降がインストールされていない場合,リモート管理クライアントのインストールが中止されます。
- リモート管理クライアントで使用する前提プログラムとして,VMware vSphere CLIまたはVMware PowerCLIのどちらを使用するかは,dlmrmcenvユティリティで指定します。HDLMのインストール時のデフォルトは,VMware vSphere CLI です。ホストがESXi 6.xの場合は,VMware vSphere CLIを推奨します。ホストがESXi 7.xの場合は,VMware vSphere CLIはサポートされていませんので,VMware PowerCLIだけが指定できます。
ESXi 7.0をサポートしているVMware PowerCLI 12.0.0は,ESXi 6.0をサポートしていません。このため,ESXi 6.0~7.0が使用されている場合は,VMware vSphere CLI 用とVMwarePowerCLI用に,それぞれリモート管理クライアントを用意する必要があります。- Global Link Manager と連携する場合は,1 台のリモート管理クライアントでVMware vSphere CLI とVMware PowerCLI と切り替えて使用することはできません。VMware vSphere CLI 用とVMwarePowerCLI用に,それぞれリモート管理クライアントを用意する必要があります。
Global Link Manager と連携しない場合は,1 台のリモート管理クライアントでVMware vSphere CLI とVMware PowerCLI とを切り替えて使用できます。この場合,dlmrmcenvユティリティで使用するCLIを切り替えます。また,Credential Store ファイルを使用する場合は,切り替えたCLI に対応したファイルを使用する必要があります。VMware vSphere CLI とVMware PowerCLIのCredential Store ファイルは互換性がないため,切り替えたCLI に対応していないCredential Store ファイルは使用できません。- VMware PowerCLIを使用してGlobal Link Manager と連携する場合は,必ず,バージョン8.7.6以降のGlobal Link Managerを使用してください。
- VMware vSphere CLIおよびVMware PowerCLIは,ESXiホストとの通信で443/TCPポートを使用します。このポート番号は変更できません。
VMware vSphere CLIを使用する場合の注意事項
- リモート管理クライアントでVMware vSphere CLI 6.0を使用する場合は,次の設定を行ってください。
- esxcliコマンドのパス※を環境変数Pathに追加してください。
Global Link Managerと連携する場合は,システム環境変数Pathに追加してください。システム環境変数Pathに追加するときは,パスを「"」(引用符)で囲まないようにしてください。
- 注※
- 次のパスを追加してください。
- VMware vSphere CLIのインストール先フォルダ\bin
- Credential Storeファイルへホストのthumbprintを追加してください。
- リモート管理クライアントでVMware vSphere CLI 6.5または6.7を使用する場合は,次の設定を行ってください。
- VMware vSphere CLI 6.5または6.7ではperlがインストールされません。VMware vSphere CLI 6.5または6.7のRelease Notesに従ってperlをインストールしてください。
- Active Perlを使用する場合は,perlのパスを環境変数Pathに追加してください。また,credstore_admin.plの実行に必要なPPMをインストールしてください。
- VMware vSphere CLIを6.0から6.5または6.7にアップグレードインストールした場合は,dlmrmcenvユティリティを実行したあとに,リモート管理クライアントを再起動してください。
- Credential Storeファイルへホストのthumbprintを追加してください。
- リモート管理クライアントで,VMware vSphere CLIの環境変数perlpathとvclipathをシステム環境変数に追加する場合は,perlpathとvclipathに設定されているパスをシステム環境変数Pathにも追加してください。Pathに追加するときは,パスを「"」(引用符)で囲まないようにしてください。「"」で囲んだ場合は,Global Link Managerからの操作が失敗することがあります。
- リモート管理クライアントでVMware PowerCLIを使用する場合は,次の設定を行ってください。
- VMware PowerCLIは,Windows PowerShellで動作するコマンドレットのため,Windows PowerShellの実行ポリシーの設定がRestricted,AllSigned,またはUndefinedの場合はコマンドを実行できません。実行ポリシーをRemoteSignedに設定してください。
Windows PowerShellのプロンプトで,次のコマンドを実行して実行ポリシーを確認してください。>Get-ExecutionPolicy表示された結果がRestricted,AllSigned,またはUndefinedの場合は,実行ポリシーをRemoteSignedに変更してください。
Windows PowerShellのプロンプトで,CurrentUserの実行ポリシーをRemoteSignedに変更する場合の例を次に示します。>Set-ExecutionPolicy RemoteSigned -Scope CurrentUser- VMware PowerCLIをインストール後に,Windows PowerShellのプロンプトで次のコマンドが動作することを確認してください。
>Connect-VIServer -Server "ESXiホスト名またはIPアドレス" -User "ユーザ名" -Password "パスワード" >$esxcli = Get-EsxCli -VMHost $vmHost -V2 >$esxcli.system.version.get.Invoke() Build : Releasebuild-XXXXXXXX Patch : XX Update : X Version : X.X.X >Disconnect-VIServer -Server "ESXiホスト名またはIPアドレス"Connect-VIServerの実行時に警告またはエラーになることがあります。これは接続先のESXiホストの証明書が無効と判断されているためです。詳細はVMwareのサイトを参照してください。
証明書のチェックが不要な場合は,Windows PowerShellのプロンプトで次のコマンドを実行してPowerCLIの設定を変更してください。>Set-PowerCLIConfiguration -Scope user -InvalidCertificateAction Ignore
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