2.2.2 ファイルサイズ,ページ数の検討
出力する帳票のファイルサイズ,およびページ数を検討します。次に説明する上限値を超えていないかどうか確認してください。
なお,ページ数の多い帳票を出力する場合,一度に出力するページ数によっては出力速度に影響が出ることがあります。実際に出力する帳票データを使用してテストし,性能を確認してください。
(1) ファイルサイズの上限
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EPF形式ファイルを作成する際に一時ファイルを作成しますが,一時ファイルのサイズが2GB以上となる場合はエラーとなり,EPF形式ファイルを作成できません。一時ファイルサイズは,解像度(DPI値)や画像データの圧縮有無といったEPF形式ファイル出力時の設定を変更することで小さくできます。詳細については,マニュアル「EUR 帳票出力 リファレンス EUR Server編」を参照してください。
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PDF形式ファイルのサイズが2GB以上のファイルはエラーとなり,作成できません。
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EUR形式ファイルを作成する際に一時ファイルを作成します。一時ファイルのサイズが4GB以上となる場合,エラーとなり,EUR形式ファイルは作成できません。
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帳票をLIPSIII対応プリンタへ出力する際に一時ファイルを作成します。一時ファイルのサイズが4GB以上となる場合,エラーとなり,印刷できません。
(2) 出力ページ数の上限
使用する機能ごとの,出力ページ数の上限について次に説明します。
(a) EUR サーバ帳票出力機能の場合
EUR サーバ帳票出力機能で出力できるページ数/シート数の上限を次の表に示します。
出力先 |
出力ページ数/シート数の上限値 |
---|---|
Windows対応プリンタ |
999,999ページ |
PDF形式ファイル |
999,999ページ |
EPF形式ファイル |
999,999ページ |
EUR形式ファイル |
拡張子が*.eupの場合:32,767ページ 拡張子が*.euvの場合:65,534ページ |
Excel形式ファイル |
100シート |
LIPSIII,PostScript,およびESC/P対応プリンタ |
999,999ページ |
PDLファイル |
999,999ページ |
プリンタ出力,PDF形式ファイル出力およびEPF形式ファイル出力の場合,出力ページ数の上限値までしか出力しません。出力ページ数の上限値を超えた場合は,エラー(KEEU123-E)になります。
Excel形式ファイル出力の場合,出力シート数の上限値を超えると,上限値まで出力し,エラー(KEEU321-W)になります。また,ページ単位でシートを分けない設定の場合,縦繰り返しのExcelのシート上での行数の上限は1シートあたり10,000です。行数が10,000を超えるときは,10,000行までを出力し,メッセージ(KEEU322-W)を出力して終了します。ページ単位でシートを分けるかどうかの設定の詳細については,マニュアル「EUR 帳票出力 機能解説 EUR Server編」を参照してください。
なお,上限値に収まらないような大量のページ数をプリンタ,PDF形式ファイルおよびEPF形式ファイルに出力する場合は,次の方法で自動的に分割するように設定できます。分割後のページ数が上限値以下になれば問題ありません。
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プリンタに出力する場合
環境設定ファイル(EURPS_ENV)のEURPS_MAX_SPOOL_PAGESで,印刷ジョブを分割するページ数を指定できます。
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PDF形式ファイルに出力する場合
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PDF仕分け定義ファイルで,キーワードが含まれているマッピングデータファイルのフィールドごとにファイルを分割できます(仕分け出力)。
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EUR Server - Adapterの起動部品で,分割ページ数を指定してファイルを分割できます(分割出力)。なお,分割ファイル数の上限は999,999ファイルです。上限を超えると,エラー(KEEU128-E)になります。また,分割したファイル全体のページ数の上限は2,147,483,646ページです。上限を超えると,エラー(KEEU123-E)になります。
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EPF形式ファイルに出力する場合
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分割定義ファイルで,分割するページ数を指定できます(蓄積分割出力)。
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仕分け定義ファイルで,キーワードが含まれているマッピングデータファイルのフィールドごとにファイルを分割できます(蓄積仕分け出力)。
なお,蓄積分割出力/蓄積仕分け出力を行う前の全体のページ数上限は2,147,483,646ページとなります。
