Hitachi Dynamic Link Manager EX ユーザーズガイド(AIX用)

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2.7.3 パスの状態遷移

2.7 パス切り替えによるフェイルオーバとフェイルバック」で説明した稼働状態と閉塞状態は,さらにそれぞれ2つの状態に分けられます。4つの状態を,稼働状態に含まれるものと閉塞状態に含まれるものとに分けて説明します。

この項の構成
(1) 稼働状態
(2) 閉塞状態
(3) OSとHDLMが表示するパスの状態の対応
(4) パスの状態遷移

(1) 稼働状態

稼働状態に含まれるものを次に示します。

(2) 閉塞状態

閉塞状態に含まれるものを次に示します。

(3) OSとHDLMが表示するパスの状態の対応

AIXコマンドのlspathなどを実行すると表示されるパスの状態と,HDLMコマンドのviewオペレーションを実行すると表示されるパスの状態の対応を次の表に示します。

表2-5 OSとHDLMが表示するパスの状態の対応

AIXコマンドが表示するパスの状態 HDLMが表示するパスの状態
使用可能 OnlineまたはOnline(E)のどちらか
使用不可 Offline(C)
障害または失敗 Offline(E)

注※
表示内容についてはOSバージョンに依存します。

(4) パスの状態遷移

パスの状態遷移を次の図に示します。

図2-9 パスの状態遷移

[図]

(凡例)
オンライン操作:HDLMコマンドのonlineオペレーションの実行
オフライン操作:HDLMコマンドのofflineオペレーションの実行

注※1
同じLUにアクセスするほかのパスの中に,OnlineまたはOffline(E)のパスがない場合です。

注※2
次の場合も,LUにI/Oが連続して発行され,I/Oが成功すると,Online(E)からOnlineに遷移します。
  • 自動フェイルバック機能が無効の場合。
  • 自動フェイルバック機能が有効で,間欠障害と見なされたパスの場合。

注※3
Online(E)またはOffline(E)のパスがあるhdiskにAIXコマンドのchdevを実行した場合,パスは削除されます。削除されたパスを復元するには,障害の原因を取り除いてからAIXコマンドのmkdev -l hdisk名またはcfgmgrコマンドを実行してください。

注※4
同じLUにアクセスするほかのパスの中に,OnlineまたはOffline(E)のパスがある場合です。

注※5
Online(E)になるのは,Offline(E)のパスのうち1つだけです。

注※6
同じLUにアクセスするほかのパスの中に,Offline(E)のパスがある場合です。
間欠障害と見なされたパスは,遷移しません。

注※7
パスの状態が遷移する契機は,障害が発生しているパスにI/Oが発行された時です。

注※8
パスの状態が遷移する契機は,障害が発生しているパスにI/Oが発行された時,またはパスヘルスチェックによってHDLMがパス障害を検知した時です。パスヘルスチェックについては,「2.9 パスヘルスチェックによる障害検出」を参照してください。

各LUに対する最後の稼働状態のパスは,offlineオペレーションでは閉塞状態にできません。これは,LUにアクセスできなくなることを防ぐためです。offlineオペレーションについては,「6.4 offline パスを閉塞状態にする」を参照してください。

1つのLUにアクセスするパスの中に,Onlineのパスがなくなった場合,パスの1つがOnline(E)になります。自動フェイルバック機能を使用している場合,パスが障害から回復すると,Online(E)のパスは自動的にOnlineになります。ただし,間欠障害を監視している場合,間欠障害と見なされたパスは,自動フェイルバック機能ではOnlineになりません。この場合,パスを手動でOnlineにしてください。

注意事項
HDLMコマンドを使用してパスのオフライン操作を行った直後にパスに障害が発生すると,一度Offline(C)となった状態がOffline(E)に遷移する場合があります。オフライン操作を実行した場合は,一定時間(2分程度)待ってから再度HDLMコマンドを使用してパスの状態を確認し,Offline(C)になっていることを確認してください。Offline(E)になっている場合は,再度オフライン操作を実行してください。