Hitachi Dynamic Link Manager ユーザーズガイド(Windows®用)

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3.5.3 HDLMの新規インストール

注意事項
  • Server Core環境を適用している場合は,サイレントインストールしてください。
  • ライセンスキーを用意してから,HDLMをインストールしてください。
  • サイレントインストールする場合は,あらかじめインストールに必要な情報を定義したインストール情報設定ファイルを用意しておいてください。
  • 新規インストールの場合は,シングルパス構成で起動してください。すでにHDLMをインストールしている場合は,マルチパス構成のままでもインストールできます。
  • HDLMをインストールする前にストレージシステムの保守マニュアルに記載されている内容に従って,ストレージシステムの設定を変更してください。
この項の構成
(1) サイレントインストールの手順
(2) そのほかのインストール手順
(3) インストール後の確認手順
(4) HDLMをインストールしたあとにクラスター環境を設定する手順
(5) クラスター環境を設定したあとにHDLMをインストールする手順

(1) サイレントインストールの手順

  1. ホストを起動します。
  2. Windowsに,Administratorsグループのユーザーでログオンします。
  3. Windowsをインストールしているドライブの直下に,ライセンスキーファイルを格納します。
    インストール先ドライブ:\hdlm_license
     
    HDLMをインストールするすべてのホストにライセンスキーファイルを格納してください。サイレントインストールの場合は,インストール情報設定ファイルでライセンスキーファイルの格納先を指定することもできます。
  4. サイレントインストールする場合は,installhdlmユーティリティーを実行します。
    コマンドプロンプトから,次に示すコマンドを実行してください。
    インストールDVDが入ったドライブ:\HDLM_Windows\DLMTools\installhdlm -f インストール情報設定ファイル
    HDLMがすでにインストールされているかチェックされます。KAPL09183-Iのメッセージが表示された場合は,アップグレードまたは再インストールが実行されます
  5. サイレントインストールの結果を確認します。
    インストール情報設定ファイルのrestartキーで,n(再起動しない)を指定した場合は,インストール結果をコマンドプロンプトのinstallhdlm.exeの実行結果で確認してください。
    インストール情報設定ファイルのrestartキーで,y(再起動する)を指定した場合は,installhdlm.logにKAPL09181-Iのメッセージが出力されていることを確認してください。
    インストールが終了したら,「(3) インストール後の確認手順」へ進んでください。

(2) そのほかのインストール手順

  1. ホストを起動します。
  2. Windowsに,Administratorsグループのユーザーでログオンします。
  3. インストーラーを起動します。
    DVDをセットします。
    インストールDVDが入ったドライブ:\HDLM_Windows下のインストーラー(setup.exe)を直接実行してください。
  4. HDLMがすでにインストールされているかチェックされます。KAPL09173-Wのメッセージが表示された場合は,「3.5.4 HDLMのアップグレードまたは再インストール」の注意事項に従ってください。
    HDLMが正常にインストールできている場合は手順8に進みます。
  5. 画面に表示されるメッセージに従って,ライセンスキーファイルを指定,またはライセンスキーを入力します。
    ライセンスキーファイルを使用しない場合は,ライセンスキーを直接入力してください。
  6. 画面に表示されるメッセージに従って,インストール先のフォルダーを指定します。

    注意事項
    インストール先フォルダーを指定する際,notepad.exeなどのプログラムからインストール先フォルダーを示すパスをコピーアンドペーストなどで入力すると,不正な文字が含まれている場合があります。
  7. パーシステントリザーブキー登録ユーティリティー(dlmprsvkey)が自動的に実行され,PRSVキーが生成されます。
    PRSVキーの入力を求めるダイアログボックスが表示された場合は,ダイアログボックスの説明に従って,PRSVキーを入力してください。
    KAPL09128-Wメッセージが表示された場合は,再度PRSVキーの入力を求めるダイアログボックスが表示されます。再度PRSVキーを入力してください。
    PRSVキーに問題がない場合は,インストールが終了する前に,PRSVキーが登録されます。ただし,PRSVキーの登録に失敗した場合は,KAPL09131-Wのメッセージが表示されるので,インストール終了後に,「(3) インストール後の確認手順」で,dlmprsvkeyユーティリティーを使用して,PRSVを登録してください。

    注※
    NICが存在しない場合など,PRSVキーの生成に失敗することがあります。PRSVキーが時刻情報だけで生成された場合,または生成に失敗した場合は,PRSVキーの入力を求めるダイアログボックスが表示されます。
  8. インストールが終了するとホストの再起動を求めるメッセージが表示されます。
    アップグレードまたは,再インストールの場合は,ここで再起動してください。
    新規インストールの場合,「(3) インストール後の確認手順」で再起動するため,ここで再起動する必要はありません。
    インストールが終了したら,「(3) インストール後の確認手順」へ進んでください。

