Replication Manager Application Agent CLI ユーザーズガイド

[目次][索引][前へ][次へ]


6.11.1 ログ配布機能を使用するための準備

バックアップ対象がSQL Serverデータベースの場合,ログ配布機能を使用できます。ログ配布機能を使用することで,トランザクションログのバックアップを配布先サーバーに継続的にコピーできます。これによって,ソースサーバーに障害が発生したときに,配布先サーバーを運用サーバーとして使用できるようになります。ログ配布機能の詳細については,SQL Serverのマニュアルを参照してください。ここでは,SQL Serverのログ配布機能を使用するときに,ソースサーバーのデータベースと配布先サーバーのデータベースを同期し,ソースサーバーでログ配布を設定する例について説明します。この例では,次の図に示すシステム構成を想定しています。

図6-27 ログ配布機能を使用するためのシステム構成例

[図]

前提条件は次のとおりです。

ログ配布機能を使用するために,ソースサーバーのデータベースと配布先サーバーのデータベースを同期し,ソースサーバーでログ配布を設定する手順について説明します。

ログ配布機能を使用するための準備をするには:

  1. SQL Serverデータベースを副ボリュームへバックアップします。
    SQL Serverデータベースをオンラインバックアップします。バックアップするには,ソースサーバーでdrmsqlbackupコマンドを実行します。
    PROMPT> drmsqlbackup SQL1
    コマンドを実行すると,ソースサーバーのバックアップカタログに,新しいバックアップID(連番で未使用のID)でバックアップ情報が登録されます。ここでは,新しいバックアップIDを「0000000001」とします。
  2. バックアップの実行結果を確認します。
    副ボリュームへのバックアップが正常に完了したかを確認します。確認するには,ソースサーバーでdrmsqlcatコマンドを実行します。
    PROMPT> drmsqlcat SQL1
  3. バックアップ情報を一時ファイルへエクスポートします。
    正ボリュームから副ボリュームへのバックアップ操作に関する情報を,配布先サーバーにコピーする必要があります。ソースサーバーでdrmdbexportコマンドを実行して,バックアップ操作に関する情報を一時ファイル「C:\temp\EX-FILE1.drm」へエクスポートします。
    PROMPT> drmdbexport 0000000001 -f C:\temp\EX-FILE1.drm
  4. VDIメタファイルおよびエクスポートした一時ファイルをソースサーバーから配布先サーバーへ転送します。
    VDIメタファイル「C:\METADIR\Meta1」およびエクスポートした一時ファイル「C:\temp\EX-FILE1.drm」をソースサーバーから配布先サーバーに転送します。転送するには,ftpコマンド(ファイル転送プロトコル)を実行します。
    PROMPT> ftp <配布先サーバー名>
    ftp> Username: (ログイン名を入力)
    ftp> password: (パスワードを入力)
    ftp> binary
    ftp> put C:\temp\EX-FILE1.drm
    ftp> put C:\METADIR\Meta1
    ftp> quit
    PROMPT>
  5. バックアップデータをコピーします。
    ソースサーバーでバックアップした副ボリュームのデータを配布先サーバーのボリュームにコピーします。
  6. ソースサーバーから転送した一時ファイルを配布先サーバーのバックアップカタログへインポートします。
    ソースサーバーから転送した一時ファイル「C:\temp\EX-FILE1.drm」を配布先サーバーのバックアップカタログへインポートします。一時ファイルをインポートするには,配布先サーバーでdrmdbimportコマンドを実行します。
    PROMPT> drmdbimport -f C:\temp\EX-FILE1.drm
  7. インポートの実行結果を確認します。
    インポートが正常に完了したかを確認します。確認するには,配布先サーバーでdrmsqlcatコマンドを実行します。
    PROMPT> drmsqlcat SQL1
  8. 配布先サーバーのボリュームへバックアップデータをリストアします。
    バックアップデータが配布先サーバーのボリュームにコピーされていることを確認したあと,配布先サーバーでリストアします。リストアする際,副ボリュームから正ボリュームへバックアップデータの回復処理をしないでバックアップデータにVDIメタファイルを適用し,データベースをスタンバイ状態にします。このようにリストアするには,次のようにdrmsqlrestoreコマンドを実行します。
    PROMPT> drmsqlrestore 0000000001 -no_resync -undo -nochk_host
  9. ソースサーバーでログ配布の設定をします。
    ソースサーバーで,配布先サーバーの指定,ログを生成する頻度などの設定をします。
    ログ配布の設定方法については,SQL Serverのマニュアルを参照してください。