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Advanced Shell 


2.6.24 整数値の範囲を設定する

Advanced Shellでは,ジョブ定義スクリプト,またはUNIX互換コマンドで扱う整数値の範囲を切り替えることができます。

〈この項の構成〉

(1) 環境変数ADSH_INTEGER_MODE(整数値の範囲を設定する)

整数値の範囲を切り替えるためには,環境変数ADSH_INTEGER_MODEを使用します。

(a) 指定できる値

環境変数ADSH_INTEGER_MODEに指定できる値を次に示します。なお,対象となる機能およびコマンドには,正の値だけを扱うものがあります。対象となる機能およびコマンドで扱う整数値の範囲については,各機能および各コマンドの説明を参照してください。

表2‒24 環境変数ADSH_INTEGER_MODEに指定できる値

指定値

意味

32

対象となる機能,およびコマンドで扱える整数値の範囲は,-2147483648~2147483647です。

64

対象となる機能,およびコマンドで扱える整数値の範囲は,-9223372036854775808~9223372036854775807です。

上記以外の値

ジョブ,およびコマンドを実行しないでエラー終了します。

(b) 対象となる項目

ジョブ定義スクリプトまたはUNIX互換コマンドで扱う整数値のうち,環境変数ADSH_INTEGER_MODEで範囲を切り替えることができるものを次に示します。

  • シェル変数に使用する整数値の上限,および下限

  • 条件判定の数値比較で演算子に指定する数値

  • letコマンドの算術演算に指定できる数値,および演算結果の数値

  • breakコマンド,continueコマンド,shiftコマンド,および【UNIX限定】ulimitコマンドで指定する引数

  • exprコマンドの算術演算で保存する数値

  • headコマンドで指定する行数

  • sleepコマンドで指定する秒数

  • splitコマンドの-lオプションに指定する行数

  • 【UNIX限定】CUIデバッガのsetコマンドで指定する数値

  • 【Windows限定】変数ウィンドウで変更する変数の値

(c) 注意事項

  • 環境変数ADSH_INTEGER_MODEに値を指定していない場合,64が指定されたとして動作します。

  • 環境変数ADSH_INTEGER_MODEには,32または64を指定してください。それ以外の値を指定した場合,ジョブ,およびコマンドは終了コード255でエラー終了します。

  • ジョブ定義スクリプトファイルや環境ファイルで整数値の範囲を設定した場合,その設定内容は,ジョブ定義スクリプトから起動する子孫ジョブ,ルートジョブ,別プロセス実行,および一部のUNIX互換コマンドにだけ有効です。