11.3.1 JP1/IM2連携時のセットアップ手順
JP1/IM2と連携する場合のシステム構成例を次の図に示します。
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この例では,JP1/IM2で3台のJP1/AJS3マネージャーホストを監視します。JP1/IM2 - Managerからの要求によって,それぞれのJP1/AJS3 - Managerはジョブネットなどの構成情報をJP1/IM2 - Managerに返します。また,JP1/AJS3 - Managerで発行するイベントがJP1/IM2 - Managerに集められます。これらの通信はすべてJP1/Baseを中継して行われます。
JP1/IM2 - Managerにログインすると,各JP1/AJS3マネージャーホストから集められたジョブネット構成およびイベントによって更新されたジョブネット状態,およびJP1イベント連携をしているジョブネット同士のつながりをWebブラウザーで表示できます。
JP1/IM2連携時のセットアップ手順を次の図に示します。
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- 注※1
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JP1/AJS3プラグイン設定ファイルの設定方法については,「(1) JP1/IM2向けのセットアップ(JP1/IM2マネージャーホストでの作業)」を参照してください。そのほかの設定の詳細については,マニュアル「JP1/Integrated Management 2 - Manager 構築ガイド」を参照してください。
- 注※2
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詳細については,「(2) JP1/IM2向けのセットアップ(JP1/AJS3マネージャーホストでの作業)」を参照してください。
- 注※3
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Web GUIを使用する場合は不要です。
(1) JP1/IM2向けのセットアップ(JP1/IM2マネージャーホストでの作業)
JP1/IM2マネージャーホストで,JP1/AJS3プラグイン設定ファイルの設定を実施してください。
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JP1/AJS3プラグイン設定ファイルを任意のテキストエディターで開く。
次に示すファイルを開いてください。
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Windowsの場合
JP1/IM2 - Managerのインストール先フォルダ\conf\imdd\plugin\jp1ajs\settings.conf
または
共有フォルダ\jp1imm\conf\imdd\plugin\jp1ajs\settings.conf
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UNIXの場合
/etc/opt/jp1imm/conf/imdd/plugin/jp1ajs/settings.conf
または
共有ディレクトリ/jp1imm/conf/imdd/plugin/jp1ajs/settings.conf
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定義内容を変更する。
定義内容は次の形式で指定します。
{ "ajswebconUrl":"設定値", "linkValueLimit":設定値, "prewaitLink":"{y|n}", "netcnLink":"{y|n}", "evRegexLink":"{y|n}", "evMacroLink":"{y|n}", "evotherLink":"{y|n}", "evIpLink":"{y|n}" }
設定項目を次の表に示します。
表11‒2 JP1/AJS3プラグイン設定ファイルの設定項目 設定項目名
設定値
設定値の説明
ajswebconUrl
通信プロトコル://サーバ名:ポート番号/ajs/login.html
- 通信プロトコル
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通信プロトコルを「http」または「https」で指定します。
- サーバ名
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JP1/AJS3 - Web Consoleサーバのホスト名またはIPアドレスを指定します。
- ポート番号
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JP1/AJS3 - Web Consoleサーバとの通信で使用するポート番号を記載します。デフォルトは,SSL通信を無効にしている場合は「22252」,SSL通信を有効にしている場合は「22253」です。
linkValueLimit
1〜2,000
後続ジョブへの影響有無や連携予定日時を取得する,ルートジョブネット間のつながりの最大数を指定します。
次の場合「64」を仮定します。
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省略した場合
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設定値に範囲外または数値以外の値を指定した場合
prewaitLink※1
y|n
待ち合わせの関連を作成するかどうかを指定します。
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y:関連を作成します。
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n:関連を作成しません。
「y」および「n」は大文字小文字を区別します。
次の場合「y」を仮定します。
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省略した場合
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「y」および「n」以外の値を指定した場合
netcnLink
y|n
ジョブネットコネクタの関連を作成するかどうかを指定します。
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y:関連を作成します。
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n:関連を作成しません。
「y」および「n」は大文字と小文字を区別します。
次の場合「y」を仮定します。
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省略した場合
-
「y」および「n」以外の値を指定した場合
evRegexLink
y|n
JP1イベント連携の関連づけをする場合に,正規表現を適用して関連づけるかどうかを指定します。
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y:正規表現を考慮して関連づけをします。
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n:正規表現を使用しないで文字列として関連づけをします。
「y」および「n」は大文字と小文字を区別します。
次の場合「n」を仮定します。
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省略した場合
-
「y」および「n」以外の値を指定した場合
evMacroLink
y|n
JP1イベント連携のマクロ変数について,単純な文字列一致で関連を作成するか,マクロ変数が使用されたJP1イベント連携は関連を作成しないかを指定します。
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y:単純な文字列一致で関連を作成します。
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n:マクロ変数が使用されたJP1イベント連携は関連を作成しません。
「y」および「n」は大文字小文字を区別します。
次の場合「y」を仮定します。
-
省略した場合
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「y」および「n」以外の値を指定した場合
evotherLink
y|n
JP1イベント連携の関連づけの条件としないユニット定義※2が定義されている場合に,関連を作成するかどうかを指定します。
-
y:関連を作成します。
-
n:関連を作成しません。
「y」を指定した場合,設定項目evIpLinkで,イベント発行元IPアドレスを比較するかどうかを指定できます。
「y」および「n」は大文字と小文字を区別します。
次の場合「n」を仮定します。
-
省略した場合
