5.5.3 プリンタ定義ファイルのキーワード
プリンタ定義ファイルに記述するキーワードを次に示します。プリンタ定義ファイルのキーワードは,大文字,小文字を区別しません。
- 〈この項の構成〉
(1) PaperShiftX
横方向の印刷位置補正値を,小数点以下1桁(nn.n形式)で指定します。印刷位置の補正値は,0.1mm単位で-10.0〜10.0で指定します。省略した場合は,「0.0」が仮定されます。
印刷位置を左方向にシフトする場合は負数,右方向にシフトする場合は正数を指定します。
- 注意
-
印刷位置を補正しても,ハードマージンには印刷できません。
また,プリンタハードによっては,印刷位置を補正することで,一部のオブジェクトがハードマージンに掛かってしまった場合,印刷が欠けることがあります。試し印刷で動作確認することをお勧めします。
(2) PaperShiftY
縦方向の印刷位置補正値を,小数点以下1桁(nn.n形式)で指定します。印刷位置の補正値は,0.1mm単位で-10.0〜10.0で指定します。省略した場合は,「0.0」が仮定されます。
印刷位置を上方向にシフトする場合は負数,下方向にシフトする場合は正数を指定します。
- 注意
-
印刷位置を補正しても,ハードマージンには印刷できません。
また,プリンタハードによっては,印刷位置を補正することで,一部のオブジェクトがハードマージンに掛かってしまった場合,印刷が欠けることがあります。試し印刷で動作確認することをお勧めします。
(3) CODE128PARAM
CODE128バーコードのバーコード補正情報を指定します。次に示す形式で指定します。
type 〔,〔Param1〕,〔Param2〕〕
環境変数EUR_CODE128_PARAMとプリンタ定義ファイルのキーワードCODE128PARAMが同時に指定された場合は,プリンタ定義ファイルの指定が有効になります。
- type
-
バーコードの描画方式を指定します。
指定値
説明
0
ミリメートル(mm)で指定したモジュールサイズからバーキャラクタサイズを計算します。モジュールサイズ×11(mm)を超えないドット数でバーキャラクタを描画します。ストップキャラクタは,モジュールサイズ×13(mm)を超えないドット数で描画します。1を指定した場合と比べて,サイズを細かく指定できますが,バーコードの質は落ちます。
1
ミリメートル(mm)で指定したモジュールサイズを超えないドット数を求め,その11倍をバーキャラクタのサイズにします。1ドットの大きさを超えるまではバーコードの大きさは変わりません。プリンタ解像度によって補正するドット数が変わります。
2
1を指定した場合の計算方法に加えて,Param1で指定した幅に相当するドット数分だけ黒バーを細く,白バーを太くします。
Param2を指定した場合は,Param1で指定した値で補正した状態のスタートキャラクタとストップキャラクタにParam2で指定した値でさらに補正します。
省略した場合,または0,1,2以外の値を指定した場合は,0が仮定されます。指定値が0の場合,Param1,およびParam2に指定した値は無視されます。
- Param1
-
typeに2を指定した場合,バーを調整する幅をミリメートルで指定します。指定した値をドット単位に変換した計算値の小数第一位を四捨五入した値が補正されます。補正するドット数の計算結果が1以上の場合だけ補正されます。
Param1に指定した値をドット単位に変換する計算式を次に示します。
計算値(ドット) = Param1に指定する値 ÷ 25.4 ×解像度(dpi)
解像度300dpiの場合,補正するドット数の計算結果を次に示します。
表5‒5 解像度300dpiの場合に補正するドット数 Param1またはParam2に指定する値(ミリメートル)
補正するドット数(ドット)
計算値(ドット)
0.04
0
0.472441
0.041
0
0.484252
0.042
0
0.496063
0.043
1
0.507874
0.044
1
0.519685
0.045
1
0.531496
0.046
1
0.543307
解像度600dpiの場合,補正するドット数の計算結果を次に示します。
表5‒6 解像度600dpiの場合に補正するドット数 Param1またはParam2に指定する値(ミリメートル)
補正するドット数(ドット)
計算値(ドット)
0.02
0
0.472441
0.021
0
0.496063
0.022
1
0.519685
0.023
1
0.543307
0.024
1
0.566929
0.025
1
0.590551
0.026
1
0.614173
- Param2
-
typeに2を指定した場合,Param1に指定した値で補正したバーコードのスタートキャラクタとストップキャラクタを調整する幅をミリメートルで指定します。指定した値をドット単位に変換した計算値の小数第一位を四捨五入した値が補正されます。補正するドット数の計算結果が1以上の場合だけ補正されます。Param2に指定した値をドット単位に変換する計算式はParam1の場合と同じです。
解像度別の補正するドット数については,表5-5,表5-6を参照してください。
- 重要
-
-
バーの幅を超える値を指定した場合は,バーの幅を1ドットに設定します。
-
typeに1を指定した場合でも,param1に数値を指定して,param2を省略したときは0が仮定されます。
-
typeに2を指定した場合でも,次のときは0が仮定されます。
・param1を指定しなかったとき
・param1が数値以外,または0以下だったとき
-
typeに2を指定した場合でも,param1に0より大きい値,param2に0以下の値を指定したときは,param2は無視されます。
-
(4) CODE128PATTERN
バーコードパターンファイル名をフルパスで指定します。CODE128PARAMまたは環境変数EUR_CODE128_PARAMと同時に指定した場合は,CODE128PATTERNキーワードで指定されたパターンファイルを使用してチューニングされます。
CODE128PATTERN=バーコードパターンファイル名
(5) BarcodeImageSize
QRコードまたはカスタマバーコードの出力データのサイズを指定します。
指定値 |
説明 |
---|---|
normal |
通常の方法で出力します。 |
minimize |
QRコード,またはカスタマバーコードの描画データを最小化します。 |
印刷時のスプールサイズや帳票ファイルのサイズを小さくしたい場合,または実行時間を短縮したい場合にはminimizeを指定します。
minimizeを指定すると,プリンタによっては,QRコードまたはカスタマバーコードがにじんだり周囲に線が表示されたりする場合があります。
このような場合は,DrawBarStyleを使用すると正しく表示できることがあります。