(3) インストール後の確認手順

  1. ライセンスキーファイルを確認します。
    ライセンスキーファイルをインストール先ドライブ:\hdlm_licenseに格納してインストールしている場合は,インストールが終了すると削除されます。
    ライセンスキーファイルの削除に失敗した場合はKAPL09115-Wのメッセージが表示されます。
    その場合はエクスプローラーなどを使用して,手動で削除してください。
    それ以外の場合は,インストールの際に指定したライセンスキーファイルが不要であれば,エクスプローラーなどを使用して,手動で削除してください。
  2. PRSVキーを確認します。
    インストールの最後にKAPL09131-Wのメッセージが表示された場合,またはPRSVキーを入力を求められた場合はdlmprsvkeyユーティリティーを使用して,PRSVキーを登録します。

    注意事項
    PRSVキーは,HDLMの機能が正常に動作するために必要です。また,ほかのホストと値が重複しない必要があります。
    -vパラメーターを指定して,dlmprsvkeyユーティリティーを実行します。
    次に示すコマンドを実行してください。
    HDLMのインストール先フォルダー\bin\dlmprsvkey -v
    dlmprsvkeyユーティリティーの実行によって表示されたPRSVキーが,SAN内のほかのホストのPRSVキーと重複していないか確認してください。PRSVキーが重複している場合,PRSVキーが登録されていない場合,またはKAPL09131-Wのメッセージが表示された場合は,-rパラメーターを指定してdlmprsvkeyユーティリティーを実行し,再度登録してください。PRSVキーが登録されていない場合,HDLMの機能が正常に動作しないことがあります。dlmprsvkeyユーティリティーの詳細については,「7.4 dlmprsvkey HDLMパーシステントリザーブキー登録ユーティリティー」を参照してください。

    注意事項
    登録したPRSVキーは,ホストを再起動するまで有効にはなりません。
  3. ホストを再起動します。
    サイレントインストールでインストール情報設定ファイルのrestartキーに,y(再起動する)を指定した場合,再起動する必要はありません。
  4. Windowsに,Administratorsグループのユーザーでログオンします。
  5. HDLMコマンドのviewオペレーションを実行して,各プログラムの状態を表示します。
    コマンドの実行例を,次に示します。
    PROMPT>dlnkmgr view -sys
    HDLM Version                 : x.x.x-xx
    Service Pack Version         : 
    Load Balance                 : on(extended lio)
    Support Cluster              : off
    Elog Level                   : 3
    Elog File Size (KB)          : 9900
    Number Of Elog Files         : 2
    Trace Level                  : 0
    Trace File Size(KB)          : 1000
    Number Of Trace Files        : 4
    Path Health Checking         : on(30)
    Auto Failback                : off
    Remove LU                    : off
    Intermittent Error Monitor   : off
    HDLM Manager Ver         WakeupTime
    Alive        x.x.x-xx    yyyy/mm/dd hh:mm:ss
    HDLM Alert Driver Ver    WakeupTime          ElogMem Size
    Alive        x.x.x-xx    yyyy/mm/dd hh:mm:ss 128
    HDLM Driver Ver          WakeupTime
    Alive        x.x.x-xx    yyyy/mm/dd hh:mm:ss
    License Type Expiration
    Permanent    -
    KAPL01001-I HDLMコマンドが正常終了しました。オペレーション名 = view, 終了時刻 = yyyy/mm/dd  hh:mm:ss
    PROMPT> 

    注意事項
    上記の実行例は,クラスター環境以外の場合です。クラスター環境の場合は,「Support Cluster」の表示内容は次のとおりになります。
    • VCSを使用している場合,「Support Cluster」には「off」と表示されます。しかし,クラスター対応機能は問題なく動作します。
    • MSCSがインストールされている場合は,「Support Cluster」に「on MSCS」が表示されていることを確認してください。
    • MSCSまたはVCS以外のクラスターソフトウェアを使用していても,「Support Cluster」には「off」と表示されます。しかし,クラスター対応機能は問題なく動作します。
    MSCSがインストールされている場合のコマンドの実行例を,次に示します。
    PROMPT>dlnkmgr view -sys
    HDLM Version                 : x.x.x-xx
    Service Pack Version         : 
    Load Balance                 : on(extended lio)
    Support Cluster              : on MSCS
    Elog Level                   : 3
    Elog File Size (KB)          : 9900
    Number Of Elog Files         : 2
    Trace Level                  : 0
    Trace File Size(KB)          : 1000
    Number Of Trace Files        : 4
    Path Health Checking         : on(30)
    Auto Failback                : off
    Remove LU                    : off
    Intermittent Error Monitor   : off
    HDLM Manager Ver         WakeupTime
    Alive        x.x.x-xx    yyyy/mm/dd hh:mm:ss
    HDLM Alert Driver Ver    WakeupTime          ElogMem Size
    Alive        x.x.x-xx    yyyy/mm/dd hh:mm:ss 128
    HDLM Driver Ver          WakeupTime
    Alive        x.x.x-xx    yyyy/mm/dd hh:mm:ss
    License Type Expiration
    Permanent    -
    KAPL01001-I HDLMコマンドが正常終了しました。オペレーション名 = view, 終了時刻 = yyyy/mm/dd  hh:mm:ss
    PROMPT> 
    HDLMのバージョンを確認します。
    HDLM Version」に「x.x.x-xx」が表示されていれば,正しいバージョンがインストールされています。
    プログラムが正常に動作しているか確認します。
    HDLM Manager」,「HDLM Alert Driver」,および「HDLM Driver」がすべて「Alive」であれば,プログラムが正常に動作しています。

