Hitachi Dynamic Link Manager ユーザーズガイド(Solaris用)
- この項の構成
- (1) PRIMECLUSTER環境の場合
- (2) Solaris ClusterまたはVCS環境の場合
- (3) Oracle RAC 11g環境の場合
- (4) Oracle RAC 12c環境の場合
PRIMECLUSTER環境においてHDLMを使用する場合,ボリュームマネージャは PRIMECLUSTER GDSをお使いください。
(2) Solaris ClusterまたはVCS環境の場合
HDLMがサポートするクラスタソフトウェアとボリュームマネージャの組み合わせを次の表に示します。
OS クラスタ ボリュームマネージャ Solaris 10 なし なし SVM※1 ※4 ※5 Oracle Solaris Cluster 3.3※7 ※8 なし SVM※2 ※3 ※5 ※6 VCS 6.0※9 VxVM 6.0※2 ※5 Solaris 11.0 Oracle Solaris Cluster 4.0 なし SVM VCS 6.0※9 VxVM 6.0※2 ※5 Solaris 11.1 Oracle Solaris Cluster 4.1 なし SVM VCS 6.0.3※9 VxVM 6.0.3※2 ※5 Solaris 11.2 Oracle Solaris Cluster 4.2 なし SVM VCS 6.2.1※9 VxVM 6.2.1※2 ※5 Solaris 11.3 Oracle Solaris Cluster 4.3 なし SVM VCS 6.2.1※9 VxVM 6.2.1※2 ※5 VCS 7.1※9 VxVM 7.1※2 ※5 VCS 7.2※9 VxVM 7.2※2 ※5 VCS 7.3.1※9 VxVM 7.3.1※2 ※5 VCS 7.4※9 VxVM 7.4※2 ※5 Solaris 11.4 Oracle Solaris Cluster 4.4 なし SVM VCS 7.4.1※9 VxVM 7.4.1※2 ※5
- 注※1
- 次に示すSVMの機能はサポートしていません。
- マルチオーナーディスクセット(複数所有者ディスクセット)
- ディスクセットのインポート
- ボリュームの自動(トップダウン)作成
- 注※2
- EFIラベルはサポートしていません。
- 注※3
- 次に示すSVMの機能はサポートしていません。
- 1TB以上のディスクの使用
- マルチオーナーディスクセット(複数所有者ディスクセット)
- ディスクセットのインポート
- ボリュームの自動(トップダウン)作成
- 注※4
- Oracle社のHBAドライバ以外(qlc, emlxsドライバ以外)を使用している構成では,HDLMが管理するディスクをSVMの共有ディスクセット機能で使用できません。
- 注※5
- ZFSはサポートしていません。
- 注※6
- Oracle社のHBAドライバ以外(qlc, emlxsドライバ以外)を使用している構成でHDLMが管理するディスクをSVMの共有ディスクセット機能で使用する場合は,Solaris ClusterのデバイスID(/dev/did/dsk下の論理デバイスファイル)を使用してください。SVMの共有ディスクセット機能でHDLMの論理デバイス名を使用できません。
- 注※7
- 2ノード構成の場合,ストレージデバイスのSCSIプロトコル(フェンシングプロトコル)の設定はpathcountだけをサポートします。
- ストレージデバイスのSCSIプロトコルの設定方法は,Solaris Clusterのマニュアルを参照してください。
- 注※8
- 2ノード構成の場合だけサポートします。
- 注※9
- I/Oフェンシング機能をサポートします。ただし,ストレージシステムがHUS100シリーズの場合はサポートしていません。なお,サポートするサービスグループの種類は,フェイルオーバサービスグループだけです。パラレルサービスグループおよびハイブリッドサービスグループは,サポートしていません。
Oracle RAC 11g環境の構築に必要なプログラムを次の表に示します。
表3-7 Oracle RAC 11g環境の構築に必要なプログラム(Solaris 10またはSolaris 11の場合)
構成 プログラム 備考 構成1 OS Solaris 10 - Oracle RAC 11g Oracle 11g Database 11.1.0.6.0 - クラスタ Oracle Clusterware 11.1.0.6.0 - ボリュームマネージャ なし(HDLMのrawデバイスを指定) - 構成2 OS Solaris 10 - Oracle RAC 11g Oracle 11g Database 11.1.0.6.0 - クラスタ Oracle Clusterware 11.1.0.6.0 - ボリュームマネージャ ASM
