4.11.1 IVSとは
同じ意味の漢字文字の異体字(字形が異なる字)を表現できる仕組みで,ISO/IEC 10646で規定されているUnicodeで実装されています。漢字(基底文字)を表すコードの直後に,異体字セレクタと呼ばれるコードを付加することで,その漢字の異体字を表現します。
また,漢字を表すコードを基底文字と呼び,基底文字と異体字セレクタを並べた文字符号列を「IVS」(Ideographic Variation Sequence)と呼びます。IVS(基底文字+異体字セレクタ)の文字コードは,「U+hhhh;U+E01hh」(hは16進数)の形式で表現します。
異体字セレクタによって,同一文字コードの漢字文字(基底文字)の異体字(基底文字+異体字セレクタ)を表現する例を次に示します。ここでは,IPAmj明朝フォントを使用した場合の「葛」(U+845B)の例を示します。
- ■基底文字「葛」の異体字(基底文字+異体字セレクタ)の例
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基底文字(U+845B;異体字セレクタなし)
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基底文字+異体字セレクタ(U+845B;U+E102)※
- 注※
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異体字セレクタのコード,および使用するフォントによって,ほかの異体字も存在します。
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基底文字と基底文字+異体字セレクタは,文字の意味で分けた場合は同じ文字を差しますが,文字の字形で分けた場合は異なる文字となります。