Hitachi

 Hitachi Dynamic Link Manager ユーザーズガイド(AIX用)


4.5.2 OSのアップグレード時の設定

ここでは,OSをアップグレードする場合,およびカーネルモードを変更する場合の手順を説明します。Technology Level,Maintenance Level,またはService Packのアップグレードの場合は,HDLMとして必要な手順はありません。

〈この項の構成〉

(1) OSのアップグレード時の設定

OSをアップグレードする場合の手順を次に示します。

次に示すdlmrmdev -Aユティリティを実行すると,手順3から手順6を省略できます。

 # /usr/DynamicLinkManager/bin/dlmrmdev -A 
  1. AIXに,root権限を持つユーザでログインします。

  2. HDLMの管理対象パスを使用しているプロセス,およびサービスをすべて停止します。

    DBMSなどの,各種アプリケーションのプロセスおよびサービスが,HDLMの管理対象パスを使用している場合,それらをすべて停止します。

  3. 次に示すコマンドを実行して,HDLMで使用しているファイルシステムをアンマウントします。

     # umount ファイルシステムのマウントポイント 
  4. 次に示すコマンドを実行して,活動化状態のボリュームグループをすべて表示させます。

     # lsvg -o 
  5. 表示されたボリュームグループから,HDLMで使用しているボリュームグループを非活動化します。

     # /usr/DynamicLinkManager/bin/dlmvaryoffvg ボリュームグループ名 
  6. 次に示すコマンドを実行して,動作中のカーネルからHDLMデバイス,およびHDLMアラートドライバの論理デバイスファイルを削除し,HDLMマネージャを停止します。

     # /usr/DynamicLinkManager/bin/dlmrmdev 

    KAPL09012-Iのメッセージが表示された場合は,問題ありません。

    KAPL09012-Iのメッセージが表示されない場合,HDLMデバイスまたはHDLMアラートドライバの論理デバイスファイルが削除されていないか,HDLMマネージャが停止していません。KAPL09012-Iのメッセージが表示されなかった場合は,HDLM の管理対象パスを使用しているプロセス,サービス,ファイルシステム,およびボリュームグループがないことを確認してから,上記のコマンドを再実行してください。

  7. 次に示すコマンドを実行して,変更するOSバージョンの環境にHDLMを対応させます。

    AIX V7.2では,この手順は不要です。

     # /usr/DynamicLinkManager/bin/dlmchenv -v OSモード 

    指定できるOSモードと,OSモードに対応するOSのバージョンとカーネルモードを次の表に示します。

    表4‒3 OSモード

    OSモード

    OSのバージョンとカーネルモード

    9

    AIX V7.1(64ビット版)

  8. OSをバージョンアップします。

    ホストが再起動され,HDLMデバイスが構成されます。

(2) カーネルモード変更時の設定

カーネルモードを変更する場合の手順を次に示します。

次に示すdlmrmdev -Aユティリティを実行すると,手順3から手順6を省略できます。

 # /usr/DynamicLinkManager/bin/dlmrmdev -A 
  1. AIXに,root権限を持つユーザでログインします。

  2. HDLMの管理対象パスを使用しているプロセス,およびサービスをすべて停止します。

    DBMSなどの,各種アプリケーションのプロセスおよびサービスが,HDLMの管理対象パスを使用している場合,それらをすべて停止します。

  3. 次に示すコマンドを実行して,HDLMで使用しているファイルシステムをアンマウントします。

     # umount ファイルシステムのマウントポイント 
  4. 次に示すコマンドを実行して,活動化状態のボリュームグループをすべて表示させます。

     # lsvg -o 
  5. 表示されたボリュームグループから,HDLMで使用しているボリュームグループを非活動化します。

     # /usr/DynamicLinkManager/bin/dlmvaryoffvg ボリュームグループ名 
  6. 次に示すコマンドを実行して,動作中のカーネルからHDLMデバイス,およびHDLMアラートドライバの論理デバイスファイルを削除し,HDLMマネージャを停止します。

     # /usr/DynamicLinkManager/bin/dlmrmdev 

    KAPL09012-Iのメッセージが表示された場合は,問題ありません。

    KAPL09012-Iのメッセージが表示されない場合,HDLMデバイスまたはHDLMアラートドライバの論理デバイスファイルが削除されていないか,HDLMマネージャが停止していません。KAPL09012-Iのメッセージが表示されなかった場合は,HDLM の管理対象パスを使用しているプロセス,サービス,ファイルシステム,およびボリュームグループがないことを確認してから,上記のコマンドを再実行してください。

  7. 次に示すコマンドを実行して,変更するカーネルモードの環境にHDLMを対応させます。

    AIX V7.2では,この手順は不要です。

     # /usr/DynamicLinkManager/bin/dlmchenv -l -v OSモード 

    指定できるOSモードと,OSモードに対応するOSのバージョンとカーネルモードを次の表に示します。

    表4‒4 OSモード

    OSモード

    OSのバージョンとカーネルモード

    9

    AIX V7.1(64ビット版)

  8. カーネルモードを変更します。

  9. ホストを再起動します。

    HDLMデバイスが構成されます。