Hitachi

 Hitachi Dynamic Link Manager ユーザーズガイド(AIX用)


4.1.11 バーチャルI/Oサーバを使用している場合の仮想SCSIディスク認識方式切り替え

HDLMを適用したバーチャル I/O機能を使う場合の移行ケースによって,クライアント区画でボリュームグループのバックアップおよびリストアが必要になる場合があります。詳細を下記に示します。

表4‒1 ボリュームグループバックアップ/リストア要否

HDLMバージョン

バーチャルI/O環境移行ケース

仮想SCSIディスク認識方式

ボリュームグループのバックアップ/リストア

05-41から05-60

バーチャル I/OサーバにHDLMを適用

不要

非バーチャル I/O環境からHDLMを適用したバーチャル I/O環境

必要

HDLMのアンインストール

不要

05-61以降

バーチャル I/OサーバにHDLMを適用

PVID方式適用時

不要

unique_id方式適用時

必要

非バーチャル I/O環境からHDLMを適用したバーチャル I/O環境

PVID方式適用時

必要

unique_id方式適用時

不要

05-41~05-60からのアップグレード

PVID方式適用時

不要

unique_id方式適用時

必要

HDLMのアンインストール

PVID方式適用時

不要

unique_id方式適用時

必要

仮想SCSIディスク認識方式の変更

PVID方式からunique_id方式に変更されたとき

必要

unique_id方式からPVID方式に変更されたとき

(凡例)

-:該当なし

注※

具体的には下記のような移行ケースです。

  • ほかのホスト上で作成,使用していたボリュームグループをバーチャル I/Oクライアント区画で使用する場合。

  • すでにボリュームグループを作成,使用している環境をバーチャル I/Oクライアント区画としてセットアップし,ボリュームグループを継続して使用する場合。

HDLMは仮想SCSIディスク認識方式として,PVID方式とunique_id方式に対応しています。unique_id方式を使用する場合は,IBMのバーチャルI/Oサーバのドキュメントを参照してください。仮想SCSIディスク認識方式を変更する場合は,クライアント区画でボリュームグループのバックアップ/リストアが必要となります。ボリュームグループのバックアップ/リストアの必要性については,IBMのバーチャルI/Oサーバのドキュメントを参照してください。仮想SCSIディスク認識方式の変更手順については下記を参照してください。

〈この項の構成〉

(1) 適用されている仮想SCSIディスク認識方式を確認します。

次のユティリティで表示される,unique_idの値を確認してください。ONの場合はunique_id方式が,OFFの場合はPVID方式が適用されています。

 # dlmodmset -o 

(2) クライアント区画上のボリュームグループをバックアップします。

  1. クライアント論理区画上でHDLMが使用しているボリュームグループを活動化します。

     # varyonvg ボリュームグループ名 
  2. クライアント論理区画上でボリュームグループ配下のファイルシステムをすべてマウントします。

     # mount ファイルシステムのマウントポイント 
  3. クライアント論理区画上でボリュームグループをバックアップします。

     # savevg -i -f デバイス名ボリュームグループ名 
  4. クライアント論理区画上でファイルシステムをアンマウントします。

     # umount ファイルシステムのマウントポイント 
  5. クライアント論理区画上でボリュームグループを削除します。

     # reducevg -df ボリュームグループ名 hdiskn 

(3) 変更前の仮想SCSIディスク認識方式で認識しているデバイスを削除します。

  1. クライアント論理区画上の仮想SCSIディスクを削除します。

     # rmdev -dl hdiskn 
  2. バーチャルI/Oサーバ上の仮想ターゲットデバイスを削除します。

     $ rmdev -dev vtscsin 

(4) 仮想SCSIディスク認識方式を変更します。

  1. 次のユティリティで仮想SCSIディスク認識方式の設定を変更します。

    PVID方式からunique_id方式に変更する場合
    # dlmodmset -u on
    unique_id方式からPVID方式に変更する場合
    # dlmodmset -u off

(5) 変更後の仮想SCSIディスク認識方式でデバイスを作成します。

  1. バーチャルI/Oサーバ上の仮想ターゲットデバイスを作成します。

     $ mkvdev -vdev dlmfdrvn -vadapter 仮想SCSIサーバー・アダプター名 
  2. クライアント論理区画上で仮想SCSIディスクを作成します。

     # cfgmgr 

(6) クライアント論理区画上でボリュームグループをリストアします。

 # restvg -f 物理ボリューム名 hdiskn