- ASMはOracle RAC 11gに同梱
- OracleデータベースファイルおよびOracleデータベースのリカバリファイルのディスク記憶域として使用します。Oracle RAC 11gでは,ディスクデバイスとして,HDLMデバイスを通常と同様の手順で使用できます。
手順については,Oracle RAC 11gのマニュアルを参照してください。構成3 OS Solaris 10 - Oracle RAC 11g Oracle 11g Database 11.1.0.6.0 2ノード構成だけサポート クラスタ Oracle Solaris Cluster 3.3およびOracle Clusterware 11.1.0.6.0 ボリュームマネージャ なし(HDLMのrawデバイスを指定) - 構成4 OS Solaris 10 - Oracle RAC 11g Oracle 11g Database 11.1.0.6.0 2ノード構成だけサポート クラスタ Oracle Solaris Cluster 3.3およびOracle Clusterware 11.1.0.6.0 ボリュームマネージャ ASM
- ASMはOracle RAC 11gに同梱
- OracleデータベースファイルおよびOracleデータベースのリカバリファイルのディスク記憶域として使用します。ASMが使用するディスクデバイスは,Solaris ClusterのデバイスIDを指定してください。
手順については,Oracle RAC 11gのマニュアルを参照してください。構成5 OS Solaris 10 - Oracle RAC 11g Oracle 11g Database 11.1.0.7.0 - クラスタ Oracle Clusterware 11.1.0.7.0 - ボリュームマネージャ なし(HDLMのrawデバイスを指定) - 構成6 OS Solaris 10 - Oracle RAC 11g Oracle 11g Database 11.1.0.7.0 - クラスタ Oracle Clusterware 11.1.0.7.0 - ボリュームマネージャ ASM
- ASMはOracle RAC 11gに同梱
- OracleデータベースファイルおよびOracleデータベースのリカバリファイルのディスク記憶域として使用します。Oracle RAC 11gでは,ディスクデバイスとして,HDLMデバイスを通常と同様の手順で使用できます。
手順については,Oracle RAC 11gのマニュアルを参照してください。構成7 OS Solaris 10 - Oracle RAC 11g Oracle 11g Database 11.2.0.1.0 - クラスタ Oracle Grid Infrastructure 11.2.0.1.0 - ボリュームマネージャ ASM
- ASMはOracle Grid Infrastructureに同梱
- OracleデータベースファイルおよびOracleデータベースのリカバリファイルのディスク記憶域として使用します。Oracle RAC 11gでは,ディスクデバイスとして,HDLMデバイスを通常と同様の手順で使用できます。
手順については,Oracle RAC 11gのマニュアルを参照してください。構成8 OS Solaris 10 - Oracle RAC 11g Oracle 11g Database 11.2.0.2.0 2ノード構成だけサポート クラスタ Oracle Grid Infrastructure 11.2.0.2.0 ボリュームマネージャ ASM
- ASMはOracle Grid Infrastructureに同梱
- OracleデータベースファイルおよびOracleデータベースのリカバリファイルのディスク記憶域として使用します。Oracle RAC 11gでは,ディスクデバイスとして,HDLMデバイスを通常と同様の手順で使用できます。
手順については,Oracle RAC 11gのマニュアルを参照してください。構成9 OS Solaris 10 - Oracle RAC 11g Oracle 11g Database 11.2.0.3.0 2ノード構成だけサポート クラスタ Oracle Solaris Cluster 3.3およびOracle Grid Infrastructure 11.2.0.3.0 ボリュームマネージャ ASM
- ASMはOracle Grid Infrastructureに同梱
- OracleデータベースファイルおよびOracleデータベースのリカバリファイルのディスク記憶域として使用します。Oracle RAC 11gでは,ディスクデバイスとして,HDLMデバイスを通常と同様の手順で使用できます。
