バックアップ対象がSQL Serverデータベースの場合,ログ配布機能を使用できます。ログ配布機能を使用することで,トランザクションログのバックアップを配布先サーバーに継続的にコピーできます。これによって,ソースサーバーに障害が発生したときに,配布先サーバーを運用サーバーとして使用できるようになります。ログ配布機能の詳細については,SQL
Serverのマニュアルを参照してください。ここでは,SQL Serverのログ配布機能を使用するときに,ソースサーバーのデータベースと配布先サーバーのデータベースを同期し,ソースサーバーでログ配布を設定する例について説明します。この例では,次の図に示すシステム構成を想定しています。
図6-27 ログ配布機能を使用するためのシステム構成例
![[図]](GRAPHICS/JC072600.GIF)
前提条件は次のとおりです。
- ソースサーバーの正ボリュームと配布先サーバーのボリュームは,DドライブとEドライブにマウントされている。
- ソースサーバーの副ボリュームは,アンマウントされている。
- ソースサーバーおよび配布先サーバーでdrmsqlinitコマンドを実行し,VDIメタファイル格納ディレクトリーを同じパス名で作成している。
- ソースサーバーと配布先サーバーで同じインスタンスが作成されている。
- FTPサーバーが起動している。
- リストア時にシステムデータベース(master,model,msdb)は指定しない。
- ソースサーバーでログ配布を設定する。
ログ配布機能を使用するために,ソースサーバーのデータベースと配布先サーバーのデータベースを同期し,ソースサーバーでログ配布を設定する手順について説明します。
ログ配布機能を使用するための準備をするには:
- SQL Serverデータベースを副ボリュームへバックアップします。
SQL Serverデータベースをオンラインバックアップします。バックアップするには,ソースサーバーでdrmsqlbackupコマンドを実行します。
PROMPT> drmsqlbackup SQL1
コマンドを実行すると,ソースサーバーのバックアップカタログに,新しいバックアップID(連番で未使用のID)でバックアップ情報が登録されます。ここでは,新しいバックアップIDを「0000000001」とします。
- バックアップの実行結果を確認します。
副ボリュームへのバックアップが正常に完了したかを確認します。確認するには,ソースサーバーでdrmsqlcatコマンドを実行します。
PROMPT> drmsqlcat SQL1
- バックアップ情報を一時ファイルへエクスポートします。
正ボリュームから副ボリュームへのバックアップ操作に関する情報を,配布先サーバーにコピーする必要があります。ソースサーバーでdrmdbexportコマンドを実行して,バックアップ操作に関する情報を一時ファイル「C:\temp\EX-FILE1.drm」へエクスポートします。
PROMPT> drmdbexport 0000000001 -f C:\temp\EX-FILE1.drm
- VDIメタファイルおよびエクスポートした一時ファイルをソースサーバーから配布先サーバーへ転送します。
VDIメタファイル「C:\METADIR\Meta1」およびエクスポートした一時ファイル「C:\temp\EX-FILE1.drm」をソースサーバーから配布先サーバーに転送します。転送するには,ftpコマンド(ファイル転送プロトコル)を実行します。
PROMPT> ftp <配布先サーバー名>
ftp> Username: (ログイン名を入力)
ftp> password: (パスワードを入力)
ftp> binary
ftp> put C:\temp\EX-FILE1.drm
ftp> put C:\METADIR\Meta1
ftp> quit
PROMPT>
- バックアップデータをコピーします。
ソースサーバーでバックアップした副ボリュームのデータを配布先サーバーのボリュームにコピーします。
- ソースサーバーから転送した一時ファイルを配布先サーバーのバックアップカタログへインポートします。
ソースサーバーから転送した一時ファイル「C:\temp\EX-FILE1.drm」を配布先サーバーのバックアップカタログへインポートします。一時ファイルをインポートするには,配布先サーバーでdrmdbimportコマンドを実行します。
PROMPT> drmdbimport -f C:\temp\EX-FILE1.drm
- インポートの実行結果を確認します。
インポートが正常に完了したかを確認します。確認するには,配布先サーバーでdrmsqlcatコマンドを実行します。
PROMPT> drmsqlcat SQL1
- 配布先サーバーのボリュームへバックアップデータをリストアします。
バックアップデータが配布先サーバーのボリュームにコピーされていることを確認したあと,配布先サーバーでリストアします。リストアする際,副ボリュームから正ボリュームへバックアップデータの回復処理をしないでバックアップデータにVDIメタファイルを適用し,データベースをスタンバイ状態にします。このようにリストアするには,次のようにdrmsqlrestoreコマンドを実行します。
PROMPT> drmsqlrestore 0000000001 -no_resync -undo -nochk_host
- ソースサーバーでログ配布の設定をします。
ソースサーバーで,配布先サーバーの指定,ログを生成する頻度などの設定をします。
ログ配布の設定方法については,SQL Serverのマニュアルを参照してください。
All Rights Reserved. Copyright© 2014, 2024, Hitachi, Ltd.