3.4.4 Windowsに関する注意事項
OSとHDLMは,ホストの内蔵ディスクにインストールすることを推奨します。HDLMの管理対象ディスクにインストールした場合,次の現象が発生するおそれがあります。
OSのクラッシュダンプや障害情報をディスクに格納できなくなることがあります。
HDLMをアンインストールしたあとに,ファイルが削除されないことがあります。
Windowsに日本語名でログインすると,環境変数「TMP」に日本語が入ります。環境変数「TMP」に日本語(2バイト文字)が含まれている場合,HDLMをインストールできません。日本語(2バイト文字)を含まないフォルダーを環境変数「TMP」にしてインストールしてください。
Windowsをインストールしたシステムディスクを,バックアップからリストアする場合は,シングルパス構成でリストアしてください。
リストアをしたあとに,HDLMが正常に動作していることを確認してから,マルチパス構成に変更してください。
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システム環境変数「Path」のサイズが2047バイトを超える環境では,HDLMマネージャーを起動できないおそれがあります。HDLMマネージャーを起動できなかった場合,次に示すメッセージがWindowsのイベントログ(システム)に出力されます。
ソース:Service Control Manager 種類:エラー イベントID:7000 説明:DLMManagerサービスは次のエラーのため開始できませんでした:そのサービスは指定時間内に開始要求または制御要求に応答しませんでした。
- HDLMマネージャーを起動できなかった場合は,システム環境変数「Path」にHDLMが必要とする次のパスが2047バイト以内に収まるよう,不要なパスの文字列を削除してください。
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HDLMのインストール先フォルダー\bin
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HDLMのインストール先フォルダー\lib
HDLMはインストール中にWindows Installerサービスを使用します。したがって,HDLMをインストールするときは次に示す設定および確認をしてください。
Windows Installerサービスの[スタートアップの種類]は「手動」または「自動」に設定してください。
HDLMをインストールするときは,ほかのプログラムがWindows Installerサービスを使用していないことを確認してください。
Windows Installerサービスの[スタートアップの種類]を「無効」に設定した状態,またはほかのプログラムがWindows Installerサービスを使用している状態でHDLMをインストールすると,次に示すKAPL09034-Eメッセージが出力されてインストールに失敗するおそれがあります。
KAPL09034-E HDLMインストーラで内部エラーが発生しました。コード = -99 nnnnn
- 新規インストール時にこの現象が発生した場合
上記の1および2の状態になっているかどうかを確認してから,再度HDLMをインストールしてください。
- アップグレードまたは再インストールしようとしたときにこの現象が発生した場合
上記の1および2の状態になっているかどうかを確認してから,再度アップグレードまたは再インストールしてください。
アップグレードまたは再インストールに失敗しても,「アプリケーションの追加と削除」ウィンドウ上ではHDLMが正常にインストールされたように見えます。しかし実際はアップグレードまたは再インストールに失敗しているので注意が必要です。
次に示すどちらかの条件を満たした状態でHDLMのインストールを実行した場合,Windowsの「ディスクの管理」上のミラーディスクにエラーが表示されることがあります。
HDLM管理対象デバイスにダイナミックディスクを使用したミラーディスクボリュームがある場合
dmaadminサービスを使用するアプリケーションが実行中の場合
このエラーが発生しても,HDLM管理対象デバイスのデータに影響しません。ホストを再起動したあと,Windowsの「ディスクの管理」でディスクをアクティブ化するとエラーは表示されなくなります。このエラーが発生しないようにする場合は,HDLMをインストールする前に次のことを実行してください。
HDLM管理対象デバイスにダイナミックディスクを使用したミラーディスクボリュームがある場合
ディスクの管理コンソールを閉じてください。
dmaadminサービスを使用するアプリケーションを実行している場合
dmaadminサービスを使用するアプリケーションを停止してください。
GPT(GUID Partition Table)を使用したブートディスク環境のサポートは,使用しているサーバー・HBAに依存します。
HDLMをインストールする場合,HDLMのインストール先フォルダー,およびそのすべての親フォルダーの名前は,次のすべての条件を満たすものにしてください。
OSで規定された予約名ではない。
OSで規定された予約名には,CON,AUX,COM1~COM9,LPT1~LPT9,PRN,NULなどがあります。
次の文字によって構成される。
A~Z,a~z,0~9,「-」,「_」,「.」,「@」,「(」,「)」,半角スペース
末尾が半角スペースではない。
半角スペースが2文字以上続いていない。
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パスの文字数が100文字を超えていない。
これらの条件を満たさないフォルダーを指定してインストールした場合,次の表に示す現象が発生するおそれがあります。その場合,それぞれに示す対処方法に従ってHDLMを再インストールしてください。
表3‒9 条件を満たさないフォルダーを指定してHDLMをインストールした場合に発生する現象および対処 発生する現象
対処
インストール中に内部エラーが発生して,インストールが中断される。
上記の条件を満たすフォルダーを指定して再度インストールしてください。
インストールが正常に終了したあと,HDLM障害情報収集ユーティリティー(DLMgetras)を実行した場合に障害情報が収集できない。
HDLMをアンインストールしたあと,上記の条件を満たすフォルダーを指定して再度インストールしてください。
HDLMをインストールする場合は,アプリケーションからHDLMの管理対象ディスクにアクセスできないように,インストールする前に次の操作を行ってください。
ディスクをMSCSのリソースとして登録していない場合
Windowsの「ディスクの管理」でディスクをオフラインにしてください。
ディスクをMSCSのリソースとして登録している場合
「3.5.3 HDLMの新規インストール」の「(5) クラスター環境を設定したあとにHDLMをインストールする手順」に従ってください。
Administratorsグループ以外の管理者権限がないユーザーで,次に示すHDLMをインストールするプログラムを実行する場合は,ユーザーアカウント制御(UAC)により実行が制限されます。このため,「管理者として実行」から実行するか,ユーザーアカウント制御(UAC)の資格情報プロンプトに従って実行してください。
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setup.exe
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- Administratorsグループ以外の管理者権限がないユーザーで,次に示すHDLMをインストールまたはアンインストールするプログラムを実行する場合は,ユーザーアカウント制御(UAC)により実行が制限されます。このため,「管理者として実行」から実行した,管理者権限に昇格したコマンドプロンプト(「管理者:コマンドプロンプト」)で実行してください。
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installhdlm(installhdlmユーティリティー)
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removehdlm(removehdlmユーティリティー)
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Hyper-V機能を使用した場合,ホストOSにHDLMのインストールまたはアンインストールを実行する場合,Hyper-Vマネージャーコンソールを終了してください。Hyper-Vマネージャーコンソールが起動している場合,HDLMのインストールまたはアンインストールが停止します。この場合,Hyper-Vマネージャーコンソールを終了することで,HDLMのインストールやアンインストールを続行できます。
Hyper-V機能を使用した場合,ゲストOSにHDLM管理対象デバイスを物理ハードディスクとして割り当てていて,ホストOS上でHDLMを新規インストール,アップグレードインストール,またはアンインストールするときは,いったんゲストOSに割り当てていたHDLM管理対象デバイスの物理ハードディスクを解除してください。HDLMを新規インストール,アップグレードインストール,またはアンインストールしたあと,ゲストOSに物理ハードディスクを再度割り当て直してください。