手順については,Oracle RAC 11gのマニュアルを参照してください。構成10 OS Solaris 11 - Oracle RAC 11g Oracle 11g Database 11.2.0.3.0 2ノード構成だけサポート クラスタ Oracle Grid Infrastructure 11.2.0.3.0 ボリュームマネージャ ASM
- ASMはOracle Grid Infrastructureに同梱
- OracleデータベースファイルおよびOracleデータベースのリカバリファイルのディスク記憶域として使用します。Oracle RAC 11gでは,ディスクデバイスとして,HDLMデバイスを通常と同様の手順で使用できます。
手順については,Oracle RAC 11gのマニュアルを参照してください。構成11 OS Solaris 11 - Oracle RAC 11g Oracle 11g Database 11.2.0.3.0 2ノード構成だけサポート クラスタ Oracle Solaris Cluster 4.0およびOracle Grid Infrastructure 11.2.0.3.0 ボリュームマネージャ ASM
- ASMはOracle Grid Infrastructureに同梱
- OracleデータベースファイルおよびOracleデータベースのリカバリファイルのディスク記憶域として使用します。Oracle RAC 11gでは,ディスクデバイスとして,HDLMデバイスを通常と同様の手順で使用できます。
手順については,Oracle RAC 11gのマニュアルを参照してください。構成12 OS Solaris 10 - Oracle RAC 11g Oracle 11g Database 11.2.0.4.0 2ノード構成だけサポート クラスタ Oracle Grid Infrastructure 11.2.0.4.0 ボリュームマネージャ ASM
- ASMはOracle Grid Infrastructureに同梱
- OracleデータベースファイルおよびOracleデータベースのリカバリファイルのディスク記憶域として使用します。Oracle RAC 11gでは,ディスクデバイスとして,HDLMデバイスを通常と同様の手順で使用できます。
手順については,Oracle RAC 11gのマニュアルを参照してください。構成13 OS Solaris 11 - Oracle RAC 11g Oracle 11g Database 11.2.0.4.0 2ノード構成だけサポート クラスタ Oracle Grid Infrastructure 11.2.0.4.0 ボリュームマネージャ ASM
- ASMはOracle Grid Infrastructureに同梱
- OracleデータベースファイルおよびOracleデータベースのリカバリファイルのディスク記憶域として使用します。Oracle RAC 11gでは,ディスクデバイスとして,HDLMデバイスを通常と同様の手順で使用できます。
手順については,Oracle RAC 11gのマニュアルを参照してください。
- ホストとOracle RAC 11gの投票ディスク(Voting Disk)を複数のパスで接続しているとき,それらのパスの一部でI/Oタイムアウトが発生すると,通常のパスと同様にHDLMはフェイルオーバ処理を実行します。ただし,Oracle RAC 11gの設定状態によっては,HDLMのフェイルオーバ処理が完了する前にOracle RAC 11g側でノード障害が発生したと見なし,クラスタを再構成してしまうおそれがあります。
したがって,Oracle RAC 11gの投票ディスクの接続先をHDLMデバイスとする場合,ストレージシステムの種別や運用条件に応じて,「MISSCOUNT」と「DISKTIMEOUT」の値を変更してください。
- ストレージに対する可用性を優先する場合
- 「MISSCOUNT」には,ハートビートが認識できないと判定されるまでの最大許容時間を指定します。また,「DISKTIMEOUT」には,投票ディスクへのディスクI/Oが実行できないと判定されるまでの最大許容時間を指定します。設定する値は,次に示す「表3-8 「MISSCOUNT」の計算式」および「表3-9 「DISKTIMEOUT」の計算式」に従って計算し,算出した値以上に変更してください。可用性を考慮した場合,パス数が多くなればなるほど「MISSCOUNT」および「DISKTIMEOUT」に指定する値が大きくなり,Oracle RACの再構成開始までの時間も長くなります。
