5.7.1 複数様式情報定義ファイルの編集
複数様式情報定義ファイルは,メモ帳など,テキストファイルが編集できるエディタを起動して編集します。任意の拡張子のファイルを使用できます。
複数様式情報定義ファイルに指定するキーワードとオプションは,大文字,小文字の区別をしません。
複数様式情報定義ファイルの形式を次に示します。
group 様式グループ番号 { 〔grouptransfercondition { …様式グループ遷移条件 transfercondition={KBNF|EOFN} 〔fieldname="フィールド名"〕 }〕 〔formtransfercondition { …様式間遷移条件 keybreaktopform={ON|OFF} 〔fieldname="フィールド名"〕 }〕 〔formfilename "帳票ファイル名" { …様式遷移情報 transfercondition={NPNF|KBNF|EOFN} printnewpaper={ON|OFF} resetpagenumber={ON|OFF} 〔traycode=給紙トレイ番号〕 }〕 〔subgroup サブ様式グループ番号 { …サブ様式グループ grouptransfercondition { transfercondition=KBNF fieldname="フィールド名" } 〔formtransfercondition { keybreaktopform={ON|OFF} 〔fieldname="フィールド名"〕 }〕 formfilename "帳票ファイル名" { transfercondition={NPNF|KBNF} printnewpaper={ON|OFF} resetpagenumber={ON|OFF} 〔traycode=給紙トレイ番号〕 } }〕 } :
複数様式情報定義ファイルで指定するキーワードは,次のとおりです。
キーワード |
説明 |
キーワードの省略可否 |
---|---|---|
group |
グルーピングした出力様式(様式グループ)を識別する番号を指定します。 |
× |
grouptransfercondition |
グループごとに様式を切り替える条件(様式グループ遷移条件)を指定します。 |
○ |
formtransfercondition |
フィールドごとに様式を切り替える条件(様式間遷移条件)を指定します。 |
○ |
formfilename |
様式遷移情報を指定します。 ここでは,様式を切り替える条件,両面印刷時の白紙挿入の条件,ページ番号の指定方法などを設定します。 |
○ |
subgroup |
サブ様式グループを識別する番号を指定します。 |
○ |
- 重要
-
-
サブ様式グループは,先頭の様式グループには指定できません。先頭の様式グループに指定してもエラーにはなりませんが,正しく帳票出力できません。
-
様式グループまたはサブ様式グループの先頭に定義した様式の帳票は,必ず出力されるように指定してください。様式グループ,またはサブ様式グループの先頭に定義した様式の帳票が出力されない場合,帳票は正しく出力されません。
-
- 〈この項の構成〉
(1) group
様式グループを識別する番号を指定します。
様式グループは,次に示すように,読み込むデータファイルごとに作成します。
サンプル「保険申込書」のように,一つのデータファイルを3様式で共有していても,様式ごとに1レコードのデータを読み込む場合は,様式グループは三つになります。
(2) grouptransfercondition
様式グループを切り替える条件(様式グループ遷移条件)を指定します。grouptransferconditionは,指定を省略できます。
- ■grouptransferconditionの形式
-
〔grouptransfercondition {
transfercondition={KBNF|EOFN}
〔fieldname="フィールド名"〕
}〕
- ■キーワードtransferconditionの構文
-
transfercondition={KBNF|EOFN}
- KBNF | EOFN
-
様式グループを次の様式グループに切り替える条件を指定します。
サブ様式グループを切り替える場合は,KBNFを指定します。
-
KBNF
キーブレイクのタイミングで次の様式グループに切り替えます。KBNFを指定した場合は,キーワードfieldnameで,キーブレイクするフィールド名を指定してください。
KBNFを指定する場合は,様式グループのformfilenameに指定する帳票を設計するときに,フィールド名とフィールド属性が同じになるように指定してください。
-
EOFN
様式グループのformfilenameに指定されているすべての帳票ファイルを印刷したあと,次の様式グループに切り替えます。
-
図5‒7 transferconditionの値による様式グループ切り分けタイミングの違い - ■キーワードfieldnameの構文
-
fieldname="フィールド名"
- フィールド名
-
キーブレイクの対象となるフィールド名を「"」で囲んで指定します。
