指定した既存のデプロイテンプレートをひな形にして,新しいデプロイテンプレートを作成します。 ひな形となる既存のデプロイテンプレートを,ベーステンプレートと呼びます。
DpmCreateTemplateコマンドでは,ベーステンプレートのホスト名やネットワーク設定をカスタマイズして新しいデプロイテンプレートを作成できます。
カスタマイズできるWindows用デプロイテンプレート,およびLinux用デプロイテンプレートの設定項目を表に示します。表中の分類欄はGUIのデプロイテンプレート作成ウィザードの各画面に対応する分類です。説明欄に記載のあるコマンドのパラメーターについては「パラメーター」を参照してください。
Windows用デプロイテンプレートの項目のカスタマイズ可否は次のとおりです。
分類 | 項目 | カスタマイズ可否 | 説明 |
---|---|---|---|
基本情報 | 名前 | ○ | templateNameパラメーターで指定する。 |
説明 | × | 設定しない。 | |
OS設定 | OS名 | × | ベーステンプレートから引き継ぐ。 |
ホスト名 | ○ | hostNameパラメーターで指定する。 | |
ドメインアカウント | × | ベーステンプレートから引き継ぐ。 | |
ドメインパスワード | × | ベーステンプレートから引き継ぐ。 | |
ワークグループ | × | ベーステンプレートから引き継ぐ。 | |
プロダクトキー | ○ | productKeyパラメーターで指定する。 | |
タイムゾーン | × | ベーステンプレートから引き継ぐ。 | |
言語設定 | × | ベーステンプレートから引き継ぐ。 | |
ユーザー名 | × | ベーステンプレートから引き継ぐ。 | |
会社名 | × | ベーステンプレートから引き継ぐ。 | |
管理者パスワード | × | ベーステンプレートから引き継ぐ。 | |
ネットワーク設定 | MACアドレス | ○ | macAddrパラメーターで指定する。 |
IPアドレス | ○ | ipAddrパラメーターで指定する。 | |
サブネットマスク | ○ | subnetパラメーターで指定する。 | |
デフォルトゲートウェイ | ○ | gatewayパラメーターで指定する。 | |
メトリック | ○ | metricパラメーターで指定する。 | |
DNS | ○ | dnsServerパラメーターで指定する。 | |
WINS | ○ | winsServerパラメーターで指定する。 |
Linux用デプロイテンプレートの項目のカスタマイズ可否は次のとおりです。
分類 | 項目 | カスタマイズ可否 | 説明 |
---|---|---|---|
基本情報 | 名前 | ○ | templateNameパラメーターで指定する。 |
説明 | × | 設定しない。 | |
OS設定 | ホスト名 | ○ | hostNameパラメーターでeth0のホスト名として指定した値が自動的に設定される。 |
プライマリDNS | ○ | primaryDnsServerパラメーターで指定する。 | |
セカンダリDNS1 | ○ | secondaryDnsServer1パラメーターで指定する。 | |
セカンダリDNS2 | ○ | secondaryDnsServer2パラメーターで指定する。 | |
タイムゾーン | × | ベーステンプレートから引き継ぐ。 | |
ネットワーク設定 | MACアドレス | ○ | macAddrパラメーターで指定する。 |
IPアドレス | ○ | ipAddrパラメーターで指定する。 | |
サブネットマスク | ○ | subnetパラメーターで指定する。 | |
デフォルトゲートウェイ | ○ | gatewayパラメーターで指定する。 | |
デバイス名 | ○ | interfaceNameパラメーターで指定する。 | |
ホスト名 | ○ | hostNameパラメーターで指定する。 |
GUIのLinux用のデプロイテンプレート作成ウィザードには,[OS設定]と[ネットワーク設定]の両方に[ホスト名]ボックスがあり,[OS設定]で指定したホスト名が[ネットワーク設定]でデバイス名に「eth0」を指定したデバイスのホスト名に自動的に引き継がれます。CLIでは,「eth0」のホスト名として指定したhostNameパラメーターの値が「OS設定」のホスト名に設定されます。
構文
Windows用デプロイテンプレート作成時のコマンド形式は次のとおりです。
csm {DpmCreateTemplate | dpmcreatetemplate} osType=Windows
templateName=<新規テンプレート名> baseTemplateName=<ベーステンプレート名>
hostName=<ホスト名> productKey=<Windowsプロダクトキー>
macAddr=<MACアドレス1>[,<MACアドレス2>, ... ,<MACアドレス4>]
ipAddr=<IPアドレス1>[,<IPアドレス2>, ... ,<IPアドレス4>]
subnet=<サブネットマスク1>[,<サブネットマスク2>, ... ,<サブネットマスク4>]
gateway=<デフォルトゲートウェイ1>[,<デフォルトゲートウェイ2>, ... ,<デフォルトゲートウェイ4>]
metric=<ゲートウェイメトリック1>[,<ゲートウェイメトリック2>, ... ,<ゲートウェイメトリック4>]
dnsServer=<DNSサーバアドレス1>[,<DNSサーバアドレス2>, ... ,<DNSサーバアドレス4>]
winsServer=<WINSサーバアドレス1>[,<WINSサーバアドレス2>, ... ,<WINSサーバアドレス4>]