-
「y」および「n」以外の値を指定した場合
evIpLink
y|n
JP1イベント受信監視ジョブのイベント発行元IPアドレスを比較対象とするかどうかを指定します。
この設定項目は,設定項目evotherLinkに「y」を指定した場合だけ有効です。
設定項目evotherLinkに「n」を指定した場合,この項目の指定を無視します。
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y:IPアドレスを比較します。一致した場合は関連を作成し,一致しない場合は関連を作成しません。
-
n:IP アドレスを比較しないで関連を作成します。IPアドレスが定義されていても無視します。
「y」および「n」は大文字と小文字を区別します。
次の場合「n」を仮定します。
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省略した場合
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「y」および「n」以外の値を指定した場合
- 注※1
-
設定する場合は,「(2)(c) 運用に応じた設定」を参照してください。
- 注※2
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JP1イベント連携の関連づけの条件としないユニット定義は次のとおりです。
evusr="イベント発行元ユーザー名"
受信対象のイベント基本情報中の,イベント発行元ユーザー名を定義する。
evgrp="イベント発行元グループ名"
受信対象のイベント基本情報中の,イベント発行元グループ名を定義する。
evipa=イベント発行元IP アドレス
受信対象のイベント基本情報中の,イベント発行元IP アドレスを定義する。
evuid=イベント発行元ユーザーID
受信対象のイベント基本情報中の,イベント発行元ユーザーID を定義する。
evgid=イベント発行元グループID
受信対象のイベント基本情報中の,イベント発行元グループID を定義する。
evpid=イベント発行元プロセスID
受信対象のイベント基本情報中の,イベント発行元プロセスID を定義する。
evdet="イベント詳細情報"
受信対象のイベントの詳細情報部分と比較する文字列を定義する。
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settings.confファイルを保存する。
- 重要
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JP1/AJS3プラグイン設定ファイルの設定内容は,即時有効になります。ファイルを保存したタイミングとJP1/IM2を操作するタイミングが重なった場合,正常にファイルが読み込めず,エラーになることがあります。この場合は,再度ファイルを保存してください。
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JP1/IM2を新規インストールした場合,JP1/AJS3プラグイン設定ファイルの設定項目値は次のとおりです。
{
"prewaitLink":"y",
"netcnLink":"y",
"evRegexLink":"y",
"evMacroLink":"n",
"evotherLink":"y",
"evIpLink":"y"
}
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JP1/IM2を上書きインストールまたはバージョンアップインストールした場合,JP1/AJS3プラグイン設定ファイルは更新しません。
JP1/AJS3プラグイン設定ファイルに設定項目の記載がない場合は,省略値を仮定します。
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(2) JP1/IM2向けのセットアップ(JP1/AJS3マネージャーホストでの作業)
トレンド情報表示機能を使用する場合は,JP1/AJS3マネージャーホストが次の前提条件を満たしていることを確認してください。
- 前提条件
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JP1/AJS3マネージャーホストで,NTP(Network Time Protocol)などを使ってシステム時刻を変更する場合は,次の条件を満たしていること。
・slewモードなどで運用し,同一時刻が発生しないようにミリ秒単位で補正する。
・時刻の補正をあとから確認できるように,時刻補正時にログを出力する。
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進んでいるシステム時刻を戻す場合は,稼働状況ログファイルを削除していること。
稼働状況ログファイルの削除方法については,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 運用ガイド 7.9.3 システムの日時を変更する」を参照してください。
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JP1/AJS3マネージャーホストで,JP1/IM2向けに次のセットアップを実施してください。
(a) アダプタコマンド設定ファイルの設定
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Adapter_HITACHI_JP1_AJS3_CONFINFO.conf.modelファイルをJP1/Baseのインストールフォルダ¥plugin¥confに配置する。
Adapter_HITACHI_JP1_AJS3_CONFINFO.conf.modelファイルの格納先を次に示します。
JP1/AJS3 - Managerのインストール先フォルダ\tools\IMDDAdapter\conf
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ファイル名をリネームする。
- 変更前
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Adapter_HITACHI_JP1_AJS3_CONFINFO.conf.model
- 変更後
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Adapter_HITACHI_JP1_AJS3_CONFINFO.conf
WindowsでJP1/AJS3をデフォルト以外の場所にインストールしている場合は,次の操作を追加で実施してください。
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Adapter_HITACHI_JP1_AJS3_CONFINFO.confファイルを任意のテキストエディターで開く。
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ファイル内のcmdpath属性のパスを変更する。
fileversion 12000000 cmdpath JP1/AJS3 - Managerのインストール先フォルダ\tools\IMDDAdapter\IMDDAdapter_HITACHI_JP1_AJS3.bat upperpp /HITACHI/JP1/IM/DD componenttype JDD_CONFINFO
(b) ジョブの運用停止につながるような要因を検知するための設定
JP1/AJS3では,JP1/IM2と連携し,スケジューラーサービスでジョブが実行できなくなるような障害を防止するため,次の三つの項目を監視・通知できます。
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キューイングおよび実行中状態のジョブ数
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起動条件待ちの実行世代数
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イベント・アクション制御マネージャーが管理する未通知情報の件数
設定方法の詳細についてはマニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 構築ガイド 21.7 ジョブ実行の運用停止につながるような要因を検知するための設定」を参照してください。
(c) 運用に応じた設定
運用に応じて,次の設定についても検討してください。
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待ち合わせの関連を作成する場合で,待ち合わせ対象ユニットおよび待ち合わせ条件付きユニットの基準時刻に0:00以外を設定しているとき,またはユニットが定義してあるスケジューラーサービスの環境設定パラメーターROOTJOBNETSCHEDULERANGEに「dword:00000030」を設定しているときは,環境設定パラメーターEXECREGISTRATIONNUMBERを「execution」に変更してください。