キーワードtransferconditionにKBNFを指定した場合は,フィールド名を指定してください。
各様式グループに指定されたフィールドが同じ名称でない場合は,エラーコード4642を返します。また,同じフィールド属性でない場合は,エラーコード4644を返します。
様式グループとサブ様式グループに指定されたフィールド名が同じ名称の場合は,エラーコード4631を返します。
(3) formtransfercondition
grouptransferconditionは,キーブレイクの対象となるフィールドのデータが変わった時点で次の様式グループに切り替えますが,formtransferconditionは,キーブレイクの対象となるフィールドのデータが変わった時点で先頭の様式に切り替えるかどうかを指定します。
例えば,請求書のように,次のような条件で帳票出力する場合,formtransferconditionを指定します。
-
様式1は必ず出力します。
-
様式1に納まらないデータがある場合,続きのデータを様式2に出力して,請求先のデータが変わった時点で,様式1に戻るようにします。
-
様式1の出力で請求先のデータが変わった場合は,様式1に戻ります。
このように,先頭の様式を出力したあと,次の様式に続きのデータを出力しなくて済む場合は,formtransferconditionを指定しておくと便利です。
formtransferconditionを指定した場合,同じ様式グループ内にsubgroupは指定できません。formtransferconditionとsubgroupを同時に指定した場合は,エラーコード4631を返します。
- ■formtransferconditionの形式
-
〔formtransfercondition {
keybreaktopform={ON|OFF}
〔fieldname="フィールド名"〕
}〕
- ■キーワードkeybreaktopformの構文
-
keybreaktopform={ON|OFF}
- ON | OFF
-
先頭の様式に切り替えるかどうかを指定します。
-
ON
キーブレイクのタイミングで先頭の様式に切り替えます。
ONを指定した場合は,キーワードfieldnameで,キーブレイクするフィールド名を指定してください。
先頭の様式を出力する場合,ページ番号の開始番号を初期化するときは,キーワードformfilenameのresetpagenumberにONを指定しておいてください。
-
OFF
先頭への様式には切り替えません。キーワードformfilenameのtransferconditionで指定されている各様式の遷移条件での動作になります。
-
- ■補足説明
-
キーワードtransferconditionでNPNFが設定されている場合,先頭の様式でページ番号の開始番号を初期化するときは,キーワードkeybreaktopformにONを指定しておいてください。OFFが指定されている場合は,ページ番号が初期化されません。
図5‒9 keybreaktopformの値による様式切り替えの違い - ■キーワードfieldnameの構文
-
fieldname="フィールド名"
- フィールド名
-
キーブレイク対象フィールド名を「"」で囲んで指定します。
キーワードkeybreaktopformにONを指定した場合は,フィールド名を指定してください。指定されていない場合は,エラーコード4631を返します。
(4) formfilename
様式を次の様式に切り替える条件を指定します。
formfilenameを指定した場合,同じ様式グループ内にsubgroupは指定できません。formfilenameとsubgroupを両方指定した場合,またはどちらも指定しなかった場合は,エラーコード4631を返します。
formfilenameは必ず指定してください。formfilenameが指定されていない場合は,エラーコード4631を返します。
formfilenameは,様式グループ内に指定する様式の数分を繰り返し指定します。
- ■formfilenameの形式
-
formfilename "帳票ファイル名" {
transfercondition={NPNF|KBNF|EOFN}
printnewpaper={ON|OFF}
resetpagenumber={ON|OFF}
〔traycode=給紙トレイ番号〕
}
- 帳票ファイル名
-
帳票ファイル名を「"」で囲んで指定します。パスの指定は要りません。
指定する帳票ファイル名は,様式グループ間で同じ名称がないように指定してください。同じ名称の帳票ファイルがある場合,または帳票ファイル名をパス指定された場合は,エラーコード4631を返します。
複数様式で出力する場合は,一組にする帳票すべてに同じキーフィールドで改ページするように設計しておいてください。
帳票ヘッダのある帳票は,複数様式では出力できません。
- ■キーワードtransferconditionの構文
-
transfercondition={NPNF|KBNF|EOFN}
- NPNF | KBNF | EOFN
-
様式を切り替える条件を指定します。
サブ様式グループの様式を切り替える場合は,NPNFとKBNFが指定できます。