パラメーターmacAddr,ipAddr,subnet,gateway,metric,dnsServer,winsServerは コンマ区切りで最大4つまで指定できます。それぞれのパラメーターの個数は一致させてください。 また,各パラメーターは指定した順番に組み合わされるため, その組み合わせに矛盾がないように注意して指定してください。
Linux用デプロイテンプレート作成時のコマンド形式は次のとおりです。
csm {DpmCreateTemplate | dpmcreatetemplate} osType=Linux
templateName=<新規テンプレート名> baseTemplateName=<ベーステンプレート名>
primaryDnsServer=<プライマリDNSサーバアドレス>
secondaryDnsServer1=<セカンダリDNSサーバアドレス1>
secondaryDnsServer2=<セカンダリDNSサーバアドレス2>
macAddr=<MACアドレス1>[,<MACアドレス2>, ... ,<MACアドレス7>]
ipAddr=<IPアドレス1>[,<IPアドレス2>, ... ,<IPアドレス7>]
subnet=<サブネットマスク1>[,<サブネットマスク2>, ... ,<サブネットマスク7>]
gateway=<デフォルトゲートウェイ1>[,<デフォルトゲートウェイ2>, ... ,<デフォルトゲートウェイ7>]
interfaceName=<インターフェース名1>[,<インターフェース名2>, ... ,<インターフェース名7>]
hostName=<ホスト名1>[,<ホスト名2>, ... ,<ホスト名7>]
パラメーターmacAddr,ipAddr,subnet,gateway,interfaceName,hostNameはコンマ区切りで最大7つまで指定できます。それぞれのパラメーターの個数は一致させてください。 また,各パラメーターは指定した順番に組み合わされるため, その組み合わせに矛盾がないように注意して指定してください。 Linux用デプロイテンプレートではホスト名はIPネットワークインターフェースごとに指定します。
パラメーター
Windows用デプロイテンプレート作成時,およびLinux用デプロイテンプレート作成時に共通して指定するコマンドのパラメーターの詳細を次に示します。
パラメーター | 説明 |
---|---|
osType | 作成するデプロイテンプレートのOS種別を指定します。
|
templateName | 作成するデプロイテンプレート名を指定します。 次に示す文字が使用できます。
指定できる文字列長はUTF-8でエンコードした文字列のバイト数で128バイト以内です。 |
baseTemplateName | ベーステンプレート名を指定します。 |
Windows用テンプレート作成時に指定するコマンドのパラメーターの詳細を次に示します。
パラメーター | 説明 |
---|---|
hostName | ホスト名を指定します。 半角スペースと次の文字は使用できません 。 . , ` ~ ! @ # $ & * % = + { } ¥ | ; : ' " < > / ? [ ] ^ ( ) 数字だけで記述されたホスト名は指定できません。 ホスト名にマルチバイト文字を使用できます。 指定できる文字列長はUTF-8でエンコードした文字列のバイト数で15バイト以内です。 ホスト名は半角英数字と半角ハイフンだけで指定することを推奨します。 |
productKey | Windowsのプロダクトキーを指定します。プロダクトキーの値は<XXXXX-XXXXX-XXXXX-XXXXX-XXXXX >の形式で指定してください。Xは1桁の半角英数字です。 |
macAddr | ネットワークインターフェースデバイスのMACアドレスを指定します。MACアドレスの値は<XX:XX:XX:XX:XX:XX>の形式で指定してください。XXは2桁の16進数です。 MACアドレスを明示的に指定する必要がない場合はautoを指定してください。 |
ipAddr | macAddrで指定したネットワークインターフェースデバイスに割り当てるIPv4アドレスをゼロサプレス形式で指定します。 IPアドレスを自動取得する場合はautoを指定してください。 |
subnet | macAddrとipAddrで指定したIPネットワークインターフェースに割り当てるサブネットマスクをゼロサプレス形式のIPv4アドレスで指定します。 ipAddrにautoを指定した場合は,subnetにもautoを指定してください。 それ以外の値が指定された場合にはその値は無視され,autoとして解釈されます。 |
gateway | macAddrとipAddrで指定したIPネットワークインターフェースに割り当てるデフォルトゲートウェイをゼロサプレス形式のIPv4アドレスで指定します。 IPネットワークインターフェースにデフォルトゲートウェイを設定しない場合はnoneを指定してください。 ipAddrにautoを指定した場合は,gatewayにもautoを指定してください。 それ以外の値が指定された場合にはその値は無視され,autoとして解釈されます。 |
metric | gatewayで指定したデフォルトゲートウェイに設定するゲートウェイメトリック値を指定します。1から9,999の範囲の整数で指定してください。 gatewayにauto,またはnoneを指定した場合は,metricにもauto,noneを指定してください。 それ以外の値が指定された場合にはその値は無視され,autoまたはnoneとして解釈されます。 |
dnsServer | macAddrとipAddrで指定したIPネットワークインターフェースで使用するDNSサーバのIPv4アドレスをゼロサプレス形式で指定します。 DNSサーバを自動取得する場合はautoを指定してください。 |
winsServer | macAddrとipAddrで指定したIPネットワークインターフェースで使用するWINSサーバのIPv4アドレスをゼロサプレス形式で指定します。 WINSサーバを自動取得する場合はautoを指定してください。 |
