Hitachi

 Hitachi Dynamic Link Manager ユーザーズガイド(AIX用)


4.1.8 HDLMデバイスを構成するときの注意事項

cfgmgrやHDLM構成管理ユティリティ(dlmcfgmgr)を実行してHDLMデバイスを構成する場合の注意事項を説明します。

〈この項の構成〉

(1) 副ボリュームのPVIDの変更

cfgmgrdlmcfgmgrユティリティを実行してHDLMデバイスを構成する場合,対応する物理ボリュームのPVIDが異なっている必要があります。

ShadowImage機能などによって,ストレージシステム側でボリュームのコピーを作成した場合,対応するホスト側の物理ボリュームが同一のPVIDで作成されることがあります。この状態でHDLMデバイスを構成すると,エラーが発生することがあります。このときは,副ボリュームに対応する物理ボリュームのPVIDを変更してからHDLMデバイスを構成してください。

副ボリュームに対応する物理ボリュームのPVIDを変更する手順を次に示します。

  1. 次のコマンドを実行して,ボリュームグループを非活動化します。

    複数のホストで共有するボリュームグループ(以降,共有ボリュームグループと略します)が対象の場合,それを共有するすべてのホストで共有ボリュームグループを非活動化してください。

     # varyoffvg ボリュームグループ名 
  2. PVIDを変更します。

    LUを共有する場合は,共有するホストのうちの1つで次の操作を行ってください。

    • ボリュームグループがない場合

      どれか1つの物理ボリュームに対して,次の手順を実行してください。

      1.次のコマンドを実行して,現在のPVIDの値を控えてください。

      # lspv | grep hdiskn

      2.次のコマンドを実行して,PVIDを変更してください。

      # chdev -l hdiskn -a pv=clear
      # chdev -l hdiskn -a pv=yes

      3.次のコマンドを実行して,PVIDの値が変更されたことを確認してください。

      # lspv | grep hdiskn

      注※

      1で控えたPVIDから変わっていない場合は,再度2から実行してください。

      上記の手順を実行した物理ボリューム以外のすべての物理ボリュームに対して,次のコマンドを実行してください。

      # chdev -l hdiskn -a pv=yes
    • ボリュームグループがある場合,または複数のLUを使用してボリュームグループを作成している場合

      次のコマンドを実行してください。複数のLUを使用してボリュームグループを作成している場合は,各LUに対して次のコマンドを実行してください。

      # exportvg ボリュームグループ名
      # recreatevg -y ボリュームグループ名 …
      # varyoffvg ボリュームグループ名
      # chdev -l hdiskn -a pv=yes(ボリュームグループのすべての物理ボリュームに対して実行)
  3. LUを共有する場合は,手順2でPVIDを変更したホスト以外の共有するすべてのホストで,次の操作を行います。

    • 共有ボリュームグループがない場合

      次のコマンドを実行してください。

      # chdev -l hdiskn -a pv=yes(副ボリュームに対応するすべての物理ボリュームに対して実行)
    • 共有ボリュームグループがある場合

      次のコマンドを実行してください。

      # exportvg 共有ボリュームグループ名
      # chdev -l hdiskn -a pv=yes(共有ボリュームグループに対応するすべての物理ボリュームに対して実行)
      # importvg 共有ボリュームグループ名
      # varyoffvg 共有ボリュームグループ名

(2) 異なるボリューム(ディスク)のPVIDが同一になった状態でHDLMデバイスを構成した場合

異なるボリュームに対応する物理ボリュームのPVIDが同一になった状態でHDLMデバイスを構成した場合, dlmrecreatevgコマンドの実行時にエラーになることがあります。このときは,次の手順でPVIDを変更してください。

  1. 次のコマンドを実行して,ボリュームグループを非活動化します。

    共有ボリュームグループが対象の場合,それを共有するすべてのホストで共有ボリュームグループを非活動化してください。

     # /usr/DynamicLinkManager/bin/dlmvaryoffvg ボリュームグループ名 
  2. PVIDを変更します。

    LUを共有する場合は,共有するホストのうちの1つで,次の操作を行ってください。

    • ボリュームグループがない場合

      副ボリュームに対応するHDLMデバイスに対して,次の手順を実行してください。

      1.次のコマンドを実行して,現在のPVIDの値を控えてください。

      # lspv | grep 副ボリュームのdlmfdrvn

      2.次のコマンドを実行して,PVIDを変更してください。

      # chdev -l 副ボリュームのdlmfdrvn -a pv=clear
      # chdev -l 副ボリュームのdlmfdrvn -a pv=yes

      3.次のコマンドを実行して,PVIDの値が変更されたことを確認してください。

      # lspv | grep 副ボリュームのdlmfdrvn

      注※

      1で控えたPVIDから変わっていない場合は,再度2から実行してください。

    • 副ボリュームにボリュームグループがある場合,または複数のLUを使用してボリュームグループを作成している場合

      次のコマンドを実行してください,複数のLUを使用してボリュームグループを作成している場合は,各LUに対して次のコマンドを実行してください。

      # /usr/DynamicLinkManager/bin/dlmexportvg 副ボリュームのボリュームグループ名
      # /usr/DynamicLinkManager/bin/dlmrecreatevg -y 副ボリュームのボリュームグループ名 ...
      # /usr/DynamicLinkManager/bin/dlmvaryoffvg 副ボリュームのボリュームグループ名
  3. LUを共有する場合,手順2でPVIDを変更したホスト以外の共有するすべてのホストで,次の操作を行います。

    • 共有ボリュームグループがない場合

      副ボリュームのHDLMデバイスに対して,次のコマンドを実行してください。複数のLUを使用してボリュームグループを作成している場合は,各LUに対して次のコマンドを実行してください。

      # chdev -l 副ボリュームのdlmfdrvn -a pv=yes
    • 副ボリュームに共有ボリュームグループがある場合

      次のコマンドを実行してください。

      # /usr/DynamicLinkManager/bin/dlmexportvg 副ボリュームの共有ボリュームグループ名
      # /usr/DynamicLinkManager/bin/dlmimportvg 副ボリュームの共有ボリュームグループ名
      # /usr/DynamicLinkManager/bin/dlmvaryoffvg 副ボリュームの共有ボリュームグループ名