Hitachi

 Hitachi Dynamic Link Manager ユーザーズガイド(AIX用)


7.9.2 パラメ

-b デバイス名定義ファイル名

稼働中のHDLMデバイスと物理ボリュームの対応を引き継ぐための情報を,デバイス名定義ファイルに出力します。

デバイス名定義ファイル名は,絶対パスまたは相対パスで指定してください。

-bパラメを指定する場合の注意事項
  • 定義済み状態で構成されているHDLMデバイスの情報は,デバイス名定義ファイルに出力されません。情報を引き継ぎたいHDLMデバイスは,あらかじめHDLM構成管理ユティリティdlmcfgmgr)を実行し,使用可能状態にしておいてください。

  • デバイス名定義ファイルの出力先は,HDLMに関連するディレクトリ/usr/DynamicLinkManager/var/DynamicLinkManager/var/DLM/opt/hitachi),およびHDLMデバイスが管理するLU以外のディレクトリを指定してください。

  • デバイス名定義ファイルの出力先となるファイルシステムには,十分な空き容量を確保してください。空き容量の目安を求める式を次に示します。

    (100バイト × HDLMが管理している物理ボリューム数 ) × 2 + 200バイト

    同時に属性値の引き継ぎも実施する場合は,上記空き容量に次に示す式で求めた容量を追加で確保してください。

    500バイト × 使用可能状態のHDLMデバイス数

  • デバイス名定義ファイルの出力先ディレクトリ,およびファイルに書き込み権限を与えてください。

  • 指定したファイル名が存在しない場合,指定したファイル名でデバイス名定義ファイルが作成されます。既存のファイル名を指定した場合,上書きしてよいかどうかを確認するKAPL12704-Iのメッセージが出力されます。

-r デバイス名定義ファイル名

dlmmigdrv -bティリティを実行して作成されたデバイス名定義ファイルの情報を引き継いで,HDLMデバイスを構成します。

デバイス名定義ファイル名を,絶対パスまたは相対パスで指定してください。

-rパラメを指定する場合の注意事項
  • dlmmigdrvティリティでは,物理ボリュームとLUの関係は引き継げません。したがって,dlmmigdrv -rティリティを実行する前に,物理ボリュームの構成をデバイス名定義ファイルの作成時と同じ状態にしておいてください。

  • デバイス名定義ファイルで定義されている物理ボリュームと接続するパスに障害が発生していないことを確認してください。障害が発生しているパスに対しては,HDLMデバイスを構成できません。

  • デバイス名定義ファイルで定義されている物理ボリュームに対応する,すべてのボリュームグループが非活動化していることを確認してください。ボリュームグループが活動化されていると,HDLMデバイスを構成できません。

  • dlmmigdrvティリティを使用してHDLMデバイスと物理ボリュームの関係を引き継ぐと,HDLMデバイスは定義済み状態として構成されます。このため,dlmcfgmgrティリティを実行して,HDLMデバイスを使用可能状態にしてください。

-a

デバイス名の引き継ぎと同時に,以下のデバイスの属性値も引き継ぎます。

queue_depth,q_type,q_err,clr_q,rw_timeour,start_timeout,resssign_to,dlmrsvlevel,reserve_policy,PR_key_value

デバイスの属性値を引き継ぐ場合は,dlmmigdrv -bおよびdlmmigdrv -r実行時にそれぞれ-aを指定する必要があります。

Hitachi Disk Array Driverを使用している場合は,Hitachi Disk Array Driver固有の属性があります。それらの属性値の引き継ぎはHitachi Disk Array Driverの手順に従って実施してください。

-h

dlmmigdrvティリティの形式を表示します。

dlmmigdrvティリティを実行してHDLMデバイスを構成する場合の注意事項

DVD-ROMにあるdlmmigdrvファイルを別ディレクトリにコピーして使用するとき

ファイル構成を変えないでコピーしてください。構成を変えると,dlmmigdrvティリティが正しく実行されないおそれがあります。

次に実行例を示します。

# mkdir /cdrom
# mount -r -v cdrfs /dev/cd0 /cdrom
# mkdir /任意のディレクトリー
# cp -rp /cdrom/HDLM_AIX2/hdlmtool/* /任意のディレクトリー
デバイス名定義ファイルの作成後に物理ボリュームが追加されたとき

追加された物理ボリュームに対応するHDLMデバイス名は,HDLMが定義します。HDLMがHDLMデバイスの名称を定義する例を次に示します。

図7‒2 HDLMがHDLMデバイスの名称を定義する例
[図データ]

上記の例では,hdisk5,hdisk6の物理ボリュームが,デバイス名定義ファイルの作成後に追加されています。したがって,アップグレードまたは再インストール後,デバイス名定義ファイルの情報を引き継いでHDLMデバイスを構成すると,hdisk5,hdisk6の物理ボリュームに対するHDLMデバイス名は,HDLMがdlmfdrv1と定義します。

デバイス名定義ファイルの作成後にrendevコマンドを使ってデバイス名称を変更したとき

変更したデバイス名はデバイス名定義ファイルに反映されていないことに注意してください。

HDLMドライバ構成定義ファイル(dlmfdrv.conf)が存在するとき

デバイス名定義ファイルよりもdlmfdrv.confファイルの内容が優先されます。したがって,アップグレードまたは再インストール後,デバイス名定義ファイルの情報を引き継いでHDLMデバイスを構成しても,dlmfdrv.confファイルにない物理ボリュームを管理するHDLMデバイスは,定義済み状態のままになります。dlmfdrv.confファイルの内容が優先される例を次の図に示します。

図7‒3 dlmfdrv.confファイルの内容が優先される例
[図データ]

上記の例では,dlmfdrv.confファイルにdlmfdrv0が管理する物理ボリュームの情報がありません。したがって,dlmfdrv0は構成されないで,dlmfdrv1とdlmfdrv2だけが構成されます。

除外ディスク定義ファイル(dlmfdrv.unconf)が存在するとき

デバイス名定義ファイルよりもdlmfdrv.unconfファイルの内容が優先されます。したがって,アップグレードまたは再インストール後,デバイス名定義ファイルの情報を引き継いでHDLMデバイスを構成しても,dlmfdrv.unconfファイルにある物理ボリュームを管理するHDLMデバイスは,定義済み状態のままになります。dlmfdrv.unconfファイルの内容が優先される例を次の図に示します。

図7‒4 dlmfdrv.unconfファイルの内容が優先される例
[図データ]

上記の例では,dlmfdrv.unconfファイルにdlmfdrv0が管理する物理ボリュームの情報があります。したがって,dlmfdrv0は構成されないで,dlmfdrv1とdlmfdrv2だけが構成されます。