9.5.6 #-adsh_rc_ignoreコマンド(常に正常終了するコマンドを定義する)
形式
#-adsh_rc_ignore コマンド名[,コマンド名 ...]
機能
このコマンドに引数として定義したコマンドは,終了コードに関係なく常に正常終了します。その場合,対象コマンドの終了コードはジョブステップの成功または失敗の判定に影響しません。常に正常終了するコマンドの定義は,1,023個まで指定できます。
ただし,コマンドがシグナルを受信して終了した場合は,指定に関係なくコマンドがエラー終了します。定義方法については,「(2) 常に正常終了するコマンドを定義する」を参照してください。
このコマンドを指定した個所以降のジョブ定義スクリプト実行で有効となります。ジョブステップ外に指定した場合はジョブ定義スクリプト全体に有効で,ジョブステップ内に指定した場合はジョブステップ内だけで有効です。ジョブステップ内に指定した場合,指定した個所以降からジョブステップ終了まで有効となり,ジョブステップ外に指定した値は一時的に無効になります。また,ジョブステップ内に指定するまではジョブステップ外に指定した値が有効になります。
引数
- コマンド名[,コマンド名 ...]
常に正常終了するコマンドを定義します。
コマンド名を「,」で区切って複数指定した場合,指定したすべてのコマンドに対して有効になります。コマンド名は,255個まで指定できます。
コマンド名
Windowsの場合 〜<パス名>((1〜247バイト))
UNIXの場合 〜<パス名>((1〜256バイト))
コマンド名をベース名で指定します。
終了コード
終了コード |
意味 |
---|---|
0 |
正常終了 |
1 |
エラー終了 |
注意事項
コマンド名をベース名で指定します。ジョブステップ内で実行するコマンド名が重複する場合は,エイリアスやリンクを利用してベース名が重複しないようにしてください。
このコマンドは,ジョブ定義スクリプトファイル中に1,023個まで指定できます。
このコマンドは,スクリプト拡張コマンドに対して指定できません。スクリプト拡張コマンドの終了コードは,必ず0が正常終了で1がエラー終了であり,エラー終了の場合はジョブを続行できないためです。
このコマンドをジョブステップエラーブロックに記載できません。
KNAX6584-Iメッセージを出力してバッチジョブを中断する場合,最後に実行したコマンドに対してはこのコマンドの指定は有効になりません。
この#-adsh_rc_ignoreコマンドを使って「5.1.7 別プロセスでの実行」に示す書式で実行されたコマンドを常に正常終了させる場合,文字列を置換する前のコマンド名に対するベース名をコマンドの引数に指定してください。
-
CMDRC_CMDGRP_CHECKパラメータにFUNCTIONを指定した場合,引数のコマンド名に関数名を指定することで,関数を常に正常終了にすることができます。CMDRC_CMDGRP_CHECKパラメータを指定しない場合,またはCMDRC_CMDGRP_CHECKパラメータにNONEを指定した場合,引数のコマンド名に関数名を指定しても,同名のコマンド名が指定されたとして処理されます。
使用例
grepの終了コードを無視します。
#-adsh_step_start STEP1 #-adsh_rc_ignore grep UAP data|grep "TOTAL:" #-adsh_step_end