7.6.14 2ギガバイトを超えるファイルを配布する
2ギガバイトを超えるファイルを管理対象のコンピュータに配布する場合は、管理者のコンピュータでファイルを分割してパッケージを作成します。Windowsエージェントの場合の手順を、次に示します。
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パッケージ登録用のキャビネットを作成する。
管理者のコンピュータで、リモートインストールマネージャまたはdcmpackコマンドを使用して、分割するファイルをパッケージ登録するためのキャビネットを新規作成します。リモートインストールマネージャの実行手順については、「7.4 キャビネットとパッケージの管理」を参照してください。
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ファイル分割・パッケージングを実行する。
dcmpackコマンドを実行して配布対象ファイルを分割します。
コマンドが正常終了すると、指定したパラメタファイルの情報をもとに分割したファイルをパッケージングして、配布管理システムに登録されます。
dcmpackコマンドの詳細については、「14.9 dcmpack.exe(パッケージングの実行)」を参照してください。なお、コマンドの引数で指定するパラメタファイルには、インストール後に起動する外部プログラムとしてcatAndValidatePackagingFileコマンドを指定してください。
なお、コマンドが正常終了すると、一時ファイル領域のフォルダは自動的に削除されます。
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リモートインストールジョブを実行する。
リモートインストールマネージャまたはdcminstコマンドを使用して、配布先のコンピュータに手順2でパッケージングしたファイルをそれぞれ配布します。リモートインストールマネージャの実行手順については、「7.3 リモートインストールの実行」を参照してください。
配布先のコンピュータに上記の手順でパッケージングされたファイルが配布されると、自動的にcatAndValidatePackagingFileコマンドによって、分割されたファイルを結合します。コマンドの詳細については、「14.18 catAndValidatePackagingFile.exe(分割ファイルの結合)」を参照してください。
- 〈この項の構成〉
(1) 配布先のコンピュータのJP1/IT Desktop Management 2 - Agentのバージョンが11-50以前の場合
配布先のコンピュータのJP1/IT Desktop Management 2 - Agentのバージョンが11-50以前の場合、ファイル結合コマンドを配布先のコンピュータに事前に配布しておいてください。配布手順を次に示します。
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ファイル結合コマンドをパッケージングする。
バージョン11-51のJP1/IT Desktop Management 2エージェントで、ファイル結合コマンドをパッケージングして登録します。
次の格納先にあるファイル結合コマンドをパッケージングしてください。
JP1/IT Desktop Management 2 - Agentのインストール先フォルダ\tools\distribute\catAndValidatePackagingFile
パッケージングでは次の属性を設定します。
パッケージ属性
値
パッケージング情報
任意
システム条件
インストール先には、エージェントのインストールフォルダ以外を指定します。
ソフトウェア条件
ソフトウェア名「JP1/IT Desktop Management 2 - Agent」のバージョンが"11.5.1.0000"より小さい
パッケージ条件
このパッケージがインストールされていない。
ファイル属性
任意
スケジュール
任意
インストール方法
任意
オプション
任意
外部プログラム
任意
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リモートインストールジョブを実行する。
リモートインストールマネージャまたはdcminstコマンドを使用して、配布先のコンピュータにパッケージングしたファイル結合コマンドを配布します。
(2) Windows 10の大型アップデートプログラムを配布する例
例として、Windows 10の大型アップデートプログラムを配布する場合について説明します。
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Windows 10アップデートプログラムを入手する。
アップデートプログラムの入手方法については、OSのマニュアルを参照してください。
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アップデート対象のコンピュータを抽出する。
アップデート対象のコンピュータ(Windows 10アップデートプログラムが適用されていないPC)を抽出し、グルーピングします。
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アップデートプログラムを展開する。
管理者のコンピュータで、Windows 10のアップデートファイル(ISOイメージ)をドライブとしてマウントします。ISOイメージのファイルをドライブとしてマウントする方法については、OSのマニュアルを参照してください。
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パッケージ登録用のキャビネットを作成する。
分割するファイルをパッケージ登録するためのキャビネットを、新規作成します。
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ファイル分割・パッケージングを実行する。
dcmpackコマンドを実行して、配布対象ファイルを分割します。アップデートプログラムのISOファイルのマウントドライブが「E:\」、パラメタファイルが「C:\para.txt」の場合の実行例を次に示します。
dcmpack /k password /i C:\para.txt /split /tempdir C:\temp
パラメタファイル(C:\para.txt)の内容
PACKAGING_SOURCE{ base_fullpath= E: } PACKAGING_INFORMATION { package_name=Windows10FCU package_id=FD200304 version_revision=000001 generation=0000 cabinet_name=FCAB01 cabinet_id=F1 package_code=P } SYSTEM_CONDITIONS{ condition=H:c>=3072 directory=C:\Temp\windows }
注 conditionには配布したファイルのファイルサイズ以上の値を指定してください。
dcmpackコマンドを実行すると、分割したファイルがパッケージとして配布管理システムに登録されます。
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セットアップスクリプトを作成し、パッケージングする。
アップデートプログラムを配布先のコンピュータに配布したあと、Windows 10のセットアッププログラムを実行するためのスクリプトを作成し、パッケージングします。
セットアップスクリプトの例を次に示します。
@echo off "C:\Program Files\HITACHI\jp1itdma\bin\catAndValidatePackagingFile" /d "C:\Temp\Windows" if not exist C:\Temp\Windows\setup.exe ( echo setup.exe not found. exit /b 10 ) C:\Temp\Windows\setup.exe /auto upgrade /quiet /showoobe none
セットアップスクリプトを「C:\temp\setupfcu.bat」で作成した場合は、次の表に示す設定内容でパッケージとして配布管理システムに登録します。
パッケージ属性
項目
値
パッケージング情報
パッケージ名
任意
パッケージ識別ID
FD200304_255※
バージョン/リビジョン
000001
世代番号
0000
パッケージ種別
ユーザプログラム、データ
キャビネット名
FCAB01
キャビネット識別ID
F1
システム条件
インストール先フォルダ
C:\temp
外部プログラム
インストール後起動外部プログラム
C:\temp\setupfcu.bat
注※ 手順5で登録されたパッケージ識別IDを確認し、そのパッケージ識別IDより大きい値を指定してください。
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リモートインストールを実行する。
リモートインストールマネージャまたはdcminstコマンドを使用して、配布先のコンピュータに、手順5および手順6のパッケージをそれぞれ配布します。
配布先のコンピュータに手順5および手順6でパッケージングされたファイルが配布されると、手順6で作成したセットアップスクリプトに従ってcatAndValidatePackagingFileコマンドが実行されます。そのあとWindows 10アップデートプログラムが実行されます。