Hitachi

 Hitachi Dynamic Link Manager ユーザーズガイド(AIX用)


3.5.3 JP1/NETM/DMを使用してHDLMをリモートインストールする場合の準備

JP1/NETM/DMを使用すると,分散している複数のホストに,一括してHDLMをリモートインストールできます。ここでは,HDLMをリモートインストールする場合の準備として,JP1/NETM/DMを使用したHDLMのパッケージング,HDLMの配布指令の作成,およびHDLMの配布指令の登録について説明します。HDLMの配布指令の実行(インストール)については,「3.5.4 HDLMの新規インストール」および「3.5.6 HDLMのアップグレードまたは再インストール」の手順に含めて説明します。

ここでは,操作対象のマシンのOSがAIXの場合について説明します。

HDLMはインストール先のホストにPUSH型でインストールされます。PULL型ではインストールできません。

HDLMをクラスタ構成で使用する場合は,クラスタを構成するすべてのホストで次に示す操作を行ってください。

〈この項の構成〉

(1) リモートインストールの流れ

次の図に示す流れに従って,HDLMをリモートインストールしてください。

図3‒3 リモートインストールの流れ
[図データ]

(2) 前提条件

JP1/NETM/DMを使用してHDLMをリモートインストールするための条件を示します。

  • プログラム

    HDLMをリモートインストールする環境を構築するためには,次の製品が必要です。

    • JP1/NETM/DM Manager(UNIX版06-73以降,Windows版07-00以降)

      配布管理システムに必要です。配布管理システムとは,ソフトウェアを配布先システムにインストールし,インストール状況やインストール先の状態を管理するシステムです。

    • JP1/NETM/DM Client(07-00以降)

      資源登録システム,およびHDLMをインストールするすべてのホストに必要です。資源登録システムとは,ソフトウェアを配布管理システムへ登録するシステムです。

    JP1/NETM/DM Managerの詳細については,マニュアル「JP1/NETM/DM Manager」を参照してください。JP1/NETM/DM Clientの詳細については,マニュアル「JP1/NETM/DM Client(UNIX(R)用)」を参照してください。

  • システム構成

    JP1/NETM/DMを使用してHDLMをリモートインストールする場合のシステム構成を次の図に示します。

    図3‒4 JP1/NETM/DMを使用してHDLMをリモートインストールする場合のシステム構成
    [図データ]

まず,資源登録システムから配布管理システムにHDLMを登録(パッケージング)します。次に配布管理システムで,HDLMのインストール先などを指定した配布指令を作成して実行管理ファイルに登録します。配布指令を実行すると,HDLMが配布先システムにインストールされます。

配布指令を実行すると,配布先システムには展開前のHDLMが一時的に格納されます(HDLMのDVD-ROMに格納されている)。配布先システムのHDLMの一時的な格納場所には,十分な空き容量を確保してください。

(3) HDLMのパッケージング

資源登録システムから配布管理システムへHDLMを登録します。この操作は,資源登録システムで実行します。

  1. 資源登録システムにログインします。

  2. HDLMのDVD-ROMをセットします。

    DVD-ROMをセットすると,自動的にマウントされます。

  3. HDLMの製品名称やインストールに関する情報を設定した登録ファイル,および配布先システムで実行されるインストーラ実行シェルスクリプトを作成します。

    登録ファイルとインストーラ実行シェルスクリプトを,編集しないでそのまま使用することをお勧めします。

    登録ファイルとインストーラ実行シェルスクリプトの名称および格納場所を次の表に示します。

    表3‒10 登録ファイルとインストーラ実行シェルスクリプトの名称および格納場所

    ファイルの種類

    ファイル名

    格納場所

    登録ファイル

    HDLM_regfile

    DVD-ROMのマウントポイント/HDLM_AIX2/netmdm_sample/sample_sh

    インストーラ実行シェルスクリプト

    install.sh

    登録ファイルの内容を次に示します。「xxxx」の部分には,登録ファイルに設定したバージョンが表示されます。

    網掛けの部分は変更できます。システムの構成や運用方法に合わせて,必要に応じて変更してください。変更する場合,網掛けの「/var/tmp/」の部分は,すべて同じパスにしてください。

    [図データ]

    インストーラ実行シェルスクリプトの内容を次に示します。

    網掛けの部分は変更できます。システムの構成や運用方法に合わせて,必要に応じて変更してください。変更する場合,網掛けの「/var/tmp/」の部分は,登録ファイルの網掛けの「/var/tmp/」の部分と同じパスにしてください。

    [図データ]

  4. 次に示すコマンドを実行して,配布管理システムへHDLMを登録します。

    [図データ]

(4) HDLMの配布指令の作成および登録

HDLMの配布指令を作成および登録します。この操作は配布管理システムで実行します。コマンド例の「xxxx」の部分には,登録ファイルに設定したバージョンが表示されます。

  1. 配布管理システムにログインします。

  2. 次に示すコマンドを実行して,登録されているパッケージの一覧を表示し,HDLMのパッケージ名を確認します。

     # rdsdmrsc -c 

    コマンドの実行例を次に示します。この例は,HDLMのDVD-ROMに格納されている登録ファイルを使用して,HDLMを登録した場合の例です。網掛けの部分がHDLMのパッケージ名です。

    [図データ]

  3. 次に示すコマンドを実行して,配布指令を登録します。

     # rdsdmind -d -a 配布先ホスト名 -s HDLMのパッケージ名 

    HDLMのパッケージ名には,手順2で表示されたHDLMのパッケージ名を指定します。

    コマンドの実行例を次に示します。網掛けの部分がHDLMのパッケージ名です。

    [図データ]

    ライセンスキーファイルの配布と,配布管理システムからの配布指令の実行は,「3.5.4 HDLMの新規インストール」および「3.5.6 HDLMのアップグレードまたは再インストール」で説明しているインストール手順に含まれています。手順に従って操作を進めてください。