Hitachi Dynamic Link Manager ユーザーズガイド(Windows®用)
IP-SANでは,ホストとストレージシステムは,LANケーブルで接続します。ホスト側のケーブルの接続口はiSCSI用ホストバスアダプター(iSCSI HBA)またはネットワークインターフェイスカード(NIC)です。NICを使用する場合は,ホストにiSCSIソフトウェアがインストールされている必要があります。ストレージシステム側のケーブルの接続口は,iSCSI接続に使用するチャネルアダプター(CHA)の持つポート(P)です。
ストレージシステムには,ホストからの入出力対象になる論理ユニット(LU)があります。LU内の領域をDevと呼びます。
ホストとLU内のDevを結ぶ経路をパスと呼びます。
HDLMは,管理するパスにIDを割り当てます。このIDをパス管理PATH_IDと呼びます。また,パスを管理対象物と呼ぶこともあります。
iSCSI HBAを使用するIP-SANのシステム構成を「図2-2 iSCSI HBAを使用するIP-SANのシステム構成」に示します。iSCSIソフトウェアおよびNICを使用するIP-SANのシステム構成を「図2-3 iSCSIソフトウェアとNICを使用するIP-SANのシステム構成」に示します。
図2-2 iSCSI HBAを使用するIP-SANのシステム構成
図2-3 iSCSIソフトウェアとNICを使用するIP-SANのシステム構成
IP-SANを使用するHDLMのシステム構成要素を次の表に示します。
| 構成要素 | 説明 |
|---|---|
| iSCSIソフトウェア | iSCSIのイニシエーター機能を持つドライバーソフトウェアです。 |
| iSCSI HBA | iSCSIのイニシエーター機能を持つホストバスアダプターです。 ホスト側のケーブルの接続口です。HDLMコマンド,HDLM GUIではHBAと表示します。このマニュアルではHBAと呼ぶことがあります。 |
| NIC | ネットワークインターフェイスカードです。ホスト側のケーブルの接続口です。HDLMコマンド,HDLM GUIではHBAと表示します。このマニュアルではHBAと呼ぶことがあります。 |
| IP-SAN | iSCSI規格を用いてホストとストレージシステムを接続する,データ転送用のネットワークです。 |
| CHA | iSCSI接続に使用するチャネルアダプターです。 |
| P | CHAのポートです。ストレージシステム側のケーブルの接続口です。 |
| LU | 論理ユニットです。ホストからの入出力対象となる,ネットワークからアクセスできるユニットです。 |
| Dev | LU内の領域です。 |
| パス | ホストとLU内のDevを結ぶ経路です。 |
iSCSIソフトウェアとiSCSI HBAの設定範囲を,次に示します。設定するときの注意点は,iSCSIソフトウェアおよびiSCSI HBAのマニュアルを参照してください。
iSCSIソフトウェアと複数のNICを使用する場合,それぞれのNICは別々のIPネットワークを通じて,別々のCHAポートを使用してストレージシステムと接続してください。構成例は「図2-3 iSCSIソフトウェアとNICを使用するIP-SANのシステム構成」を参照してください。
All Rights Reserved. Copyright © 2014, 2024, Hitachi, Ltd.