Hitachi Dynamic Link Manager ユーザーズガイド(Linux®用)

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4.2.2 Red Hat Enterprise Linux 6,Red Hat Enterprise Linux 7またはRed Hat Enterprise Linux 8の場合

Red Hat Enterprise Linux 6,Red Hat Enterprise Linux 7またはRed Hat Enterprise Linux 8の場合は,HDLMをインストールした状態で,カーネルパッケージの更新またはOSのアップデートパッケージの適用ができます。

注※
HDLMをインストールした状態でバージョンアップできるカーネルバージョンの組み合わせの場合が対象です。「表4-3 HDLMをインストールした状態でバージョンアップ可能なRed Hat Enterprise Linux 7のカーネルバージョンの組み合わせ」の「」が該当します。
表4-3 HDLMをインストールした状態でバージョンアップ可能なRed Hat Enterprise Linux 7のカーネルバージョンの組み合わせ」で「×」の組み合わせの場合は,「4.2.1 Oracle Unbreakable Enterprise Kernel,Oracle Linux 6,Oracle Linux 7,Oracle Linux 8,またはSUSE LINUX Enterprise Serverの場合」の手順に従ってください。
retpoline方式非対応のカーネルからretpoline方式対応のカーネルへバージョンアップする場合は「4.2 カーネルパッケージの更新またはOSのアップデートパッケージの適用」の注意事項の手順に従ってください。
この項の構成
(1) HDLMデバイスをブートディスクとして使用していない場合
(2) HDLMデバイス,またはHDLMデバイス上の論理ボリューム(LVM2)をブートディスクとして使用している場合

(1) HDLMデバイスをブートディスクとして使用していない場合

HDLMデバイスをブートディスクとして使用していない場合,カーネルパッケージを更新またはOSのアップデートパッケージを適用する手順を,次に説明します。

  1. カーネルパッケージを更新,またはOSのアップデートパッケージを適用します。
  2. システムスクリプト更新ユティリティ(dlmupdatesysinit)を実行します。
    dlmupdatesysinitユティリティの詳細については,「7.11 dlmupdatesysinit システムスクリプト更新ユティリティ」を参照してください。
  3. ホストを再起動します。

(2) HDLMデバイス,またはHDLMデバイス上の論理ボリューム(LVM2)をブートディスクとして使用している場合

HDLMデバイス,またはHDLMデバイス上の論理ボリューム(LVM2)をブートディスクとして使用している場合,カーネルパッケージを更新またはOSのアップデートパッケージを適用する手順を,次に説明します。

  1. Linuxに,root権限を持つユーザでログインします。
  2. /etc/opt/DynamicLinkManager/hdlm.confに定義されている「hdlm_dracut」の記述を確認します。
    hdlm_dracut=y」であること確認してください。
    hdlm_dracut=n」の場合は,「hdlm_dracut=y」に変更します。
  3. カーネルパッケージを更新,またはOS のアップデートパッケージを適用します。
  4. ブートローダの設定を変更します。
    手順はOSとHDLMのインストール環境によって異なります。
    • Red Hat Enterprise Linux 6の場合
      HDLMデバイスをブートディスクとして使用しているRed Hat Enterprise Linux 6の場合は,手順6から手順9を実行します。
      HDLMデバイス上の論理ボリューム(LVM2)をブートディスクとして使用しているRed Hat Enterprise Linux 6の場合は,手順6から手順8を実行します。
    • Red Hat Enterprise Linux 7またはRed Hat Enterprise Linux 8の場合
      HDLMデバイスをブートディスクとして使用しているRed Hat Enterprise Linux 7またはRed Hat Enterprise Linux 8の場合は,手順5を実行します。
      HDLMデバイス上の論理ボリューム(LVM2)をブートディスクとして使用しているRed Hat Enterprise Linux 7またはRed Hat Enterprise Linux 8の場合は,手順10に進んでください。
  5. HDLMデバイスをブートディスクとして使用している場合は,grub2-mkconfigコマンドを使ってgrub.cfgを作り直します。grub.cfgを作り直したあとは,手順10に進んでください。
    # /sbin/grub2-mkconfig -o /boot/grub2/grub.cfg
  6. 手順3で作成された初期RAMディスクイメージファイルのファイル名をmvコマンドでHDLM用に変更します。
    コマンドの実行例を次に示します。
    # /bin/mv /boot/initramfs-2.6.32-131.0.15.el6.i686.img
    /boot/initramfs-hdlm-2.6.32-131.0.15.el6.i686.img
     
