7.6.16 パッケージの優先配布
緊急度の高いセキュリティパッチ等を配布する際に、優先的に配布できます。
優先配布の概要を次の表に示します。
機能 |
内容 |
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優先度の設定 |
パッケージングを行う際に、パッケージに優先度を指定します。 |
ダウンロードの並べ替え |
配布ジョブを受け取ったエージェントがパッケージの優先度に従って、ダウンロードする順序を自動的に入れ替えます。 |
優先配布と中断中配布の機能の違いは次のとおりです。
- 優先配布機能
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各種パッケージを配布している運用中に、配布するパッケージの優先度を定義できます。重要なパッケージの優先度を上げて配布したい場合に使用します。
- 中断中配布機能
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ネットワーク負荷によって配布を停止していても、重要なパッケージだけは配布したい場合に使用します。
優先配布機能では、配布ジョブ実行時に、配布するパッケージを優先度に従って並べ替えることができます。
(1) 優先度の定義
優先配布機能での優先度を1〜9の9段階の数字で表します。数字が大きいほど優先度が高くなります。
優先度はパッケージ間の優先順を比較するための相対的な値であって、数字そのものに意味はありません。例えば、通常のパッケージを優先度7で配布している場合、優先度6での配布は優先度が低い配布となります。
(2) 優先配布機能を使用しない場合と、優先配布機能を使用する場合の配布ジョブ実行時の処理の流れ
優先配布機能を使用しない場合と、優先配布機能を使用する場合の配布ジョブ実行時の処理の流れについて説明します。
(a) 優先配布機能を使用しない場合の配布ジョブ実行時の処理の流れ
優先配布機能を使用しない場合の配布ジョブ実行時の処理の流れを次の図に示します。
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ジョブ実行時に上位システムは、配布処理を行うようにエージェントへ要求します。要求を受けたエージェントはジョブを受け取り、ダウンロードおよびインストールを行います。またエージェントは定期的に上位システムに、ジョブが実行されていないか確認します。ジョブ実行中は別のジョブを受け取らずに、1つずつ処理されます。
(b) 優先配布機能を使用する場合の配布ジョブ実行時の処理の流れ
優先配布機能を有効にして、上位システムから通常の優先度の配布ジョブ1を実行中に、優先度の高い配布ジョブ2を実行した場合の流れを次の図に示します。
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ジョブ1のダウンロード中にエージェントは上位システムにジョブを確認するためいったんダウンロードを中断します。ジョブ2が実行されていることを検知して、ジョブ2を受け取ります。ジョブ1のパッケージよりもジョブ2のパッケージの方が優先度は高いため、ジョブ1はダウンロード中断のままとして、ジョブ2のダウンロードおよびインストールが実行されます。
(3) 優先度の指定と運用例
優先度は次のように決めて運用することができます。
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通常は優先度1で配布し、緊急で配布したいパッケージがある場合は優先度2で配布します。その後さらに緊急で配布したいパッケージがある場合は3以上と優先度を上げていきます。
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通常のパッケージをデフォルト5の優先度で配布し、サイズが大きいなどの理由で後回しにしてもよいパッケージの場合は優先度を4など低い値とします。
以前のバージョンのパッケージャで作成したパッケージやUNIXエージェントおよびMacエージェントのパッケージなどの優先度を持たないパッケージの優先度は、デフォルトの5として扱われます。
リモートインストールマネージャから優先度1〜9以外が格納されたパッケージが配布された場合は、エージェント側でデフォルトの5として扱われます。