なお,次の「MISSCOUNT」および「DISKTIMEOUT」の計算式で示すパス数は,「MISSCOUNT」および「DISKTIMEOUT」を設定するホストから投票ディスクに接続しているパスの数です。設定対象のホストから投票ディスクに2パス接続している場合,パス数は2となります。
- Oracle RACでの再構成開始までの時間を優先する場合
- Oracle RACの再構成開始までの時間を短くすることを優先する場合,再構成開始までの最大時間から「MISSCOUNT」および「DISKTIMEOUT」の値を決定してください。この場合「MISSCOUNT」および「DISKTIMEOUT」の値が計算式より小さくなることがありますが,HDLMの動作に影響はありません。ただし,タイムアウトなど検知に時間を必要とするエラーが発生すると,「MISSCOUNT」および「DISKTIMEOUT」の値がOnlineパスへフェイルオーバが完了するまでの時間よりも小さくなり,フェイルオーバが可能であるにもかかわらず,Oracle RACの再構成が開始される可能性が高くなります。
ストレージシステム種別 「MISSCOUNT」に設定する値の計算式
- Virtual Storage Platformシリーズ
- VSP 5000シリーズ
- VSP G1000シリーズ
- VSP G1500
- VSP F1500
- VSP Eシリーズ
- VSP Gx00モデル
- VSP Fx00モデル
- HUS VM
投票ディスクへ接続するパスの数×60秒
- HUS100シリーズ
投票ディスクへ接続するパスの数×30秒
ストレージシステム種別 投票ディスクへ接続するパスの数 「DISKTIMEOUT」に設定する値の計算式
- Virtual Storage Platformシリーズ
- VSP 5000シリーズ
- VSP G1000シリーズ
- VSP G1500
- VSP F1500
- VSP Eシリーズ
- VSP Gx00モデル
- VSP Fx00モデル
- HUS VM
3以下 「DISKTIMEOUT」の値を変更する必要はありません。 4以上 投票ディスクへ接続するパスの数×60秒
- HUS100シリーズ
6以下 「DISKTIMEOUT」の値を変更する必要はありません。 7以上 投票ディスクへ接続するパスの数×30秒 なお,上記の構成からHDLMをアンインストールする場合,変更した「MISSCOUNT」や「DISKTIMEOUT」の設定値を元の値に戻す必要があるため,変更する前のそれぞれの設定値を控えておいてください。
- 注
- 「MISSCOUNT」と「DISKTIMEOUT」の関係が「MISSCOUNT」≧「DISKTIMEOUT」となる場合,Oracleの仕様によってエラーとなる場合があります。この場合,「MISSCOUNT」の値の変更に加え,「DISKTIMEOUT」の値を「MISSCOUNT」+1するなど「MISSCOUNT」よりも大きな値になるように設定してください。
- 詳細については,Oracleサポートサービスを契約した会社へお問い合わせください。
- Oracle RAC 11gでは,次に示すデバイスはノード間でデバイス名が一致している必要があります。
これらのデバイスとしてHDLM rawデバイスを指定する構成で,HDLM rawデバイス名がノード間で一致していない場合は,次に示す手順でHDLM rawデバイスの別名デバイスファイルを各ノードで作成し,作成した別名デバイスファイルをOracle RAC 11gに設定してください。
- ASMディスクグループ作成時に使用するASMディスク
- Oracle RAC 11gが使用するHDLM rawデバイスのメジャー番号とマイナー番号を,次のコマンドを各ノードで実行して確認してください。
# ls -lL HDLM rawデバイスファイル
実行例
# ls -lL /dev/rdsk/c10t50060E8005271760d5s0
crw-r----- 1 root sys 307, 1608 date/time /dev/rdsk/c10t50060E8005271760d5s0
#
この例では,メジャー番号が307,マイナー番号が1608です。- 別名デバイスファイルを,次のコマンドを各ノードで実行して作成してください。1つのディスクスライスに対応する別名デバイスファイルは,すべてのノードで同一の名称にしてください。
# mknod /dev/別名デバイスファイル c メジャー番号 マイナー番号実行例
- 注意事項
- 別名デバイスファイルは,Solarisや他社のドライバが/devディレクトリ下に作成するデバイスファイル名と重複しない名称にしてください。