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プリンタ出力,PDF形式ファイル出力およびEPF形式ファイル出力で,各種定義ファイルの指定によって挿入された空白ページが,ページ数上限のチェック対象に含まれるどうかは,出力形式と出力方法によって次にようになります。
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プリンタ出力,PDF形式ファイル出力,PDF形式ファイルの仕分け出力,EPF形式ファイル出力の場合
次に示す空白ページはページ数上限のチェック対象に含まれます。
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単一様式帳票または帳票セットを複数指定した帳票で,新規用紙出力定義ファイルを指定して挿入された空白ページ
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複数様式帳票で,複数様式情報定義ファイルにprintnewpaper=ONを指定,かつ,EUR Print Serviceの環境設定ファイル(EURPS_ENV)の環境変数EURPS_PRINTNEWPAPER_INCLUDE_OUTPUTPAGECOUNTキーに「YES」を指定して挿入された空白ページ
次に示す空白ページはページ数上限のチェック対象に含まれません。
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複数様式帳票で,複数様式情報定義ファイルにprintnewpaper=ONを指定,かつ,EUR Print Serviceの環境設定ファイル(EURPS_ENV)の環境変数EURPS_PRINTNEWPAPER_INCLUDE_OUTPUTPAGECOUNTキーに「NO」を指定して挿入された空白ページ
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PDF形式ファイルの分割出力,EPF形式ファイルの蓄積分割出力および蓄積仕分け出力の場合
次に示す空白ページはページ数上限のチェック対象に含まれます。
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単一様式帳票または帳票セットを複数指定した帳票で,新規用紙出力定義ファイルを指定して挿入された空白ページ
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複数様式帳票で,複数様式情報定義ファイルにprintnewpaper=ONを指定して挿入された空白ページ
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また,業務プログラムからEUR Server - Adapterの起動部品を使用して,印刷またはファイル出力を実行した帳票の総ページ数を出力することができます。詳細については,マニュアル「EUR 帳票出力 機能解説 EUR Server編」を参照してください。
(b) EUR クライアント帳票出力機能の場合
EUR クライアント帳票出力機能で印刷できるページ数の上限を次に示します。
操作する場所 |
印刷できるページ数の上限 |
---|---|
メニュー |
65,534ページ |
apgrptコマンド |
32,767ページ |
OLEオートメーション |
9,999ページ |
印刷できるページ数を超えると,エラーになり,印刷処理を中止します。印刷開始ページと印刷終了ページ,または部数の指定を見直して,印刷できるページ数以内になるように修正したあと,プログラムを再度実行してください。必要ならば,数回に分けて印刷してください。
なお,印刷できるページ数の上限は,メモリ容量やスプールファイルの空き容量に依存されます。スプールファイルとは,印刷を実行する時,ユーザのハードディスク,またはネットワークプリンタが接続されているコンピュータのハードディスクに生成される,一時的なファイルです。
(3) サンプル帳票を使用してファイル出力した場合の出力ページ数とファイルサイズ
EURで提供しているサンプル帳票(Report1.fmsとReport1.csv)を使用してファイル出力した場合の出力ページ数とファイルサイズを,次の表に示します。
帳票やデータの内容によって出力ファイルのサイズは異なりますが,大量データをEURに入力するシステムを構築する場合は,入力データ量の調整や分割出力機能で,出力ファイル(EPF形式ファイル,PDF形式ファイル)のサイズが2GBを超えないようにしてください。
出力形式 |
出力ページ数とファイルサイズ |
|||
---|---|---|---|---|
100ページ |
1,000ページ |
10,000ページ |
100,000ページ |
|
PDF形式ファイル |
216KB(221,207バイト) |
2.08KB(2,190,841バイト) |
20.9MB(21,940,879バイト) |
209MB(219,980,917バイト) |
EPF形式ファイル |
5.65KB(5,787バイト) |
26.8KB(27,459バイト) |
237KB(243,610バイト) |
2.29MB(2,404,544バイト) |
EUR形式ファイル |
6.51KB(6,668バイト) |
15.6KB(16,043バイト) |
106KB(109,438バイト) |
0.99MB(1,043,407バイト) |
Excel形式ファイル |
615KB(630,676バイト) |
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