    注意事項
    HDLM Version」,「HDLM Manager」,「HDLM Alert Driver」,および「HDLM Driver」のそれぞれの「x.x.x-xx」の値はソフトウェア添付資料で確認します。
  6. 3.6 パス構成の確認」に記述されている手順に従ってパス情報を確認し,シングルパス構成でHDLMを正常にインストールできたかどうかを確認します。

    注意事項
    アップグレードまたは再インストールでマルチパス構成の場合は,この手順は必要ありません。
    次に示すコマンドを実行してください。
    HDLMのインストール先フォルダー\bin\dlnkmgr view -path > リダイレクト先のファイル
    
    リダイレクト先のファイルを開いて,パス構成を確認します。
    表示される項目と説明については,「6.7 view 情報を表示する」を参照してください。
  7. すべてのHBAにケーブルを接続して,マルチパス構成に変更します。

    注意事項
    アップグレードまたは再インストールでマルチパス構成の場合は,この手順は必要ありません。
  8. 3.6 パス構成の確認」に記述されている手順に従ってパス情報を確認し,正常にマルチパス構成が構築できたかどうかを確認します。
    次に示すコマンドを実行してください。
    HDLMのインストール先フォルダー\bin\dlnkmgr view -path > リダイレクト先のファイル
    
    リダイレクト先のファイルを開いて,パス構成を確認します。
    表示される項目と説明については,「6.7 view 情報を表示する」を参照してください。
    シングルパス構成,およびマルチパス構成を次の図に示します。

    図3-3 シングルパス構成およびマルチパス構成

    [図]

(4) HDLMをインストールしたあとにクラスター環境を設定する手順

HDLMをインストールしたあとにMSCS環境,VCS環境またはそれ以外のクラスター環境を設定する場合について説明します。

  1. すべてのホストをシャットダウンします。
  2. クラスターシステムを構成するすべてのホストが完全にシャットダウンされていることを確認します。
  3. インストール方法に応じて,「(1) サイレントインストールの手順」,「(2) そのほかのインストール手順」のどれかと,「(3) インストール後の確認手順」の手順に従って,1台ずつホストを起動し,すべてのホストに,HDLMをインストールしてください。
    HDLMをインストールした後は,ホストはシャットダウンします。

