8.1.2 更新プログラムのパッケージング
[更新プログラムの管理]ダイアログボックスで取得した更新プログラムをパッケージングできます。更新プログラムをパッケージングするには、あらかじめパッケージング時に設定される情報を設定しておく必要があります。
ここでは、パッケージングの設定と更新プログラムをパッケージングする方法について説明します。
- 注意事項
-
機能更新プログラムのパッケージングはWindows 10、またはWindows Server 2012以降で操作できます。
(1) パッケージングの設定
更新プログラムをパッケージングするときに設定されるパッケージの情報を設定します。
[更新プログラムの管理]ダイアログボックスで更新プログラムをパッケージングする場合、1つのパッチにつき、1つのパッケージが作成されます。
更新プログラムをパッケージングする場合、パッケージ名およびパッケージ識別IDは自動で設定されます。
- セキュリティ更新プログラムの場合
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- パッケージ名
-
Windows 10以外のOSまたはWindows 10 1511より前のバージョンの場合、「DPT-拡張子を除いたファイル名」が設定されます。
Windows 10 1511以降のバージョンの場合、「DPT-拡張子を除いたファイル名-バージョン」が設定されます。
拡張子を除いたファイル名が47文字以上の場合、47文字目以降は削除されます。
ファイル名に「.」(ピリオド)が含まれる場合、「_」(アンダースコア)に変換されます。
- パッケージ識別ID
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大文字に変換したパッケージ名が指定されます。ただし、パッケージ名が45文字以上の場合、45文字目以降は削除されます。
- Windows 10のFeature Updateの場合
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- パッケージ名
-
「DPT-Windows10-FU-バージョン-CPUアーキテクチャ-言語_通番」が設定されます。
- パッケージ識別ID
-
大文字に変換したパッケージ名が指定されます。ただし、パッケージ名が45文字以上の場合、45文字目以降は削除されます。
パッケージの情報は、[更新プログラムの管理]ダイアログボックスから表示する、[パッケージング設定]パネルで設定します。[パッケージング設定]パネルの表示方法を次に示します。
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[セットアップ]ボタンをクリックする。
[セットアップ]ダイアログボックスが表示されます。
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[パッケージング設定]タブを選択する。
[パッケージング設定]パネルが表示されます。
|
[パッケージング設定]パネルでの設定内容について説明します。
(a) キャビネット名
パッケージが格納されるキャビネット名の設定方法を選択します。
- 更新プログラムのリリース日から自動で設定する
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Microsoft社から更新プログラムが提供された西暦と、月の数字の組み合わせでキャビネット名が設定されます。例えば、2019年9月の場合は「201909」が設定されます。この項目はデフォルトで選択されています。
- 任意の値を設定する
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任意のキャビネット名を指定したい場合に選択します。
キャビネット名を1〜16文字で指定します。ただし、次の記号およびスペースは指定できません。
「\」「/」「*」「"」「:」「;」
(b) キャビネット識別ID
パッケージが格納されるキャビネットの、キャビネット識別IDの設定方法を選択します。
- 更新プログラムのリリース日から自動で設定する
-
自動的にキャビネット識別IDを設定したい場合に選択します。
Microsoft社から更新プログラムが提供された西暦の下1けたと、1月〜12月をA〜Lで示した値の組み合わせでキャビネット識別IDが設定されます。例えば、2019年9月の場合は「9I」が設定されます。この項目はデフォルトで選択されています。
- 任意の値を設定する
-
任意のキャビネット識別IDを指定したい場合に選択します。
キャビネット識別IDを2文字の半角英数字で指定します。
なお、設定されたキャビネット識別IDと同じIDのキャビネットが存在する場合、生成されたパッケージは既存のキャビネットに格納されます。その際、更新プログラムの管理画面上の格納先キャビネット名称には[パッケージング設定]パネルで設定したキャビネット名称が表示されます。
(c) パッケージバージョン/リビジョン
パッケージのバージョン/リビジョンを指定します。
- バージョン/リビジョン
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バージョン/リビジョンを1〜6文字の半角英数字および「/」で指定します。デフォルトは「0000」です。
(d) パッケージ世代番号
パッケージの世代番号を指定します。
- 世代番号
-
パッケージの世代番号を1〜4文字の半角英数字で指定します。デフォルトは「0000」です。
(e) インストール先ディレクトリ
インストール先ディレクトリを指定します。
- ディレクトリ
-
インストール先ディレクトリを32文字以内で指定します。デフォルトは「C:\ITDMWK_DPT」です。
(2) パッケージングの実行
(a) 更新プログラムのパッケージング
取得済みの更新プログラムをパッケージングするには、「更新プログラム一覧」でパッケージングしたい更新プログラムのチェックボックスをオンにして、[パッケージ]ボタンをクリックします。複数の更新プログラムを選択してパッケージングすることもできます。
表示されている更新プログラムは、次の表に示すステータスアイコンで過去にパッケージングしたことがあるかどうかを確認できます。
項番 |
ステータスアイコン |
パッケージング状況 |
---|---|---|
1 |
|
過去にパッケージングしたことがない |
2 |
|
過去にパッケージングしたことがある |