  7. ブートローダの設定ファイルに記載されている設定の名前を変更します。
    手順3でブートローダの設定ファイルに追加された設定の名前を変更してください。
    HDLMデバイス指定用だとわかるような名前を任意に付けます。
    次の下線部を変更します。
    変更前
    title Red Hat Enterprise Linux (2.6.32-131.0.15.el6)
    変更後
    title HDLM-Red Hat Enterprise Linux (2.6.32-131.0.15.el6)
  8. 手順6でファイル名を変更した初期RAMディスクイメージファイルをブートローダの設定ファイルに記載されているinitrdに指定します。
    手順3で追加された設定のinitrdの指定を変更してください。
    また,ユーザ環境に応じた任意指定のオプションが設定されている場合,オプションを削除しないように注意してください。
  9. HDLMデバイスをブートディスクとして使用している場合は,ブートローダの設定ファイルに記載されているrootの指定を編集します。
    設定例を次に示します。
    次の手順を実行して,rootにルートデバイスのUUIDを指定します。

    1. mountコマンドを実行して,ルートパーティション「/」にマウントされたデバイス名を確認します。
      コマンドの実行例を次に示します。
       
      # mount
      /dev/sddlmaa2 on / type ext4 (rw)
      proc on /proc type proc (rw)
           :
           :
       
      下線部のデバイス名を確認してください。
    2. blkidコマンドを指定して,a.で確認したデバイスのUUIDを確認します。
      コマンドの実行例を次に示します。
       
      # blkid /dev/sddlmaa2
      /dev/sddlmaa2: UUID="19597725-5d20-4d1d-9906-f9f891b7711a" TYPE="ext4"
       
    3. 手順3でブートローダの設定ファイルに追加された設定のrootの指定を,b.で確認したUUIDに変更します。
      変更前
      root=/dev/sddlmaa2
      変更後
      root=UUID=19597725-5d20-4d1d-9906-f9f891b7711a
  10. システムスクリプト更新ユティリティ(dlmupdatesysinit)を実行します。
    dlmupdatesysinitユティリティの詳細については,「7.11 dlmupdatesysinit システムスクリプト更新ユティリティ」を参照してください。
  11. ホストを再起動します。
  12. mountコマンドを実行して,HDLMデバイスがマウントされていることを確認します。
    ブートローダとしてGRUBを使用している場合の実行例を次に示します。
     
    # mount
    /dev/sddlmaa2 on / type ext4 (rw)
                  :
                  :
    /dev/sddlmaa1 on /boot type ext4 (rw)
    /dev/sddlmaa4 on /tmp type ext4 (rw)
    /dev/sddlmaa5 on /var type ext4 (rw)
    /dev/sddlmaa6 on /usr type ext4 (rw)
    none on /dev/shm type tmpfs (rw)
     
    下線部を確認してください。
  13. HDLMデバイスをブートディスクとして使用している場合は,swapパーティションにHDLMデバイスが割り当てられていることを確認します。
    /proc/swapsファイルを参照して,Filename列の部分にHDLMデバイス名が表示されていることを確認してください。
  14. HDLMデバイス上の論理ボリューム(LVM2)をブートディスクとして使用している場合は,ボリュームグループの情報を更新します。

    1. 次に示すコマンドを実行して,ボリュームグループの情報を更新します。
       
      # vgscan
        Reading all physical volumes.  This may take a while...
        Found volume group "VolGroup00" using metadata type lvm2
        
    2. ボリュームグループとHDLMデバイスの関係を確認します。
      次に示すコマンドを実行して,ボリュームグループを構成する物理ボリュームがHDLMデバイスであることを確認します。
       
      # vgdisplay -v