# mknod /dev/crs_ocr1 c 307 1608 #この例では,メジャー番号が307,マイナー番号が1608のRAC用のデバイスファイルを作成しています。- 作成した別名デバイスファイルに対して,所有者,グループ,およびアクセス権モードを次のコマンドで設定してください。設定する所有者,グループ,およびアクセス権モードは,そのデバイスに対するOracle RAC 11gの使用目的によって異なります。この点については,Oracleマニュアルを参照してください。
# chmod モード /dev/別名デバイスファイル
# chown 所有者:グループ /dev/別名デバイスファイル
実行例
# chmod 640 /dev/crs_ocr1
# chown root:oinstall /dev/crs_ocr1
#- 作成した別名デバイスファイルに対して次のコマンドを実行し,メジャー番号,マイナー番号,所有者,グループ,およびアクセス権モードが正しく設定されていることを確認してください。
# ls -l /dev/別名デバイスファイル
実行例
# ls -l /dev/crs_ocr1
crw-r----- 1 root oinstall 307, 1608 date/time /dev/crs_ocr1
#
Oracle RAC 12c環境の構築に必要なプログラムを次の表に示します。
表3-10 Oracle RAC 12c環境の構築に必要なプログラム(Solaris 11の場合)
構成 プログラム 備考 構成1 OS Solaris 11 - Oracle RAC 12c Oracle 12c Database 12.1.0.2 2ノード構成だけサポート クラスタ Oracle Grid Infrastructure 12.1.0.2 ボリュームマネージャ ASM
- ASMはOracle RAC 12cに同梱
- OracleデータベースファイルおよびOracleデータベースのリカバリファイルのディスク記憶域として使用します。Oracle RAC 12cでは,ディスクデバイスとして,HDLMデバイスを通常と同様の手順で使用できます。
手順については,Oracle RAC 12cのマニュアルを参照してください。
- ホストとOracle RAC 12cの投票ディスク(Voting Disk)を複数のパスで接続しているとき,それらのパスの一部でI/Oタイムアウトが発生すると,通常のパスと同様にHDLMはフェイルオーバ処理を実行します。ただし,Oracle RAC 12cの設定状態によっては,HDLMのフェイルオーバ処理が完了する前にOracle RAC 12c側でノード障害が発生したと見なし,クラスタを再構成してしまうおそれがあります。
したがって,Oracle RAC 12cの投票ディスクの接続先をHDLMデバイスとする場合,ストレージシステムの種別や運用条件に応じて,「MISSCOUNT」と「DISKTIMEOUT」の値を変更してください。
- ストレージに対する可用性を優先する場合
- 「MISSCOUNT」には,ハートビートが認識できないと判定されるまでの最大許容時間を指定します。また,「DISKTIMEOUT」には,投票ディスクへのディスクI/Oが実行できないと判定されるまでの最大許容時間を指定します。設定する値は,次に示す「表3-11 「MISSCOUNT」の計算式」および「表3-12 「DISKTIMEOUT」の計算式」に従って計算し,算出した値以上に変更してください。可用性を考慮した場合,パス数が多くなればなるほど「MISSCOUNT」および「DISKTIMEOUT」に指定する値が大きくなり,Oracle RACの再構成開始までの時間も長くなります。
なお,次の「MISSCOUNT」および「DISKTIMEOUT」の計算式で示すパス数は,「MISSCOUNT」および「DISKTIMEOUT」を設定するホストから投票ディスクに接続しているパスの数です。設定対象のホストから投票ディスクに2パス接続している場合,パス数は2となります。
- Oracle RACでの再構成開始までの時間を優先する場合
- Oracle RACの再構成開始までの時間を短くすることを優先する場合,再構成開始までの最大時間から「MISSCOUNT」および「DISKTIMEOUT」の値を決定してください。この場合「MISSCOUNT」および「DISKTIMEOUT」の値が計算式より小さくなることがありますが,HDLMの動作に影響はありません。ただし,タイムアウトなど検知に時間を必要とするエラーが発生すると,「MISSCOUNT」および「DISKTIMEOUT」の値がOnlineパスへフェイルオーバが完了するまでの時間よりも小さくなり,フェイルオーバが可能であるにもかかわらず,Oracle RACの再構成が開始される可能性が高くなります。
ストレージシステム種別 「MISSCOUNT」に設定する値の計算式
- Virtual Storage Platformシリーズ
- VSP 5000シリーズ
- VSP G1000シリーズ