-
NPNF(ページエンド改ページ)
キーブレイク以外の改ページのタイミングで,次の様式に切り替えます。
-
KBNF(キーブレイク改ページ)
キーブレイクのタイミングで,次の様式に切り替えます。
KBNFを指定した場合,grouptransferconditionもしくはformtransferconditionのキーワードfieldnameに指定されているキーブレイク対象フィールド,または帳票に設定されている改ページのキーフィールドによって様式を切り替えます。
KBNFを指定する場合は,帳票ファイル名に指定する帳票を設計するときに,フィールド名とフィールド属性が同じになるように指定してください。
-
EOFN(ファイル終端)
すべての様式のデータを印刷したあと,次の様式に切り替えます。
-
- ■キーワードprintnewpaperの構文
-
printnewpaper={ON|OFF}
- ON | OFF
-
プリンタの印刷設定で「両面」が設定されている場合,キーワードprintnewpaperを指定した様式が常に用紙の表面になるように空白ページを挿入するかどうかを指定します。
-
ON
様式が常に用紙の表面になるように,空白ページを挿入します。
図5‒10 printnewpaperがONの場合の例 -
OFF
印刷している様式に偶数ページがない場合,次の様式を続けて印刷します。
図5‒11 printnewpaperがOFFの場合の例
-
- ■キーワードresetpagenumberの構文
-
resetpagenumber={ON|OFF}
- ON | OFF
-
キーとなるフィールドのデータが変わった時点で,ページ番号の開始番号を初期化するかどうかを指定します。
-
ON
キーとなるフィールドのデータが変わった時点で,ページ番号を初期化します。
図5‒12 resetpagenumberがONの場合の例 -
OFF
ページ番号は初期化しません。通し番号になります。
図5‒13 resetpagenumberがOFFの場合の例
-
- ■補足説明
-
複数様式の帳票の場合,帳票設計時の改ページの設定ではページ番号を初期化するかどうかは有効になりません。キーワードresetpagenumberの設定だけが有効になります。
- ■キーワードtraycodeの構文
-
〔traycode=給紙トレイ番号〕
- 給紙トレイ番号
-
この様式を印刷するときのプリンタの給紙トレイコードを指定します。
指定する給紙トレイコードは,EURで提供している[給紙トレイ一覧]ツールで表示された,出力先プリンタに対応した給紙トレイコードを指定してください。キーワードtraycodeを省略した場合は,出力先プリンタのデフォルトの給紙トレイから給紙されます。[給紙トレイ一覧]ツールについては,「付録B.1 給紙トレイ一覧ツール」を参照してください。
(5) subgroup
サブ様式グループを識別する番号を指定します。
subgroupとformfilenameは,どちらかを指定してください。subgroupとformfilenameを両方指定した場合,またはどちらも指定しなかった場合は,エラーコード4631になります。
subgroupを指定すると,formtransferconditionは指定できません。subgroupとformtransferconditionを同時に指定した場合は,エラーコード4631を返します。
group文とsubgroup文の様式グループ遷移条件(grouptransfercondition)のフィールド名(fieldname)には異なる文字列を指定してください。同じ文字列を指定すると,エラーコード4631を返します。
- ■subgroupの形式
-
subgroup サブ様式グループ番号
- サブ様式グループ番号
-
サブ様式グループ番号を1以上の整数で指定します。サブ様式グループは,様式グループの中にだけ指定できます。様式グループの中以外に指定した場合は,エラーコード4631を返します。
また,サブ様式グループ番号は,サブ様式グループ間で同じ番号がないように指定してください。同じサブ様式グループ番号がある場合,またはサブ様式グループ番号が昇順で指定されていない場合は,エラーコード4631を返します。
サブ様式グループを定義した場合,どのように帳票が出力されるかを次に示します。
- 重要
-
サブ様式グループを定義したファイルは,次に示すバージョンの製品で読み込んでください。
製品
バージョン
EUR Designer
08-00以降
EUR Developer
08-00以降
EUR Print Service Enterprise
08-00以降
EUR Professional Edition
05-06以降
EUR Print Service
05-06以降
EUR Server Standard
09-00以降
EUR Server Enterprise
09-00以降
EUR Server Print Edition
09-00以降
バージョン05-05以前のEUR,またはEUR Print Serviceで読み込んだ場合はエラーコード4631を返します。