6.1.2 PDF暗号化仕分け出力する
ここでは,帳票をPDF暗号化仕分け出力する方法について説明します。帳票をPDF暗号化仕分け出力するには,EUR Server Standard,またはEUR Server Enterpriseに加えて,EUR Server - Cipher optionが必要です。
- 〈この項の構成〉
(1) 出力の流れ
帳票をPDF暗号化仕分け出力する流れを次の図に示します。
-
出力要求
帳票の出力要求が業務プログラムに送られます。
-
転送
EUR Server - Adapterは,ユーザデータファイルを帳票サーバのEUR Server Serviceに転送します。
-
印刷データ生成
転送されたユーザデータファイルと,あらかじめ帳票サーバに配置しておいた印刷定義ファイルなどの定義ファイルから,印刷データ(暗号化PDF形式ファイル)が生成されます。
この図では,"既存顧客"と"見込み顧客"というキーワードによって帳票が仕分けされ,印刷データが生成されます。
-
印刷データ転送
業務アプリケーションの機能を使って,印刷データ(暗号化PDF形式ファイル)をEUR Server Service稼働マシンからEUR Server - Adapter稼働マシンに転送します。
-
出力
アプリケーションサーバからクライアントPCに印刷データ(暗号化PDF形式ファイル)をダウンロードすることで,クライアントPCのAdobe Readerを使用して帳票をプリンタに出力したり,プレビューしたりできます。
(2) 出力で使用するファイル
PDF暗号化仕分け出力で使用するファイルの概要について説明します。各ファイルの指定内容の詳細については,マニュアル「EUR 帳票出力 リファレンス EUR Server編」を参照してください。また,暗号化出力したPDF形式ファイルを開いたときの動作については,「4.1.2(2) 暗号化出力したPDF形式ファイルの動作」を参照してください。
(a) PDF仕分け定義ファイル
PDF形式ファイルを仕分けするときのキーワードや出力先ファイル名などを指定します。また,仕分けしたPDF形式ファイルを閲覧するためのパスワード(ユーザパスワード)を指定します。暗号化したパスワードも指定できます。パスワードの暗号化については,「4.1.2(3) パスワードの暗号化」を参照してください。
(b) 暗号化設定ファイル
PDF形式ファイルを暗号化するセキュリティ属性を指定します。暗号化設定ファイルに指定する項目を次に示します。
-
ユーザパスワード(PDF形式ファイルを閲覧するためのパスワード)
-
オーナパスワード(セキュリティ属性を変更するパスワード)
-
印刷
-
文書の変更
-
内容のコピー,または抽出
-
注釈とフォームフィールドの作成
なお,ユーザパスワードとオーナパスワードには,暗号化したパスワードも指定できます。パスワードの暗号化については,「4.1.2(3) パスワードの暗号化」を参照してください。
- ■PDF形式ファイルを暗号化仕分け出力する場合の指定例
-
仕分けしたファイルに,次の設定をするときの指定例です。
-
PDF形式ファイルを閲覧するとき,パスワードの入力を求めます。
-
PDF形式ファイルの印刷を禁止します。
- 暗号化設定ファイル(cipher.txt)の定義内容
OwnerPassword=OWNER DisablePrint=Yes
- PDF仕分け定義ファイル(shiwake.csv)の定義内容
KEYFIELD,1,氏名番号 DATA,00000001.pdf,00000001,TARO DATA,00000002.pdf,00000002,HANAKO
- マッピングデータファイル(shikyuu.csv)の内容
所属,氏名番号,氏名,支給額 勤労課,00000001,日立太郎,250000 勤労課,00000002,日立花子,200000
「00000001.pdf」には「勤労課 日立太郎 250,000円」が出力され,「00000002.pdf」には「勤労課 日立花子 200,000円」が出力されます。
どちらも,ファイルを開こうとすると,パスワードの入力を求められます。
また,ファイルを開くと,[文書のセキュリティ]ダイアログには次のように表示されます。
ユーザパスワード:はい
オーナパスワード:はい
印刷 :許可しない
なお,お使いのAdobe Readerのバージョンによっては,表示内容が異なる場合があります。
-
暗号化設定ファイルの指定内容の詳細については,マニュアル「EUR 帳票出力 リファレンス EUR Server編」を参照してください。