17.6.3 自動生成されたAITファイルの確認と修正のポイント
レコーダでAITファイルを自動生成したあと、次の事項に注意しながら、生成されたコードを確認、修正してください。
- 〈この項の構成〉
(1) インストール条件を変えてレコーディングを繰り返す
ハードディスクの空き容量やOSなどのインストール条件に応じて、インストーラは異なるウィンドウを出力します。これらすべてのウィンドウ出力、すべての事象を1回のレコーディングで記録することはできません。すべてのウィンドウに対する操作をシミュレートするためには、インストール条件を変えてレコーディングを繰り返し、複数のAITファイルを生成する必要があります。インストール条件としては、次のような条件が考えられます。
インストール条件 |
説明 |
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OS |
OSが異なると、インストーラの出力するウィンドウが異なる場合があります。 |
PC環境 |
ハードディスクの空き容量不足、前提プログラムのインストール有無、新規インストールか上書きインストールかなど、インストール対象のPC環境によって、インストーラの出力するウィンドウが異なる場合があります。 |
ユーザ操作 |
インストール先ディレクトリの変更や、インストール操作のキャンセルなど、ユーザ操作が異なると、インストーラの出力するウィンドウも異なります。 |
インストール条件ごとに複数のAITファイルが自動生成されたら、それぞれのAITファイルから、必要なコードを抜き出して組み合わせます。必要なコードとは、インストール条件に応じて出力される、異なるウィンドウへの操作をシミュレートするコードです。
複数のAITファイルを組み合わせる場合の例を次の図に示します。
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(2) インストール操作の終了を正しく判定する
レコーダは、最後にユーザ操作を行ったウィンドウに対して、インストール正常終了のウィンドウ処理を自動生成します。しかし、最後にユーザ操作を行ったウィンドウが、インストールの最後に出力されるウィンドウではないおそれもあります。
例えば、ユーザ操作の最後でReadmeを表示するための「メモ帳」を閉じて、レコーディングを終了した場合、「メモ帳」の操作に対して、インストールの終了処理が自動生成されます。そのため、インストール途中で「メモ帳」が表示されると、実際にはインストール途中であっても、インストールが終了してしまいます。
したがって、レコーディング時には、インストールの最後に出力されるウィンドウで、ユーザ操作を終了するようにしてください。または、手作業でAITファイルを修正し、インストールが終了するまで「メモ帳」を閉じないように順序を制御してください。次にAITファイルの修正例を示します。
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また、同じキャプションのダイアログボックスが、インストールの途中と最後に出力される場合、インストール操作の終了判定が正しく行われるように、異なるラベルやボタンを記述して、2つのダイアログボックスを区別してください。
(3) 変化するテキストをウィンドウの判定に使わない
ウィンドウを判定するために、ウィンドウテキストだけでなく、ウィンドウ内のコントロールのテキストを判定条件として使用できます。このような場合、変化するテキストを判定条件に使用しないでください。
例えば、インストール時にPCの空きディスク容量が、「空きディスク容量:2252195 K」のように表示されることがあります。空きディスク容量はインストールするPCによって値が異なるので、「2252195 K」は、ウィンドウを判定する条件として使用できません。
自動生成されたAITファイルに、PC環境やOSによって変化するテキストが判定条件として使用されている場合は、削除してください。または、テキストの変化しない部分(例えば「空きディスク容量」)だけを判定条件として使用してください。
(4) 無関係なウィンドウに対するコードは削除する
レコーディング時に、インストーラとは別のアプリケーションが起動していた場合、インストーラとは無関係なウィンドウに対するコードが生成されているおそれがあります。このような場合には、無関係なウィンドウに対するコードは削除してください。