Hitachi Dynamic Link Manager ユーザーズガイド(Windows®用)
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3.4.5 関連するソフトウェアに関する注意事項
- HDLM以外のマルチパス管理ソフトウェアはインストールしないでください。 HDLM以外のマルチパス管理ソフトウェアがホストにインストールされている場合は,HDLM以外のマルチパス管理ソフトウェアをアンインストールしてホストを再起動したあとに,HDLMをインストールしてください。
- Windows版のHDLMとVMware版のHDLMを,同一のホスト上で使用することはできません。
- ホストとOracle RACの投票ディスク(Voting Disk)を複数のパスで接続しているとき,それらのパスの一部でI/Oタイムアウトが発生すると,通常のパスと同様にHDLMはフェイルオーバ処理を実行します。
ただし,Oracle RACの設定状態によっては,HDLMのフェイルオーバ処理が完了する前にOracle RAC側でノード障害が発生したと見なし,クラスタを再構成してしまうおそれがあります。
したがって,Oracle RACの投票ディスクの接続先をHDLMデバイスとする場合,ストレージシステムの種別や運用条件に応じて,Oracle RAC 10g 10.1.0.3.0以降では「MISSCOUNT」の値を,Oracle RAC 10g
10.2.0.2.0以降,Oracle RAC 11g,Oracle RAC 12c,Oracle RAC 18cまたはOracle RAC 19cでは「MISSCOUNT」と「DISKTIMEOUT」の値を変更してください。
- ストレージに対する可用性を優先する場合
- 「MISSCOUNT」には,ハートビートが認識できないと判定されるまでの最大許容時間を指定します。また,「DISKTIMEOUT」には,投票ディスクへのディスクI/Oが実行できないと判定されるまでの最大許容時間を指定します。設定する値は,次に示す「表3-11 「MISSCOUNT」の計算式」および「表3-12 「DISKTIMEOUT」の計算式」に従って計算し,算出した値以上に変更してください。可用性を考慮した場合,パス数が多くなればなるほど「MISSCOUNT」および「DISKTIMEOUT」に指定する値が大きくなり,Oracle RACの再構成開始までの時間も長くなります。
- Oracle RACでの再構成開始までの時間を優先する場合
- Oracle RACの再構成開始までの時間を短くすることを優先する場合,再構成開始までの最大時間から「MISSCOUNT」および「DISKTIMEOUT」の値を決定してください。この場合「MISSCOUNT」および「DISKTIMEOUT」の値が計算式より小さくなることがありますが,HDLMの動作に影響はありません。ただし,タイムアウトなど検知に時間を必要とするエラーが発生すると,「MISSCOUNT」および「DISKTIMEOUT」の値がOnlineパスへフェイルオーバが完了するまでの時間よりも小さくなり,フェイルオーバが可能であるにもかかわらず,Oracle
RACの再構成が開始される可能性が高くなります。
なお,次の「MISSCOUNT」および「DISKTIMEOUT」の計算式で示すパス数は,「MISSCOUNT」および「DISKTIMEOUT」を設定するホストから投票ディスクに接続しているパスの数です。設定対象のホストから投票ディスクに2パス接続している場合,パス数は2となります。
表3-11 「MISSCOUNT」の計算式
ストレージシステム種別 |
「MISSCOUNT」に設定する値の計算式 |
- Virtual Storage Platformシリーズ
- VSP 5000シリーズ
- VSP G1000シリーズ
- VSP G1500
- VSP F1500
- VSP Eシリーズ
- VSP Gx00モデル
- VSP Fx00モデル
- HUS VM
|
投票ディスクへ接続するパスの数×60秒 |
|
投票ディスクへ接続するパスの数×30秒 |
表3-12 「DISKTIMEOUT」の計算式
ストレージシステム種別 |
投票ディスクへ接続するパスの数 |
「DISKTIMEOUT」に設定する値の計算式 |
- Virtual Storage Platformシリーズ
- VSP 5000シリーズ
- VSP G1000シリーズ
- VSP G1500
- VSP F1500
- VSP Eシリーズ
- VSP Gx00モデル
- VSP Fx00モデル
- HUS VM
|
3以下 |
「DISKTIMEOUT」の値を変更する必要はありません。 |
4以上 |
投票ディスクへ接続するパスの数×60秒 |
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6以下 |
「DISKTIMEOUT」の値を変更する必要はありません。 |
7以上 |
投票ディスクへ接続するパスの数×30秒 |
- 注
- 「MISSCOUNT」と「DISKTIMEOUT」の関係が「MISSCOUNT」≧「DISKTIMEOUT」となる場合,Oracleの仕様によってエラーとなる場合があります。この場合,「MISSCOUNT」の値の変更に加え,「DISKTIMEOUT」の値を「MISSCOUNT」+1するなど「MISSCOUNT」よりも大きな値になるように設定してください。
- 詳細については,Oracleサポートサービスを契約した会社へお問い合わせください。
なお,上記の構成からHDLMをアンインストールする場合,変更した「MISSCOUNT」や「DISKTIMEOUT」の設定値を元の値に戻す必要があるため,変更する前のそれぞれの設定値を控えておいてください。
- Oracle Cluster File SystemにOracle RACをインストールする構成はサポートしていません。
- ウィルスチェックプログラムなどの常駐型ソフトウェアが動作しているときにHDLMをインストールすると,正常に動作しないおそれがあります。HDLMをインストールする場合,常駐型ソフトウェアを含むすべてのソフトウェアを停止してから開始してください。
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