- VSP G1500
- VSP F1500
- VSP Eシリーズ
- VSP Gx00モデル
- VSP Fx00モデル
- HUS VM
投票ディスクへ接続するパスの数×60秒
- HUS100シリーズ
投票ディスクへ接続するパスの数×30秒
ストレージシステム種別 投票ディスクへ接続するパスの数 「DISKTIMEOUT」に設定する値の計算式
- Virtual Storage Platformシリーズ
- VSP 5000シリーズ
- VSP G1000シリーズ
- VSP G1500
- VSP F1500
- VSP Eシリーズ
- VSP Gx00モデル
- VSP Fx00モデル
- HUS VM
3以下 「DISKTIMEOUT」の値を変更する必要はありません。 4以上 投票ディスクへ接続するパスの数×60秒
- HUS100シリーズ
6以下 「DISKTIMEOUT」の値を変更する必要はありません。 7以上 投票ディスクへ接続するパスの数×30秒 なお,上記の構成からHDLMをアンインストールする場合,変更した「MISSCOUNT」や「DISKTIMEOUT」の設定値を元の値に戻す必要があるため,変更する前のそれぞれの設定値を控えておいてください。
- 注
- 「MISSCOUNT」と「DISKTIMEOUT」の関係が「MISSCOUNT」≧「DISKTIMEOUT」となる場合,Oracleの仕様によってエラーとなる場合があります。この場合,「MISSCOUNT」の値の変更に加え,「DISKTIMEOUT」の値を「MISSCOUNT」+1するなど「MISSCOUNT」よりも大きな値になるように設定してください。
- 詳細については,Oracleサポートサービスを契約した会社へお問い合わせください。
- Oracle RAC 12cでは,次に示すデバイスはノード間でデバイス名が一致している必要があります。
これらのデバイスとしてHDLM rawデバイスを指定する構成で,HDLM rawデバイス名がノード間で一致していない場合は,次に示す手順でHDLM rawデバイスの別名デバイスファイルを各ノードで作成し,作成した別名デバイスファイルをOracle RAC 12cに設定してください。
- ASMディスクグループ作成時に使用するASMディスク
- Oracle RAC 12cが使用するHDLM rawデバイスのメジャー番号とマイナー番号を,次のコマンドを各ノードで実行して確認してください。
# ls -lL HDLM rawデバイスファイル
実行例
# ls -lL /dev/rdsk/c10t50060E8005271760d5s0
crw-r----- 1 root sys 307, 1608 date/time /dev/rdsk/c10t50060E8005271760d5s0
#
この例では,メジャー番号が307,マイナー番号が1608です。- 別名デバイスファイルを,次のコマンドを各ノードで実行して作成してください。1つのディスクスライスに対応する別名デバイスファイルは,すべてのノードで同一の名称にしてください。
# mknod /dev/別名デバイスファイル c メジャー番号 マイナー番号実行例
- 注意事項
- 別名デバイスファイルは,Solarisや他社のドライバが/devディレクトリ下に作成するデバイスファイル名と重複しない名称にしてください。
# mknod /dev/crs_ocr1 c 307 1608 #この例では,メジャー番号が307,マイナー番号が1608のRAC用のデバイスファイルを作成しています。- 作成した別名デバイスファイルに対して,所有者,グループ,およびアクセス権モードを次のコマンドで設定してください。設定する所有者,グループ,およびアクセス権モードは,そのデバイスに対するOracle RAC 12cの使用目的によって異なります。この点については,Oracleマニュアルを参照してください。
# chmod モード /dev/別名デバイスファイル
# chown 所有者:グループ /dev/別名デバイスファイル
実行例
# chmod 640 /dev/crs_ocr1
# chown root:oinstall /dev/crs_ocr1
#- 作成した別名デバイスファイルに対して次のコマンドを実行し,メジャー番号,マイナー番号,所有者,グループ,およびアクセス権モードが正しく設定されていることを確認してください。
# ls -l /dev/別名デバイスファイル
実行例
# ls -l /dev/crs_ocr1
crw-r----- 1 root oinstall 307, 1608 date/time /dev/crs_ocr1
#
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