10.2.1　概要

HMP-PCTOは、稼働状況管理、障害検知、および障害発生時の切り分けなどを目的としてメッセージログを出力します。メッセージログ出力の契機は、アプリケーションの稼働状況の変化、障害発生などです。

HMP-PCTOは、ロギングライブラリを使用して、メッセージログを標準出力します。ユーザは、HMP-PCTOが出力するメッセージログを監視し、出力されたメッセージログに従って適切に対応する必要があります。

標準出力の内容は、ノード上にログ収集基盤を使用したコンテナを作成し、標準出力の内容を収集します。収集したログは、ログ運用基盤などに転送され、永続化および可視化されます。障害発生時は、必要に応じて保存されたログをエクスポートし、障害調査者に送付してください。詳細については、「10.6　HMP-PCTOの障害調査」を参照してください。

また、KubernetesのコンテナのライフサイクルイベントハンドラではMediatorの起動・停止に関するイベントがメッセージログとして出力されます。出力された内容はKubernetesのイベントリソースに保存されます。ユーザは、必要に応じてイベントリソースのメッセージログを確認し、適切に対応する必要があります。

なお、ログ収集基盤は、イベントソースに保存されたメッセージログを収集しません。必要に応じて、永続化する必要があります。詳細については、「10.6　HMP-PCTOの障害調査」を参照してください。

メッセージログの構成を次の図に示します。なお、メッセージログの出力形式は、各コンポーネントで共通です。

図10‒10　メッセージログの構成

HMP-PCTOでは、次に示すロギングライブラリを使用します。

• Logback

重要

• ユーザアプリケーションで使用するロギングライブラリ

  ユーザアプリケーションでロギングライブラリを使用する場合、HMP-PCTOの使用するロギングライブラリと記載が一致している必要があります。一致していない場合は、メッセージログが正常な出力フォーマットで出力されないか、またはメッセージログが出力されないことがあります。

• HMP-ADIF、ユーザアプリケーションのログ出力形式

  HMP-ADIF、またはユーザアプリケーションでログを出力する場合、ログの確認、永続化、および可視化の利便性の観点から、HMP-PCTOのメッセージログと同様に、標準出力への出力を推奨します。

HMP-PCTOでは、次に示すログ収集基盤をサポートしています。

• Filebeat

また、HMP-PCTOでは、次に示すログ運用基盤を推奨しています。

• ElasticStack（LogstashおよびElasticsearch）

ログ運用基盤の設定・運用方法については、次の説明を参照してください。

• 「3.5　共有ファイルシステムでの作業」

• 「3.6　Kubernetesマニフェスト作成」

• 「3.7　Helmチャートのカスタマイズ」

• 「3.8　HMP-PCTOのコントロールプレーンおよびRASのKubernetesアプリケーションの運用」

• 「3.9　ログの取得および監視の設定」

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