Hitachi

 Hitachi Dynamic Link Manager ユーザーズガイド(AIX用)


7.10.2 パラメ

-l {on | off | -ls ログファイルサイズ}

ログ取得を有効,または無効にします。

on:有効

off:無効

デフォルトは「on」です。指定した値を有効にするためには,HDLMデバイスの再構成またはホストの再起動が必要です。

-ls ログファイルサイズ

ログファイルサイズをキロバイトで指定します。指定値の範囲は,100から9900までです。デフォルトおよび推奨値は「1000」です。指定した値を有効にするためには,HDLMデバイスの再構成またはホストの再起動が必要です。

-e {on | off}

hdiskを指定する操作(rmdevchdevrendev,ボリュームグループ操作コマンド)に対するエラーチェック機能を有効,または無効にします。

on:有効

off:無効

デフォルトは「on」です。指定した値を有効にするためには,HDLMデバイスの再構成が必要です。

-b 同時発行可能I/O数

HDLMで同時に発行できるI/Oの数を指定します。

指定範囲は,16384から1000000までです。デフォルトは「16384」です。

指定した値を有効にするためには,HDLMデバイスの再構成またはホストの再起動が必要です。

ただし,同時発行可能I/O数に設定した値以上のI/O要求が同時に発生した場合も,I/O要求は正常に終了するので問題はありません。

-r {on | off}

LUN RESETオプションを有効,または無効にします。

on:有効

off:無効

デフォルトは「on」です。

このパラメの設定を変更しても,HDLMデバイスの再構成およびホストの再起動は不要です。

-i {on | off}

Online(E)状態のパスに対し,I/Oアクセスを抑止するパラメです。

on:I/Oアクセスを抑止します。

off:I/Oアクセスの抑止を解除します。

デフォルトは「off」です。

LVMミラー構成などで障害を検出した場合,Online(E)状態のパスに対しI/Oアクセスが続くと,障害を検出し続けてしまいます。このパラメをonに設定すると,障害対策をするまでI/Oアクセスを抑止するので,障害対策に掛かる時間を短縮できます。

指定した値を有効にするためには,HDLMデバイスの再構成またはホストの再起動が必要です。

注意事項

このパラメonに設定すると,Online(E)状態のパスへのI/Oアクセスが抑止されるため,I/Oに成功してもOnline状態へ自動的に遷移しません。パスを回復するにはHDLMコマンドのonlineオペレーションか,または自動フェルバック機能を使用してください。

-x { node | fcp }

HDLMがODMに登録したuniquetypeSubclassHDLM Subclass)を設定します。指定した値を有効にするためには,HDLMデバイスの再構成が必要です。

nodeHDLM Subclassnodeを設定します。

fcpHDLM Subclassfcpまたはscsiを設定します。

デフォルトは「node」です。

注意事項

OSのbootlistコマンドで,ブートデバイスのリストにファイバチャネル接続のSCSIデバイス(hdisk)を設定する場合は,fcpを設定してください。nodeが設定されている状態でHDLMデバイスを構成するとbootlistコマンドでファイバチャネル接続のSCSIデバイス名(hdisk)が表示されず,代わりに'-'(ハイフン)が表示されることがあります。

-p { on | off }

HDLMデバイスを入出力統計情報の出力対象に含むかを設定します。指定した値を有効にするにはHDLMデバイスの再構成またはホストの再起動が必要です。

on:HDLMデバイスを入出力統計情報の出力対象に含みます。

off:HDLMデバイスを入出力統計情報の出力対象に含みません。

デフォルトは「off」です。「on」にすると,次に示すOSのコマンドの実行結果として,HDLMデバイスの入出力統計情報が出力されます。

  • iostatコマンド

  • vmstatコマンド

  • sarコマンド

  • topasコマンド

-v {on | off}

NPIVオプションを有効,または無効にします。

on:有効

off:無効

デフォルトは「off」です。

バーチャルI/OサーバのNPIV機能を使って,仮想HBAを適用するクライアント区画でHDLMを使用する場合は,onに設定する必要があります。詳細については,「3.4.4 バーチャルI/Oサーバについての注意事項」を参照してください。

-j {on | off}

OSエラーログへHDLMのメッセージを出力するかどうかを設定します。

on:出力する

off:出力しない

デフォルトは「off」です。

このパラメの設定を変更しても,hdiskの再構成およびホストの再起動は不要です。

OSエラーログには,パス障害時およびパス回復時にHDLMのメッセージが出力されます。OSエラーログのラベルでパス障害またはパス回復の区別ができます。

  • パス障害のラベル:HDLM_PATH_FAIL

  • パス回復のラベル:HDLM_PATH_RECOV

パス回復のラベルは,Offline(E)またはOnline(E)のパスがonlineオペレーションまたは自動フェルバックによってOnlineとなった場合に出力されます。