    注意事項
    クラスターのディスクリソースとして利用するディスクを,クラスターをインストールする前に複数のホストから同時にアクセスさせないように,次の点に注意してください。
    • 1台目のホストにHDLMをインストールする場合は,2台目以降のホストは,シャットダウンしてください。
    • 1台目のホストにHDLMをインストールできたら,1台目のホストをシャットダウンしてください。
  4. ホストを1台ずつ起動して,すべてのホストにクラスターソフトウェアをインストール,および必要に応じて構成を設定します。クラスターのインストール方法は,各製品の手順に従ってください。
    クラスターソフトウェアの設定に関する注意事項を次に示します。
    • Oracle RACおよびOracle SEHAの場合,次に示す条件を満たすときは,Oracle RACおよびOracle SEHAの設定を変更する必要があります。
      • Oracle RAC 12c,Oracle RAC 18c,Oracle RAC 19cまたはOracle SEHA 19cを使用する
      • FC-SAN環境でホストと投票ディスク(Voting Disk)を複数のパスで接続(マルチパス構成)する
      詳細については,「3.4 環境を構築する場合の注意事項」を参照してください。
    • CLUSTERPROの場合,モニターリソースは「ディスクTUR監視リソース」を使用してください。
    MSCSまたはそれ以外のクラスターソフトウェアをインストールした後は,ホストをシャットダウンします。
  5. ホストを1台ずつ起動して,Windowsに,Administratorユーザーで再度ログオンします。
  6. すべてのホストでHDLMコマンドのviewオペレーションを実行して,各プログラムの状態を表示して,Support Clusterの表示を確認してください。
    コマンドの実行例を,次に示します。
    MSCSの場合
    PROMPT>dlnkmgr view -sys
    HDLM Version                 : x.x.x-xx
    Service Pack Version         : 
    Load Balance                 : on(extended lio)
    Support Cluster              : on MSCS
    Elog Level                   : 3
    Elog File Size (KB)          : 9900
    Number Of Elog Files         : 2
    Trace Level                  : 0
    Trace File Size(KB)          : 1000
    Number Of Trace Files        : 4
    Path Health Checking         : on(30)
    Auto Failback                : off
    Remove LU                    : off
    Intermittent Error Monitor   : off
    HDLM Manager Ver         WakeupTime
    Alive        x.x.x-xx    yyyy/mm/dd hh:mm:ss
    HDLM Alert Driver Ver    WakeupTime          ElogMem Size
    Alive        x.x.x-xx    yyyy/mm/dd hh:mm:ss 128
    HDLM Driver Ver          WakeupTime
    Alive        x.x.x-xx    yyyy/mm/dd hh:mm:ss
    License Type Expiration
    Permanent    -
    KAPL01001-I HDLMコマンドが正常終了しました。オペレーション名 = view, 終了時刻 = yyyy/mm/dd  hh:mm:ss
    PROMPT> 
    Support Clusteron MSCSが表示されていることを確認してください。
    Oracle RACまたはOracle SEHAの場合
    PROMPT>dlnkmgr view -sys
    HDLM Version                 : x.x.x-xx
    Service Pack Version         : 
    Load Balance                 : on(extended lio)
    Support Cluster              : off
    Elog Level                   : 3
    Elog File Size (KB)          : 9900
    Number Of Elog Files         : 2
    Trace Level                  : 0
    Trace File Size(KB)          : 1000
    Number Of Trace Files        : 4
    Path Health Checking         : on(30)
    Auto Failback                : off
    Remove LU                    : off
    Intermittent Error Monitor   : off
    HDLM Manager Ver         WakeupTime
    Alive        x.x.x-xx    yyyy/mm/dd hh:mm:ss
    HDLM Alert Driver Ver    WakeupTime          ElogMem Size
    Alive        x.x.x-xx    yyyy/mm/dd hh:mm:ss 128
    HDLM Driver Ver          WakeupTime
    Alive        x.x.x-xx    yyyy/mm/dd hh:mm:ss
    License Type Expiration
    Permanent    -
    KAPL01001-I HDLMコマンドが正常終了しました。オペレーション名 = view, 終了時刻 = yyyy/mm/dd  hh:mm:ss
    PROMPT> 
    クラスターソフトウェアを使用していても,「Support Cluster」には「off」と表示されます。しかし,クラスター対応機能は問題なく動作します。

(5) クラスター環境を設定したあとにHDLMをインストールする手順

MSCS環境,VCS環境またはそれ以外のクラスター環境を設定したあとにHDLMをインストールする場合について説明します。

注意事項
  • HDLMをインストールするホストは,ディスクリソースのオーナーにしないよう,クラスターリソース,クラスターグループを操作してください。
  • クラスターリソース,クラスターグループの自動フェールバックなどのホストに起動停止に伴いディスクリソースのオーナーが移動する設定は,すべてのホストへのインストールが完了するまで停止してください。
  • 各ホストにHDLMをインストールしている間は,一時的に各ホスト間でHDLMのバージョンが不一致でも問題ありません。

  1. クラスター環境を設定します。
    MSCS環境の場合は,MSCSをインストールしてください。
    VCS環境の場合は,VCS構成ウィザードを使って,クラスターを構成してください。
  2. ホストを再起動します。
  3. インストール方法に応じて,「(1) サイレントインストールの手順」,「(2) そのほかのインストール手順」のどれかと,「(3) インストール後の確認手順」の手順に従って,1台目のホストへHDLMをインストールします。
    VCS環境の場合は,インストールの前にVCSを停止してください。
  4. 1台目のホストへのHDLMのインストールが成功しマルチパス構成にできたら,1台目のホストをディスクリソースのオーナーにしてください。
  5. 2台目以降のホストへも,1台ずつ「(1) サイレントインストールの手順」,「(2) そのほかのインストール手順」のどれかと,「(3) インストール後の確認手順」の手順に従って,HDLMをインストールしてください。
  6. すべてのホストにHDLMをインストールした後は,クラスターの設定を元に戻してください。