未取得の更新プログラムを選択して[パッケージ]ボタンをクリックした場合、更新プログラムを取得してからパッケージングします。
なお、リモートインストールマネージャのインストール後、初めてパッケージングする場合、事前にパッケージャを起動してログインしておく必要があります。一度ログインしたあとは、パッケージャは終了してかまいません。
更新プログラムのパッケージングが開始されると、パッケージングの状況を示すダイアログボックスが表示されます。パッケージングが完了した項目から、[パッケージング設定]パネルでの設定に従ってパッケージが作成されます。パッケージングを中止する場合は、ここで[キャンセル]ボタンをクリックしてください。実行中のパッケージングが完了したら、それ以降はパッケージングされないまま完了します。なお、キャビネットに同名のパッケージがある場合は、そのパッケージは作成されないままパッケージングが続行します。
パッケージングが完了すると、結果を示すダイアログボックスが表示されます。
- メモ
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取得した更新プログラムは、パッケージングの実行後に削除されます。
(b) Windows 10のFeature Updateのパッケージング
Windows 10のFeature Updateをパッケージングする場合、あらかじめFeature UpdateのISOファイルをMicrosoft社のサイトからダウンロードします。その後、「更新プログラム一覧」でパッケージングしたい更新プログラムのチェックボックスをオンにして、[パッケージ]ボタンをクリックします。[機能更新プログラムのパッケージ]ダイアログが表示されます。
- 注意事項
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Windows 10のFeature Updateは1つだけ選択できます。
図8‒4 [機能更新プログラムのパッケージ]ダイアログ
[機能更新プログラムのパッケージ]ダイアログの設定内容を次に示します。
- 機能更新プログラムのISOファイル
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ダウンロードしたFeature UpdateのISOファイルを指定します。
言語およびCPUアーキテクチャを含め、「更新プログラム一覧」でチェックボックスをオンにした更新プログラムに対応するISOファイルを指定してください。
- キャビネット名
-
キャビネット名を1〜16文字で指定します。ただし、次の記号およびスペースは指定できません。
「\」「/」「*」「"」「:」「;」
- キャビネット識別ID
-
キャビネット識別IDを2文字の半角英数字で指定します。
[機能更新プログラムのパッケージ]ダイアログの[OK]ボタンをクリックすると、Feature Updateのパッケージングが実行されます。
パッケージングが完了すると、結果を示すダイアログボックスが表示されます。
(3) パッケージングした更新プログラムの配布
更新プログラムのパッケージングが完了すると、指定したキャビネットにパッケージが保管されます。パッケージには、更新プログラムをインストールするためのスクリプトファイルが自動的に設定されます。スクリプトファイルの内容を次に示します。必要に応じて設定を変更してください。
-
サイレントインストール
更新プログラムのインストール中には、インストーラのダイアログボックスは表示されません。また、リモートインストール中を示すダイアログボックスも表示されません。
-
再起動の抑止
パッケージは、配布完了時にクライアントが再起動されない設定になっています。クライアントで更新プログラムをインストールしたあとに再起動を実行したい場合は、パッケージの設定で、「インストール後コンピュータを再起動する」チェックボックスをオンにしてから配布してください。
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インストール後の更新プログラム実行ファイルの削除
クライアントで更新プログラムのインストールが完了すると、更新プログラムの実行ファイルが削除されます。
また、パッケージには[パッケージング設定]パネルで設定したインストール先ディレクトリ、およびインストール後起動外部プログラムには、スクリプトファイルが指定されています。これによって、特別な設定をすることなくパッケージを配布することで、クライアントにパッチを適用できます。
特定の更新プログラムを配布する場合、その更新プログラムが未適用のクライアントであて先グループを作成しておくことで、不要なジョブを実行することなく更新プログラムを配布できます。配布したい更新プログラムが未適用のクライアントをグルーピングして、更新プログラムを配布する手順を次に示します。
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目的の更新プログラムが適用されていないコンピュータを確認する。
セキュリティ画面の[更新プログラム一覧]画面の[未適用コンピュータ]タブで、更新プログラムごとに未適用のコンピュータを確認します。詳細は、マニュアル「JP1/IT Desktop Management 2 導入・設計ガイド」の更新プログラムの適用状況の確認についての説明を参照してください。
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目的の更新プログラムが適用されていないコンピュータのあて先グループを作成する。
あて先グループの作成方法についての詳細は、「5.2 あて先グループを作成する」を参照してください。
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作成したあて先グループに対して更新プログラムを配布する。
また、パッケージングまたはクライアントへの配布が完了した更新プログラムのパッケージのうち、不要と判断できるパッケージは、データベースの容量を確保するために削除しておくことをお勧めします。
- 重要
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Windows 10のFeature Updateは容量が大きい更新プログラムのため、業務時間中に配布するとネットワークに負荷を与えます。夜間にコンピュータを起動して配布することを推奨します。また、一晩で配布が完了する単位にあて先を分割して実行してください。