5.2.3 管理情報の引き当て方法の設定
JP1/IT Desktop Management 2 - Managerでは、ネットワークにあるPCやプリンタなどの機器の情報や、PCにインストールされているソフトウェアの情報などを収集できます。この収集した情報(管理情報)を資産管理データベースに取り込んで管理するためには、JP1/IT Desktop Management 2 - Managerでの管理対象の機器と、Asset Consoleでの管理対象の機器を一致させて、同一の機器の情報が別の機器の情報として登録されてしまうなどの、誤登録を避ける必要があります。
JP1/IT Desktop Management 2 - Managerで収集した情報を、正確に資産管理データベースの資産情報に引き当てるために、管理情報および資産情報のキーとなる情報を設定します。
また、モバイルカードや無線LANカードなどの通信カードを複数のPCで共有している場合、JP1/IT Desktop Management 2 - Managerで収集した情報には、複数の管理対象の機器に同一のMACアドレスが存在します。このような場合、Asset Consoleで資産管理データベースの資産情報に引き当てるためにMACアドレスをキーとして設定しているときは、それらの機器が1つの機器として登録されます。このような場合、引き当て除外MACリストにMACアドレスを登録しておくことによって、該当する機器を別々の資産として登録し、管理できます。引き当て除外MACリストの定義方法については、「5.2.3(5) 引き当て除外MACリストの定義方法」を参照してください。
ここでは、業務メニュー「ITDM2管理情報取得」での設定に従って、どのように管理情報が登録されるかについて説明します。
「ITDM2管理情報取得」での設定と引き当ての流れを次の図に示します。
図中の(1)〜(4)の数字は、これ以降の説明の見出しと対応しています。
- 注意事項
-
引き当て先となる資産情報の機器種別が「システム装置」(「機器種別」のコードが100〜199)ではない場合、資産が新規に登録されます。
(1) ホスト識別子
ホスト識別子とは、JP1/IT Desktop Management 2 - Managerシステム内で一意な値で、各機器を識別するキー情報です。ホスト識別子はJP1/IT Desktop Management 2 - Agentのインストール時に生成され、管理用サーバに自動的に通知されます。そのホスト識別子を使用して、Asset Consoleで機器を引き当てます。
(2) 引き当て方法
引き当てには、資産番号を使用する方法と、引き当てキーを使用する方法があります。
- 資産番号を使用する場合
-
資産番号にJP1/IT Desktop Management 2 - Managerで収集した管理情報を設定し、管理情報を基に引き当てます。
資産番号へ引き当てる設定については、「16.14.1 資産番号の引き当て項目を設定する」を参照してください。
- 引き当てキーを使用する場合
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機器種別ごとに引き当てキーを設定します。機器種別の種類および引き当てキーの種類を次の表に示します。
表5‒1 機器種別の種類 機器種別
内容
システム装置
PC、PCサーバ、UNIX、UNIXサーバ、スマートデバイス、その他システム装置
拡張装置
ディスプレイ、HD、CD-R、CD-RW、DVD、DAT、MO、プリンタ、周辺装置、USBデバイス、ストレージ
ネットワーク装置
HUB、ルータ、ネットワークプリンタ、ネットワーク装置
表5‒2 引き当てキーの種類 引き当てキー※1、※3
備考
設定しない
−
マシンシリアルナンバー
−
MACアドレス※2
引き当ての対象とするクラスは、次のとおりです。
1.「20.2.10 HardwareInfo(ハードウェア資産情報)」
2.「20.2.21 NetworkInfo(ネットワーク情報)」
対象とするクラスで機器を、上記の順番で検索します。
IPアドレス(デフォルト)
ホスト名
(3) 引き当たらなかった資産の新規登録
該当する資産情報がない場合は、業務メニュー「ITDM2管理情報取得」での「情報の新規登録」の指定に従って、登録されるかどうかが決まります。「新規登録する」を指定した場合は、新規に登録されます。「新規登録しない」を指定した場合は、登録されません。
(4) 削除された資産の機器状態
JP1/IT Desktop Management 2 - Managerから資産の機器が削除された場合、Asset Consoleで削除された資産の機器状態を変更できます。機器状態の変更方法は、「16.8 種別や状態を追加および変更する(コード管理)」を参照してください。
(5) 引き当て除外MACリストの定義方法
Asset Consoleで資産管理データベースの資産情報に引き当てるためにMACアドレスをキーとして設定していて、複数の管理対象の機器に同一のMACアドレスが存在している場合、それらの機器を別々の資産として登録するためには、引き当て除外MACリスト(MacListOfOmitMatching.ini)を作成する必要があります。
引き当て除外MACリストの格納先、記述方法および記述例を次に示します。
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引き当て除外MACリストの格納先
<Asset Consoleのインストール先フォルダ>\env
なお、引き当て除外MACリストを作成時の参考として、上記格納先に引き当て除外MACリストのサンプルファイル(MacListOfOmitMatching.ini.org)を提供しています。サンプルを参考にして、引き当て除外MACリストを作成してください。
- 注意事項
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Asset Consoleは、キーを引き当てる際に上記の格納先のファイルを確認します。この格納先にファイルがない場合は、引き当て除外MACアドレスの設定がないと判断します。
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引き当て除外MACリスト(MacListOfOmitMatching.ini)の記述方法
; MAC Address List of Omit Matching. [OMIT_MAC] OMIT_MAC = 00:11:22:33:44:55
- [OMIT_MAC]
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引き当て除外MACリストに登録したい、MACアドレスを指定します。
引き当てを除外するMACアドレスは、「OMIT_MAC = MACアドレス」の形式で指定します。
引き当てを除外するMACアドレスの指定では、次に示す事項に注意してください。
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省略形で指定しないでください。
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MACアドレスの区切り文字は、「:」(コロン)です。
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半角17文字で指定してください。なお、大文字と小文字を区別しません。
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同じ値を複数指定しても、エラーになりません。
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指定できるMACアドレスは、1,000個です。ただし、不要なキー名、および値を多数記述すると、1,000個以下の指定でもエラーとなることがあります。
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引き当て除外MACリストの定義例
; ; MAC Address List of Omit Matching. ; [OMIT_MAC] OMIT_MAC = 11:22:33:44:55:66 OMIT_MAC = aa:bb:cc:dd:ee:ff
上記の例では、「11:22:33:44:55:66」と「aa:bb:cc:dd:ee:ff」が引き当て除外MACアドレスとして設定されます。それらのMACアドレスを持つ機器が複数存在した場合、別々の機器(資産)として資産管理データベースに登録されます。