6.2.2　PDF暗号化分割出力する

ここでは，帳票を指定したページ数で分割して暗号化PDF形式ファイルで出力する方法（PDF暗号化分割出力）について説明します。

なお，帳票をPDF暗号化分割出力するには，EUR Server Standard，またはEUR Server Enterpriseが必要です。

〈この項の構成〉

(1)　出力の流れ

帳票をPDF暗号化分割出力する流れを次の図に示します。

図6‒5　帳票をPDF暗号化分割出力する流れ

出力要求

帳票の出力要求が業務プログラムに送られます。
転送

EUR Server - Adapterは，ユーザデータファイルを帳票サーバのEUR Server Serviceに転送します。
印刷データ生成

転送されたユーザデータファイルと，あらかじめ帳票サーバに配置しておいた印刷定義ファイルから，印刷データ（暗号化PDF形式ファイル）が生成されます。

また，印刷データは，EUR Server Adapterの起動部品で指定した分割ページ数で分割されて生成されます。

なお，暗号化PDF形式ファイルを生成する場合は，EUR Server - Cipher optionが必要です。
印刷データ転送

業務アプリケーションの機能を使って，印刷データ（暗号化PDF形式ファイル）をEUR Server Service稼働マシンからEUR Server - Adapter稼働マシンに転送します。

EUR Server - Adapterの起動部品で分割結果ファイルの設定をしている場合は，暗号化PDF形式ファイルを分割した情報が分割結果ファイルに出力されます。
出力

アプリケーションサーバからクライアントPCに印刷データ（暗号化PDF形式ファイル）をダウンロードすることで，クライアントPCのAdobe Readerを使用してプリンタに出力したり，プレビューしたりできます。

■注意: 暗号化PDF形式ファイルを分割して出力する場合，暗号化PDF形式ファイルはEUR Server Service稼働マシンに出力されます。出力先のフォルダは，EUR Print Serviceの環境変数（EURPS_OUTPUTPATH）の設定に依存します。EUR Print Serviceの環境変数（EURPS_OUTPUTPATH）については，マニュアル「EUR 帳票出力リファレンス EUR Server編」を参照してください。

PDF暗号化分割出力で使用するファイルの概要について説明します。各ファイルの指定内容の詳細については，マニュアル「EUR 帳票出力リファレンス EUR Server編」を参照してください。

PDF形式ファイルを暗号化するセキュリティ属性を指定します。暗号化設定ファイルに指定する項目を次に示します。

なお，ユーザパスワードとオーナパスワードには，暗号化したパスワードも指定できます。パスワードの暗号化については，「4.1.2(3)　パスワードの暗号化」を参照してください。

■PDF形式ファイルを暗号化分割出力する場合の指定例

分割したファイルに，次の設定をするときの指定例です。

暗号化設定ファイル（cipher.txt）の定義内容

OwnerPassword=OWNER
DisablePrint=Yes

PDF暗号化分割出力で分割出力したファイルを開こうとすると，パスワードの入力を求められます。

また，ファイルを開くと，［文書のセキュリティ］ダイアログには次のように表示されます。

ユーザパスワード：はい

オーナパスワード：はい

印刷　　　　　　：許可しない

なお，お使いのAdobe Readerのバージョンによっては，表示内容が異なる場合があります。

暗号化設定ファイルの指定内容の詳細については，マニュアル「EUR 帳票出力リファレンス EUR Server編」を参照してください。

PDF暗号化分割出力で使用する起動部品の設定は，PDF分割出力で使用する起動部品の設定と同じです。PDF分割出力で使用する起動部品の設定については，「6.2.1(2)　起動部品の設定」を参照してください。

分割結果ファイルについては，「6.2.1(3)　分割結果ファイル」を参照してください。