Hitachi

EUR システム設計ガイド(UNIX(R)用)


4.4.11 UPC-Eバーコード

UPC-Eバーコードのデータの指定方法およびプロパティの設定方法について説明します。

〈この項の構成〉

(1) データの指定

UPC-Eバーコードを表示する場合は,半角数字(0〜9)を使用して,「0」で始まる8桁(固定)のデータ(データキャラクタ)をデータファイルに指定します。

UPC-Eバーコードの形式を次に示します。

[図データ]

データ(データキャラクタ)は,商品コードを表すキャラクタです。

ナンバーシステムキャラクタには,自動的に「0」が付加されます。

チェックキャラクタ(モジュラチェックキャラクタ)は,バーコードの読み取りの正確性を保つために,データ(データキャラクタ)とナンバーシステムキャラクタから,ある計算方法に基づいて求めた値を表すキャラクタです。

UPC-Eバーコードのチェックキャラクタは,6桁のデータ(データキャラクタ)の先頭にナンバーシステムキャラクタの「0」を付加した7桁の数字を,規則に従って11桁に復号したあと,UPC-Aバーコードのチェックキャラクタの計算方法に従って求めます。

業務アプリケーションでチェックキャラクタをあらかじめ付加する場合,例えば,「123456」のデータ(データキャラクタ)の先頭にナンバーシステムキャラクタの「0」を付加した7桁の数字「0123456」のチェックキャラクタは,次のような計算方法で求められます。

  1. 桁位置を付けます。求めるチェックキャラクタ(モジュラチェックキャラクタ)は,1桁目です。

    桁位置

    1

    2

    3

    4

    5

    6

    7

    8

    データ

    0

    1

    2

    3

    4

    5

    6

  2. 7桁のデータを11桁に復号します。

    次に示す4つのパターンの中から当てはまるパターンに従って復号します。

    「0123456」は,パターン4に従って「01234500006」に復号されます。

    ■パターン1:1桁目が「0」,7桁目が「0〜2」の場合

    7桁目を3桁目と4桁目の間に移動させて,その後ろに「0」を4つ挿入します。

    例えば,データが「0013452」の場合は,「00120000345」となります。

    ■パターン2:1桁目が「0」,7桁目が「3」の場合

    7桁目を削除して,4桁目と5桁目の間に「0」を5つ挿入します。

    例えば,データが「0123453」の場合は,「01230000045」となります。

    ■パターン3:1桁目が「0」,7桁目が「4」の場合

    7桁目を削除して,5桁目と6桁目の間に「0」を5つ挿入します。

    例えば,データが「0123454」の場合は,「01234000005」となります。

    ■パターン4:1桁目が「0」,7桁目が「5〜9」の場合

    6桁目と7桁目の間に「0」を4つ挿入します。

    例えば,データが「0123456」の場合は,「01234500006」となります。

  3. UPC-Aバーコードの計算方法に従ってチェックキャラクタを計算します。

    復号した11桁のデータのチェックキャラクタを,UPC-Aバーコードの計算方法に従って計算します。

    「01234500006」のチェックキャラクタを計算すると,「5」となります。

    UPC-Aバーコードの計算方法については,「4.4.10(1) データの指定」を参照してください。

チェックキャラクタ(モジュラチェックキャラクタ)は,EUR 帳票作成機能で付加することもできます。その場合は,半角数字(0〜9)を使用して,「0」で始まる7桁(固定)のデータ(データキャラクタ)をデータファイルに指定します。チェックキャラクタ(モジュラチェックキャラクタ)は,[オプション]ダイアログ,または[アイテムのプロパティ]ダイアログで指定できます。

(2) サイズの指定

UPC-Eバーコードで指定できるサイズと単位は0.15〜2.1倍です。JIS X0507で規定されている0.8〜2.0倍の範囲で指定することを推奨します。

UPC-Eバーコードのサイズは,JIS X 0507で規定されている1モジュール幅に対する倍率を0.01倍単位で指定します。JIS X 0507では,1モジュール幅の標準サイズを0.33mmと規定しています。「モジュール」とは,白バーと黒バー,およびマージンを構成する基本単位を示します。

UPC-Eバーコードは,67モジュールで構成されています。

[図データ]

(1)レフトマージン(9モジュール)

(2)レフトガードバー(3モジュール)

(3)データキャラクタ(6キャラクタ,42モジュール)

(4)ライトガードバー(6モジュール)

(5)ライトマージン(7モジュール)

例えば,サイズに「2」を指定すると,「{67(モジュール)×0.33(mm)}×2(倍)」という式によって,幅44.22(mm)のUPC-Eバーコードが帳票に出力できます。

表4‒16 UPC-Eバーコードのサイズ

[サイズ]の値

帳票に出力されるバーコードの実サイズ

0.5

幅 約12(mm)

1

幅 約23(mm)

1.5

幅 約34(mm)

(3) アイテム枠の幅の指定

帳票にUPC-Eバーコードを収めるとき,アイテム枠の幅は,求めた値の小数点以下を切り上げた値で確保すると収まります。サイズに「2」を指定した場合は,アイテム枠の幅を45(mm)程度確保すると収まります。

(4) プリンタの解像度によって出力できるバーコードの最小サイズ

出力するプリンタの解像度が300dpiの場合および600dpiの場合

最小サイズは0.8倍です。