Linux用テンプレート作成時に指定するコマンドのパラメーターの詳細を次に示します。
パラメーター | 説明 |
---|---|
primaryDnsServer | プライマリDNSサーバのIPv4アドレスをゼロサプレス形式で指定します。 プライマリDNSサーバを設定しない場合はnoneを指定してください。 |
secondaryDnsServer1 | セカンダリDNSサーバ1のIPv4アドレスをゼロサプレス形式で指定します。 セカンダリDNSサーバ1を設定しない場合はnoneを指定してください。 |
secondaryDnsServer2 | セカンダリDNSサーバ2のIPv4アドレスをゼロサプレス形式で指定します。 セカンダリDNSサーバ2を設定しない場合はnoneを指定してください。 |
macAddr | ネットワークインターフェースデバイスのMACアドレスを指定します。MACアドレスの値は<XX:XX:XX:XX:XX:XX>の形式で指定してください。XXは2桁の16進数です。 MACアドレスを明示的に指定する必要がない場合はautoを指定してください。 |
ipAddr | macAddrで指定したネットワークインターフェースデバイスに割り当てるIPv4アドレスをゼロサプレス形式で指定します。 IPアドレスを自動取得する場合はautoを指定してください。 |
subnet | macAddrとipAddrで指定したIPネットワークインターフェースに割り当てるサブネットマスクをゼロサプレス形式のIPv4アドレスで指定します。 ipAddrに autoを指定した場合は,subnetにもautoを指定してください。 それ以外の値が指定された場合にはその値は無視され,autoとして解釈されます。 |
gateway | macAddrとipAddrで指定したIPネットワークインターフェースに割り当てるデフォルトゲートウェイをゼロサプレス形式のIPv4アドレスで指定します。 インターフェースにデフォルトゲートウェイを設定しない場合はnoneを指定してください。 ipAddrにautoを指定した場合は,gatewayにもautoを指定してください。 それ以外の値が指定された場合にはその値は無視され,autoとして解釈されます。 |
interfaceName | macAddrとipAddrで指定したIPネットワークインターフェースの,イーサネットインターフェース名を指定します。 Compute Systems Managerでは次のイーサネットインターフェース名をサポートします。 eth0, eth1, eth2, eth3, eth4, eth5, eth6 eth0は必ず指定してください。 イーサネットインターフェース名は重複して使用できません。 |
hostName | macAddrとipAddrで指定したIPネットワークインターフェースのホスト名を指定します。 IPネットワークインターフェースごとに個別のホスト名を指定できますが,個別のホスト名が不要な場合はeth0と同じホスト名を指定してください。 半角スペースと次の文字は使用できません 。 ¥ / : , ; * ? " < > ' | [ ] @ 数字だけで記述されたホスト名は指定できません。 マルチバイト文字は使用できません。 255バイト以内で指定してください。 |
事前に完了しておく操作
例
DpmCreateTemplateコマンドでWindows用のデプロイテンプレートを作成する例を次に示します。
Client1>csm DpmCreateTemplate osType=Windows templateName=WindowsTemplate1225 baseTemplateName=Windows2012BaseTemplate hostName=FOO productKey=12345-12345-12345-12345-12345 macAddr=00:00:87:1A:2B:3C,00:00:87:4A:5B:6C ipAddr=172.16.0.51,192.168.0.51 subnet=255.240.0.0,255.255.255.0 gateway=172.16.0.1,none metric=20,none dnsServer=172.16.0.100,auto winsServer=auto,auto
Done.
この例では,次に示す設定内容でWindows用のデプロイテンプレートを作成します。
上記以外の設定はベーステンプレートの設定を引き継ぎます。
DpmCreateTemplateコマンドでLinux用のデプロイテンプレートを作成する例を次に示します。
Client1>csm DpmCreateTemplate osType=Linux templateName= LinuxTemplate1225 baseTemplateName=RHEL6BaseTemplate primaryDnsServer=172.16.0.101 secondaryDnsServer1=172.16.0.102 secondaryDnsServer2=none macAddr=00:00:87:1A:2B:3C,00:00:87:4A:5B:6C,00:00:87:7A:8B:9C ipAddr=172.16.0.51,192.168.0.51,auto subnet=255.240.0.0,255.255.255.0,auto gateway=172.16.0.1,192.168.0.1,auto interfaceName=eth0,eth1,eth2 hostName=FOO,BAR,BAZ
Done.
この例では,次に示す設定内容でLinux用のデプロイテンプレートを作成します。
上記以外の設定はベーステンプレートの設定を引き継ぎます。
戻り値
値 | 意味 |
---|---|
0 | デプロイテンプレートの作成に成功した。 |
1 | デプロイテンプレートの作成に失敗した。 |
関連コマンド