必要に応じてOSエラーログの推奨される処置に従って対処してください。また,OSエラーログの詳細データにはメンテナンス情報が含まれます。パス障害ラベルの場合,詳細データの空白で区切った6番目の情報が,パス障害の原因となったOSエラーコード(16進数)を示しています。同時に障害ログファイル(HDLMマネージャのログ)にメッセージが出力されている場合は,そのメッセージの内容も確認してください。

AIX 7.2 TL00環境でHDLMが出力するパス障害時のOSエラーログの出力例を次に示します。この出力例の場合,詳細データの空白で区切った6番目の情報が"0005"となっていることから,OSエラーコード5(EIO)が発生したことを示しています。

ラベル:         HDLM_PATH_FAIL
ID:             37269DDB

日付/時刻:       WWW MMM dd hh:mm:ss TTT yyyy
順序番号:        2959
マシン ID:       00F8782C4C00
ノード ID:       natu
クラス:          U
タイプ:          INFO
WPAR:            Global
リソース名:      hdisk13
リソース・クラス: disk
リソース・タイプ: Hitachi
ロケーション:     U78AA.001.WZSJPKR-P1-C4-T1-W50060E801082EEA2-L5C000000000000


説明
HDLM detected a path failure.

考えられる原因
HDLM detected a path failure.

障害の原因
A physical or logical error occurred in the path.

        推奨される処置
        Check the path in which the error was detected.

詳細データ
Driver Information.
0000 8000 002D 0000 0002 0005 0048 0000 0000 0000 0000 0000 0000 0000 0000 0000
0000 0000 0000 0000 0000 0000 0000 0000 0000 0000 0000 0000 0000 0000 0000 0000
0000 0000 0000 0000 0000 0000 0000 0000 0000 0000 0000 0000 0000 0000 0000 0000
0000 0000 0000 0000 0000 0000 0000 0000 0000 0000 0000 0000 0000 0000 0000 0000
0000 0000 0000 0000 0000 0000 0000 0000 0000 0000 0000 0000 0000 0000 0000 0000
0000 0000 0000 0000 0000 0000 0000 0000 0000 0000 0000 0000 0000 0000 0000 0000
0000 0000 0000 0000 0000 0000 0000 0000 0000 0000 0000 0000 0000 0000 0000 0000
0000 0000 0000 0000 0000 0000 0000 0000 0000 0000 0000 0000 0000 0000 0000 00
-k {on | off}

HDLMデバイスのlsattrコマンドの実行結果に,reserve_lockを表示するかどうかを設定します。

on:表示します。

off:表示しません。

デフォルトは「on」です。

このパラメの設定を変更しても,hdiskの再構成およびホストの再起動は不要です。

-s

ティリティを実行するときに確認メッセージを表示しません。

-u {on | off}

バーチャルI/O環境での仮想物理ボリューム(hdisk)を認識するunique_id方式の使用可否を設定します。バーチャルI/Oを使用しない場合,この設定は無効です。

on: unique_id方式を使用します。

off: unique_id方式を使用しません。

デフォルトは「off」です。

-o

現在の設定情報を表示します。

-h

dlmodmsetユティリティの形式を表示します。

使用例

現在の設定情報を表示する場合
# /usr/DynamicLinkManager/bin/dlmodmset -o
Inquiry Log             : on
Inquiry Log File Size   : 1000
hdisk error check flag  : on
HDLM pbuf count         : 16384
Lun Reset               : on
Online(E) IO Block      : off
unique_id               : off
HDLM Subclass           : node
IO Statistics           : off
NPIV Option             : off
OS Error Log Output     : off
reserve_lock Output     : on
KAPL10800-I The dlmodmset utility completed normally.
#
HDLM Subclassを設定する場合
  1. HDLMデバイスを構成している場合は,HDLMドライバ削除ユティリティdlmrmdev)を実行してHDLMデバイスを削除します。

    # /usr/DynamicLinkManager/bin/dlmrmdev
  2. HDLM Subclassを設定します。

    HDLM Subclassfcpまたはscsiを設定する場合

    # /usr/DynamicLinkManager/bin/dlmodmset -x fcp

    HDLM Subclassnodeを設定する場合

    # /usr/DynamicLinkManager/bin/dlmodmset -x node
  3. HDLM構成管理ユティリティdlmcfgmgr)を実行して,HDLMデバイスを構成します。

    # /usr/DynamicLinkManager/bin/dlmcfgmgr
ヘルプを表示する場合
# /usr/DynamicLinkManager/bin/dlmodmset -h
Usage :dlmodmset { { -l { on | off | -ls log_file_size }
                   | -e { on | off }
                   | -b pbuf_count
                   | -r { on | off }
                   | -x { node | fcp }
                   | -p { on | off }
                   | -i { on | off }
                   | -v { on | off }
                   | -j { on | off }
                   | -k { on | off }
                   }
                   [ -s ]
                 | { -u { on | off } | -o | -h }
                 }