Application Agentでは,RAID Managerで定義されたペアボリュームを利用して,ファイルシステムやデータベースオブジェクトのバックアップおよびリストアを実行します。RAID Managerを使用してペアボリュームを構成する場合,次に示す前提条件および注意事項があります。
ペアボリュームに関する前提条件
マルチターゲット構成・カスケード構成を組む場合の前提条件
RAID Managerの構成定義ファイルに関する前提条件
- TrueCopyの場合は,RAID Managerの構成定義ファイル(horcm<n>.conf)のMU#を記入しないで定義してください。MU#に「0」を定義すると,drmXXdisplay※コマンドに-refreshオプションを指定して実行したときにTrueCopyのペアボリューム情報がディクショナリーマップに格納できません。このため,Application Agentのコマンドで表示されず,バックアップ対象にできません。
- 注※
- drmXXdisplayは,drmfsdisplayコマンド,drmsqldisplayコマンド,またはdrmexgdisplayコマンドを意味します。
- Universal Replicatorの場合はRAID Managerの構成定義ファイル(horcm<n>.conf)のMU#を「h0」(h+世代番号)と定義してください。MU#に「0」を定義すると,drmXXdisplayコマンドに-refreshオプションを指定して実行したときにUniversal Replicatorのペアボリューム情報がディクショナリーマップに格納できません。このため,Application Agentのコマンドで表示されず,バックアップ対象にできません。
- Application Agentと連携するRAID ManagerインスタンスのRAID Managerの構成定義ファイル(horcm<n>.conf)は,次の条件を満たしている必要があります。
- Windowsディレクトリー(%windir%)にRAID Managerの構成定義ファイル(horcm<n>.conf)が配置されていること。
環境変数HORCM_CONFでRAID Managerの構成定義ファイル(horcm<n>.conf)を配置する場所を変更することはできません。
- RAID Managerの構成定義ファイル(horcm<n>.conf)のインスタンス番号(n)には数字だけが使用されていること。また,有効な数字の前に余分な0が埋め込まれていないこと。
有効なファイル名の例:horcm1.conf,horcm120.conf
無効なファイル名の例:horcm001.conf,horcmA20.conf
- ストレージシステム上でペアボリュームが作成されていても,ホスト上でRAID Managerの構成定義がないペアボリュームは利用できません。
バックアップ対象ペアボリュームに対してコンシステンシーグループを定義する場合の前提条件
仮想コマンドデバイスのインスタンスの起動に関する前提条件
- コマンドデバイスに仮想コマンドデバイスを使用する環境の場合,Application AgentのCLIを実行する前に仮想コマンドデバイスサーバーでRAID Managerインスタンスを起動し,仮想コマンドデバイスを使用できる状態にしてください。Application
AgentのCLIは,仮想コマンドデバイスサーバーのRAID Managerインスタンスの起動および停止をしないため,仮想コマンドデバイスが使用できない場合,Application AgentのCLIを実行したときにエラーとなります。
エラーとなった場合,Application AgentのCLIを実行したサーバーのRAID Managerのログファイルで仮想コマンドデバイス(\\.\IPCMD-IPアドレス-PORT番号)がエラー要因であることを確認し,確認した情報に基づき対策したあと,Application AgentのCLIの運用を再開してください。
コピーグループの名称に関する前提条件
- コピーグループ名は,次のとおり設定してください。
- 最大バイト数:63バイト
- 使用できる文字: 英数字またはカンマ
- RAID Managerインスタンスの起動に関する注意事項
- 正ボリュームを管理するRAID Managerインスタンス,および副ボリュームを管理するRAID Managerインスタンスの両方をあらかじめ起動しておくことをお勧めします。RAID Managerインスタンスの起動については,「3.4.8 RAID Managerインスタンスの起動および停止について」を参照してください。
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