Hitachi

 Hitachi Dynamic Link Manager ユーザーズガイド(AIX用)


4.5.7 HDLMデバイス名を変更しない再構成

HDLMの管理対象ディスクを変更する場合や,ディスクの削除(rmdev),追加(cfgmgr)などで,物理ボリュームの構成を変更する場合に,HDLMドライバの再構成(dlmrmdevdlmcfgmgr)で,物理ボリューム(hdiskn)とHDLMデバイスの論理デバイスファイル(dlmfdrvn)の対応が変わる場合があります。次の手順で物理ボリュームと論理デバイスファイルの対応を変えないで,HDLMデバイスを再構成できます。

次に,HDLMデバイス名を変更せずに再構成する手順を説明します。

〈この項の構成〉

(1) dlmfdrv.confファイルを使用して再構成する場合

dlmfdrv.confファイルを使用する場合は,HDLMデバイス名が0から連続して登録されているときに,HDLMデバイス名を変更しないで再構成できます。

  1. パス情報を確認します。

    # /usr/DynamicLinkManager/bin/dlnkmgr view -path
    # /usr/DynamicLinkManager/bin/dlnkmgr view -drv
  2. 1で確認したパス情報のhdisk名をdlmfdrv.confファイルに記述します。

    HDLMデバイス構成時には,新たなLDEV番号のパスを構成するたびにdlmfdrv0,dlmfdrv1dlmfdrv2のようにデバイス名称の順番で構成されます。dlmfdrv.confファイルが作成されている場合,このファイルの記述順にパスが構成されます。このため,dlmfdrv.confファイルには,dlmfdrv0として構成したいLDEV番号のhdisk名,dlmfdrv1として構成したいLDEV番号のhdisk名というように順番に記述します。次に例を示します。

    表4‒5 LUの2パス構成の場合の例

    構成したいHDLMデバイス名

    LDEV

    hdisk

    dlmfdrv0

    VSP_G1000.10182.00280A

    hdisk4

    hdisk8

    dlmfdrv1

    VSP_G1000.10182.00280B

    hdisk2

    hdisk6

    dlmfdrv2

    VSP_G1000.10182.00280C

    hdisk1

    hdisk5

    dlmfdrv3

    VSP_G1000.10182.00280D

    hdisk3

    hdisk7

    dlmfdrv.confファイルに,次のように記述します。

    hdisk4
    hdisk8
    hdisk2
    hdisk6
    hdisk1
    hdisk5
    hdisk3
    hdisk7
  3. HDLMデバイスを一度削除します。

     # /usr/DynamicLinkManager/bin/dlmrmdev 

    KAPL09012-Iメッセージが表示されることを確認してください。

  4. HDLMデバイスを構成します。

     # /usr/DynamicLinkManager/bin/dlmcfgmgr 
  5. パス情報を確認します。

    # /usr/DynamicLinkManager/bin/dlnkmgr view -path
    # /usr/DynamicLinkManager/bin/dlnkmgr view -drv
  6. dlmfdrv.confファイルが不要な場合は,dlmfdrv.confファイルを削除します。

    今後も物理ボリューム(hdiskn)とHDLMデバイスの論理デバイスファイル(dlmfdrvn)の対応を変えない場合には,削除しなくてもかまいません。その場合は,HDLM管理下のLUを追加するとき,対象の物理ボリューム(hdiskn)をdlmfdrv.confファイルに追記してください。

(2) HDLMデバイス名移行支援ユティリティ(dlmmigdrv)を使用して再構成する場合

dlmmigdrvユティリティを使用する場合は,物理ボリュームとHDLMデバイスのLUとの対応関係が変更されていないときに,HDLMデバイス名を変更しないで再構成できます。

  1. dlmmigdrvユティリティを使用して現在のHDLMデバイスと物理ボリューム名の関係をデバイス名定義ファイルに出力します。

    • HDLMのデバイス名を引き継ぐ場合

       # /usr/DynamicLinkManager/bin/dlmmigdrv -b /tmp/hdlm_defdrvfile 
    • HDLMのデバイス名とデバイスの属性値を引き継ぐ場合

       # /usr/DynamicLinkManager/bin/dlmmigdrv -b /tmp/hdlm_defdrvfile -a 

    KAPL12701-Iメッセージが表示されることを確認してください。

  2. HDLMデバイスを一度削除します。

     # /usr/DynamicLinkManager/bin/dlmrmdev 

    KAPL09012-Iメッセージが表示されることを確認してください。

  3. 手順1で作成したデバイス名定義ファイルから,dlmmigdrvユティリティを使用してHDLMデバイスと物理ボリューム名の関係を引き継いでHDLMデバイスを定義済み状態で構成します。

    • HDLMのデバイス名を引き継ぐ場合

       # /usr/DynamicLinkManager/bin/dlmmigdrv -r /tmp/hdlm_defdrvfile 
    • HDLMのデバイス名とデバイスの属性値を引き継ぐ場合

       # /usr/DynamicLinkManager/bin/dlmmigdrv -r /tmp/hdlm_defdrvfile -a 

    KAPL12716-Iメッセージから,処理がエラーになったパスがないことを確認してください。

  4. HDLMデバイスを構成します。

     # /usr/DynamicLinkManager/bin/dlmcfgmgr 
  5. パス情報を確認します。

    # /usr/DynamicLinkManager/bin/dlnkmgr view -path
    # /usr/DynamicLinkManager/bin/dlnkmgr view -drv