Hitachi Dynamic Link Manager ユーザーズガイド(Linux®用)
この節では,HDLMをインストールしたホストで,カーネルパッケージを更新する場合,またはOSのアップデートパッケージを適用する場合の手順について説明します。
- 注
- カーネルパッケージとは,パッケージ名が「kernel-xxx.rpm」のパッケージを指します。OSのアップデートパッケージとは,パッケージ名が「initscripts-xxx.rpm」または「lvm2-xxx.rpm」のパッケージを指します。 なお,「xxx」の部分はバージョンです。
カーネルパッケージの更新またはOSのアップデートパッケージを適用する場合は,シングルユーザモードでも可能です。
HDLM用の初期RAMディスクイメージファイルを作成する場合は,バージョンアップ後のカーネルに対応したファイル名称で作成してください。また,ブートローダの設定ファイルを編集する場合は,カーネルの更新後に追加になったSCSIデバイスから起動するための設定をコピーして,HDLMを設定した状態で起動する定義に変更してください。
- CPU脆弱性対応(retpoline方式)のカーネルを使用する場合の注意事項
- Red Hat Enterprise Linux 8の場合は,注意事項はありません。
- Red Hat Enterprise Linux 6,またはRed Hat Enterprise Linux 7で,HDLMをインストールした状態でカーネルをバージョンアップする場合は,次の点に注意してください。
- retpoline方式対応カーネルから,retpoline方式対応カーネルへのバージョンアップ
CPU脆弱性対応に関連する制限事項はありません。- retpoline方式非対応カーネルから,retpoline方式非対応カーネルへのバージョンアップ
CPU脆弱性対応に関連する制限事項はありません。- retpoline方式非対応カーネルから,retpoline方式対応カーネルへのバージョンアップ
次の手順で実施してください。
- 動作中のHDLMのバージョンが8.6.2より前の場合は,HDLMをアップグレードインストールします。
- カーネルをバージョンアップし,バージョンアップ後のカーネルで起動します。
- HDLMを再インストールします。
- retpoline方式対応カーネルから,retpoline方式非対応カーネルへのバージョンアップ
サポートしません。- retpoline 方式対応カーネルについては,「付録D. HDLMがサポートするCPU脆弱性(retpoline方式)に対応したカーネル」を参照してください。なお,詳細はOSの購入元会社にご確認ください。
- Red Hat Enterprise Linux 6.5を例にバージョンアップのサポート範囲を次に示します。
表4-1 HDLMをインストールした状態でバージョンアップ可能なretpoline対応カーネルの組合せの例
現在動作しているカーネル バージョンアップ後のカーネル Red Hat Enterprise Linux 6.5
retpoline方式対応Red Hat Enterprise Linux 6.5
retpoline方式非対応Red Hat Enterprise Linux 6.6
retpoline方式対応Red Hat Enterprise Linux 6.6
retpoline方式非対応Red Hat Enterprise Linux 6.5
retpoline方式非対応○※ ○ ○※ ○ Red Hat Enterprise Linux 6.5
retpoline方式対応○ - ○ -
- (凡例)
- ○:バージョンアップできる
- -:対象外
- 注※
- 上記の「retpoline方式非対応カーネルから,retpoline方式対応カーネルへのバージョンアップ」の 手順が必要です。
OSおよびインストール環境ごとの手順の参照先を,次の表に示します。
表4-2 カーネルパッケージの更新またはOSのアップデートパッケージの適用手順の参照先
- 注※1
- HDLMをインストールした状態でバージョンアップできないカーネルバージョンの組み合わせの場合です。
- 「表4-3 HDLMをインストールした状態でバージョンアップ可能なRed Hat Enterprise Linux 7のカーネルバージョンの組み合わせ」で「×」が対応します。
- 注※2
- HDLMをインストールした状態でバージョンアップできるカーネルバージョンの組み合わせの場合です。
- 「表4-3 HDLMをインストールした状態でバージョンアップ可能なRed Hat Enterprise Linux 7のカーネルバージョンの組み合わせ」の「○」が対応します。
表4-3 HDLMをインストールした状態でバージョンアップ可能なRed Hat Enterprise Linux 7のカーネルバージョンの組み合わせ
現在動作しているカーネルのバージョン バージョンアップ後のカーネルのバージョン Red Hat Enterprise Linux 7.0 Red Hat Enterprise Linux 7.1 Red Hat Enterprise Linux 7.2 Red Hat Enterprise Linux 7.3以降 Red Hat Enterprise Linux 7.0 ○ × × × Red Hat Enterprise Linux 7.1 - ○ × × Red Hat Enterprise Linux 7.2以降 - - ○※ ○※
- (凡例)
- ○:バージョンアップできる
- ×:バージョンアップできない(HDLMドライバに互換性がないため)
- -:対象外
- 注※
- カーネルのダウングレードはサポートしません。
- インストール済みのHDLMが,バージョンアップ後のカーネルをサポートしている必要があります。
- retpoline方式非対応カーネルから,retpoline方式対応カーネルにバージョンアップする場合は,HDLM 8.6.2-00以降を使用する必要があります。
- この節の構成
- 4.2.1 Oracle Unbreakable Enterprise Kernel,Oracle Linux 6,Oracle Linux 7,Oracle Linux 8,またはSUSE LINUX Enterprise Serverの場合
- 4.2.2 Red Hat Enterprise Linux 6,Red Hat Enterprise Linux 7またはRed Hat Enterprise Linux 8の場合
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