Hitachi

Hitachi Microservices Platform - Paxos Commit Transaction Orchestrator ユーザーズガイド


3.11.6 分散トレース

HMP-PCTOの分散トレースの取得に関するチューニングパラメタについては次の表の記載のとおりです。

表3‒65 チューニング対象のパラメタ一覧

項番

パラメタ設定の主体

パラメタ名

説明

1

  • Orchestrator

  • Entity-Service

  • SQL-Participant

  • TCC-Participant

  • Mediator

  • TP1-Bridge

  • Orchestrator、Entity-Service、SQL-Participant、TCC-Participantの場合

    jp.co.Hitachi.soft.hmppcto.tracing.queue-size

  • Mediator、TP1-Bridgeの場合

    tracing.queueSize

<パラメタの説明>

メモリ上のキューに保持できる分散トレース数を指定します。

パラメタの詳細については、「9.2.1 共通」を参照してください。

<設定方法>

このパラメタは次のパラメタ以上の値を設定してください。

  • jp.co.Hitachi.soft.hmppcto.tracing.batch-size

この設定値以上の分散トレースが発生した場合、対象の分散トレースは破棄されてしまいます。

基本はデフォルト値を設定した上で、分散トレースの破棄が頻繁に発生するようであれば、大きな値に調整してください。

2

  • Orchestrator

  • Entity-Service

  • SQL-Participant

  • TCC-Participant

  • Mediator

  • TP1-Bridge

  • Orchestrator、Entity-Service、SQL-Participant、TCC-Participantの場合

    jp.co.Hitachi.soft.hmppcto.tracing.delay-time-in-millis

  • Mediator、TP1-Bridgeの場合

    tracing.delayTimeInMillis

<パラメタの説明>

メモリ上のキューに保持した分散トレースを分散トレース収集アプリケーションまたはサービスへ送信する間隔をミリ秒で指定します。

パラメタの詳細については、「9.2.1 共通」を参照してください。

<設定方法>

このパラメタの設定値を変更すると、メモリ上のキューに保持した分散トレースを送信する間隔が変更されます。

大きな値を設定すると、メモリ上のキューに保持した分散トレースを送信する間隔が長くなり、メモリ上のキューからあふれてしまい、分散トレースが破棄されるおそれがあります。

基本はデフォルト値を設定した上で、分散トレースの破棄が頻繁に発生するようであれば、小さな値に調整してください。

3

  • Orchestrator

  • Entity-Service

  • SQL-Participant

  • TCC-Participant

  • Mediator

  • TP1-Bridge

  • Orchestrator、Entity-Service、SQL-Participant、TCC-Participantの場合

    jp.co.Hitachi.soft.hmppcto.tracing.batch-size

  • Mediator、TP1-Bridgeの場合

    tracing.batchSize

<パラメタの説明>

メモリ上のキューに保持した分散トレースを分散トレース収集アプリケーションまたはサービスへ送信する際に一度に送信する分散トレース数を指定します。

パラメタの詳細については、「9.2.1 共通」を参照してください。

<設定方法>

このパラメタは次のパラメタ以下の値を設定してください。

  • jp.co.Hitachi.soft.hmppcto.tracing.queue-size

この設定値以上の分散トレースが発生した場合、対象の分散トレースは破棄されます。

このパラメタの設定値を変更すると、メモリ上のキューに保持した分散トレースを送信する数が変更されます。

大きな値を設定すると、メモリ上のキューに保持した分散トレースを送信する数が大きくなり、分散トレース収集アプリケーションまたはサービスが受信できなくなり、分散トレースが破棄されるおそれがあります。

基本はデフォルト値を設定した上で、分散トレースの破棄が頻繁に発生するようであれば、小さな値に調整してください。

4

  • Orchestrator

  • Entity-Service

  • SQL-Participant

  • TCC-Participant

  • Mediator

  • TP1-Bridge

  • Orchestrator、Entity-Service、SQL-Participant、TCC-Participantの場合

    jp.co.Hitachi.soft.hmppcto.tracing.debug

  • Mediator、TP1-Bridgeの場合

    tracing.debug

<パラメタの説明>

HMP-PCTOで実施された内部処理について、デバッグ情報を含むスパンの取得有無を設定します。

このパラメタをtrueに設定すると、デバッグ情報を含むスパンを作成する処理が動作するため、処理時間が長くなることがあります。

このパラメタをtrueに設定すると、デバッグ情報を含むスパンが出力されるため、分散トレースとして使用するディスク使用量が増加します。

パラメタの詳細については、「9.2.1 共通」を参照してください。

<設定方法>

このパラメタをtrueに設定することで、HMP-PCTOの内部処理の詳細を確認できます。

このパラメタについては、当社のサポート部署が調査する場合に設定が必要となります。サポート部署から設定依頼があった場合だけtrueを設定してください。

5

SQL-Participant

jp.co.Hitachi.soft.hmppcto.tracing.jdbc.debug

<パラメタの説明>

SQL-Pariticipantで実行されたJDBC Driverメソッドの開始および終了について、スパンイベントの取得有無を設定します。

このパラメタをtrueに設定することで、JDBC Driverメソッド開始および終了のスパンイベントを作成する処理が動作するため、処理時間が長くなることがあります。

このパラメタをtrueに設定することで、JDBC Driverメソッド開始および終了のスパンイベントが出力されるため、分散トレースとして使用するディスク使用量が増加します。

パラメタの詳細については、「9.2.1 共通」を参照してください。

<設定方法>

このパラメタをtrueに設定することで、SQL-Participantの処理時間が長い場合などに、JDBC DriverメソッドまたはHMP-PCTOの製品処理のどちらで時間が掛かっているかを切り分けることができます。

ユーザが処理時間について調査や、チューニングを行う場合に設定してください。

当社のサポート部署が調査する場合に設定が必要となることがあります。サポート部署から設定依頼があった場合、trueを設定してください。

6

  • Orchestrator

  • SQL-Participant

  • TCC-Participant

  • Mediator

  • TP1-Bridge

  • Orchestrator、SQL-Participant、TCC-Participantの場合

    jp.co.Hitachi.soft.hmppcto.tracing.grpc.debug

  • Mediator、TP1-Bridgeの場合

    tracing.grpc.debug

<パラメタの説明>

Orchestrator、ParticipantおよびMediatorが実施しているgRPC通信の送受信メッセージ内容について、スパンイベントの取得有無を設定します。

このパラメタをtrueに設定すると、gRPC通信の送受信メッセージ内容のスパンイベントを作成する処理が動作するため、処理時間が長くなることがあります。

このパラメタをtrueに設定すると、gRPC通信の送受信メッセージ内容のスパンイベントが出力されるため、分散トレースとして使用するディスク使用量が増加します。

パラメタの詳細については、「9.2.1 共通」を参照してください。

<設定方法>

このパラメタをtrueに設定することで、HMP-PCTOのgRPC通信の送受信メッセージの内容が正しいこと、また、正しいシーケンスとなっているかを確認できます。

このパラメタについては、当社のサポート部署が調査する場合に設定が必要となります。サポート部署から設定依頼があった場合だけtrueを設定してください。